糖質依存になっていませんか?
「脳を働かせるためには甘い物は不可欠!」という考えから、ついおやつに手が伸びてしまう…… なんて人もいるかもしれません。
でも実は、間食で糖質を補給しないと集中力が途切れたりイライラしたりするのは、他の食事の摂り方に問題があるから。
脳は糖質に頼らなくても最高の状態を作り出し、癒やされた状態になれるもの。むしろ日常的な糖質過多こそが、イライラを作りだし、パフォーマンスを下げているのです!
――そう語るのは、内科医・産業医の山下 あきこ先生。
では、甘い物を一生食べちゃいけないの? というと、そうではありません。
山下先生によると、一旦依存がなくなれば、食後にデザートを楽しみ、家族の誕生日にケーキを買ってきておいしく食べることも可能。罪悪感を感じる必要は一切なく、食べ過ぎることもないのだそう。
それよりも、糖質を食べたい気持ちに振り回される生活に別れを告げて、甘いものがあってもなくても幸せを感じられる毎日を送れるようになることが大切!
そこで、山下先生の著書『死ぬまで若々しく元気に生きるための 賢い食べ方: 医者が教える「糖質依存」がなくなる本』より、糖質の摂りすぎが心や身体に与えるデメリットや、甘いものへの依存から離れる方法などをご紹介。
・お菓子を食べ過ぎている
・体重が増え、体調が良くない
・お菓子がないと落ち着かない
という人は、要チェックですよ!
※書籍より一部引用・再編集してお届けします
前回(第3回目)の記事>>医師が解説! ココナッツオイルのすすめ【糖が必要ない体の作り方】
食べたい気持ちを優しく溶かす!
食べたいのに、食べちゃいけないと自分にストップをかけると、余計に食べたい気持ちが高まりますよね。校則があると破りたくなる生徒のように、ダメと言われると抑圧されたものから逃れたくなるのです。
実は食べたい気持ちには2種類あります。体が本当にエネルギーを必要としているときと、感情によって食べたい気持ちになっているとき。
空腹のときは時間が経つほど食べたくなりますが、感情的な食欲は長く続きません。
食べたいという衝動が消えていくまで、約90秒です。
ストレスを感じたときや、食べ物を見たときなどの刺激をきっかけに大脳辺縁系という部位が反応して、自律神経に作用して心拍や呼吸を速め、体の筋肉が緊張します。この反応を視床が感じ取って「食べたい」という情動になります。
この一連の反応が起こって消え去るまで90秒くらい。その間に食べ物を取りに行って選んだり、何を食べようかと考えていると、その情動が続きます。
一方、別の行動に集中しておけば、食べたい衝動は流れ去っていきます。食べたいモンスターに餌をやらずに別の方向を向いて放っておくのが得策なのです。
では、食べたい衝動から気をそらす方法をいくつかご紹介します。
◆食べたくなったら、トイレに行く
おやつが食べたいと思ったら、立ち上がってトイレに行って用を済ませる。ただそれだけです。とても簡単なのですが、体は意外と複雑な行動をいくつも行っています。
用を足したら、「食べたい気持ちが水に流れていく」と頭でつぶやきながらトイレの水を流しましょう。
トイレを出て手を洗い終える頃には、食べたかったことを忘れているでしょう。
◆好きな音楽をきく
食べたい衝動を感じたらきく音楽を、いくつか決めておきましょう。これをきいたら心が穏やかになる、というお気に入りでリラックスできる曲を1曲ききます。
好きな音楽は心を満たします。きき終えたら仕事に戻るとか、何の家事をするとか次の行動を考えておき、すぐにその行動に移ります。
気づいたら、食べたいことなど忘れているはずです!
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『死ぬまで若々しく元気に生きるための賢い食べ方 医者が教える「糖質依存」がなくなる本』(あさ出版/山下 あきこ 著)
「おやつ」は、多くの人にとって幸せの象徴のようなもの。ケーキ、クッキー、チョコレート……。おやつの中でも「スイーツ」と称される一団は、ほぼ糖質で構成されている。
また、「主食」と呼ばれる白米、パン、麺類も、ほぼ糖質。糖質は、依存性のあるドラッグのようなもので、糖質制限が健康・ダイエットに有効なのはよくわかっていても、その快楽を断ち切ることは至難の業!
また、加工品のほとんどに糖が含まれているため、自分が思っているよりも糖の摂取量は多くなりがち。
本書では、糖質に依存する脳の仕組みを明らかにし、依存から自由になるための方法を、1週間・1stepとして、3stepで完成させる。
ついつい糖質に手が伸びる習慣がなくなり、食べたい気持ちと戦う日々から解放されるための、一生使える健康ダイエット本。