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2024.03.04

知っておきたい「好事、魔多し」の意味や使い方! 意外な読み方も

「好事魔多し」は、よいことには邪魔が入りやすいことをたとえた言葉。「こうじまおおし」と読みます。実際にこの言葉を読む際は、「好事、魔多し」とすることが多いでしょう。本記事で、使い方や似ている言葉も取り上げます。

「好事、魔多し」って?

慣用句にはさまざまなものがありますが、それぞれの言葉の正しい意味や読み方を把握している人はそれほど多くないかもしれません。

たとえば、「好事魔多し」を読む際、つづけてすべてを読むのではなく、「好事、魔多し」と間で一拍おくということを知らない人もいるでしょう。

本記事では「好事、魔多し」について一緒に見ていきましょう。

意味と読み方

「好事、魔多し」を辞書で調べてみました。

■好事(こうじ)魔(ま)多(おお)し
読み方:こうじまおおし

《「琵琶記」幾言諫父から》よいことにはじゃまが入りやすい。
[補説] 「好事、魔、多し」と区切る。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「好事、魔多し」は、「好事」「魔」「多し」の3つに区切ることができます。それぞれの意味は次のとおりです。

「好事」→よいことや喜ばしいこと、よい行ない
「魔」→悪いことがたびたび起こること
「多し」→数が多いことや、度重なるさま

これらの言葉の意味から、「よいことにはじゃまが入りやすい」ことを表す際に使われています。

(c) Adobe Stock

由来について

上述した意味の中にもあるように、「好事、魔多し」は『琵琶記』が由来とされています。『琵琶記』とは、中国の戯曲。元代の末から明代の初期にかけ、高明(高則誠)によりつくられた作品です。

妻を捨てて上京した蔡邕(さいよう)は、科挙(官吏登用のための資格試験)に首席で合格、出世を果たします。一方の残された妻は、琵琶を弾きながら夫を探して放浪を続け、ついに夫と再会するというストーリーです。

この中に出てくる「好事多磨」という言葉が「好事、魔多し」の由来。当時の中国では、困難や挫折を表す際に「磨」を使って表現していたとされています。日本に伝わった際、「磨」が「魔」に変わり、「好事、魔多し」という表現が定着しました。

「好事、魔多し」の使い方

ここからは「好事、魔多し」の使い方を紹介します。例文もぜひチェックしてください。

使い方の特徴

「好事、魔多し」が用いられるのは、教訓を述べたり、注意喚起をしたりするような場面でしょう。ビジネスシーンにおいては、何かしらの説明をする際やスピーチ、あいさつなどでよく登場する言葉です。

物事が順調に進んでいる時ほど、ミスや気の緩み、他者からの邪魔が入ると言ったことが生じやすいもの。好調な時ほど注意する必要があるという、戒めを伝える際に使われています。

「好事、魔多しと言いますが」「好事、魔多しと言うように」のような言い回しをすることが多いですね。基本的にはたとえとして用いられる言葉です。

(c) Adobe Stock

例文でチェック

《例文》
・「好事、魔多し」という言葉があるくらいだから、好調な時ほど気を引き締めよう
・A社があのタイミングで不祥事を出すとは、まさに「好事、魔多し」の典型例ですね
・新入社員のBさんは順調に成果を出しているが、思わぬところで躓く可能性がある。「好事、魔多し」と言うし、しばらく注意してサポートしてください

例文では、好調であるがゆえに注意する必要性を伝えており、そのたとえとして「好事、魔多し」を用いています。自戒はもちろん、誰かに対して注意喚起をするような場合にも有効な慣用句と言えるでしょう。

「好事、魔多し」と似ている言葉

「好事、魔多し」と似ている言葉を見ていきましょう。

「寸善尺魔(すんぜんしゃくま)」

「寸善尺魔」とは、小さな善と大きな魔を意味します。世の中には、よいことはほんの少ししかなく、悪いことのほうがずっと多いことや、よいことが少しあっても、悪いことに邪魔されることが多いことをたとえている言葉です。

ちょっとしたよいことを表す「寸善」と、大きな邪魔という意味の「尺魔」を組み合わせた四字熟語。スピーチなどで用いられることがあるでしょう。

《例文》基本給が上がって喜んでいたのに、一部の手当がカットになるそうで、「寸善尺魔」とはこのことだろう。

「月に叢雲花に風(つきにむらくもはなにかぜ)」

世の中の好事には、とにかく差し障りが多いことを意味するのが「月に叢雲花に風」です。「叢雲」とは、群がりたった雲のこと。満月の日に限って雲がかかってしまったり、花が満開の時に限って風が吹いてしまったりする状況を、「差し障りが多い」ことにたとえています。

《例文》優勝決定戦のチケットが取れたのに、絶対に断れない用事がその日に入った。まさに、「月に叢雲花に風」だ。

「花に嵐(はなにあらし)」

「花に嵐」とは、物事にはとかく支障が起こりやすいことをたとえた慣用句です。「月に叢雲花に風」と似ていますが、「花に嵐」は花のみをたとえた言葉。意味や使い方は「月に叢雲花に風」同様と考えていいでしょう。

《例文》「花に嵐」とはよく言ったもので、仕事が軌道に乗り始めてまもなく、大病を患ってしまった

「好事、魔多し」に対義語はある?

「好事、魔多し」の対義語となる言葉もチェックしていきましょう。日常で使うことが多いあの言葉も、「好事、魔多し」の対義語です。

「順風満帆(じゅんぷうまんぱん)」

追い風を受け、帆がいっぱいにふくらむことを表すのが「順風満帆」です。この意味が転じて、物事が順調に思いどおりに運ぶことのたとえとして使われるようになりました。本来、「帆」は「ほ」と読みますが、「順風満帆」の場合は「ぱん」と読みます。

《例文》起業前はとても大変でしたが、起業後は「順風満帆」に進んでいます

(c) Adobe Stock

「とんとん拍子(とんとんびょうし)」

物事が順調にはかどることや、そのさまを表す「とんとん拍子」は、知っている人も多いかもしれませんね。物事がスイスイと順調に進むさまや、物事が思い通りに進展するさまを表す際に使われています。

「とんとん拍子にことが進んだ」「とんとん拍子に出世した」のように表現することが多いでしょう。「トントン拍子」と表記することもあります。

《例文》同期の中でも飛び抜けて優秀なAさんは、「とんとん拍子」に結果を出し、ついに主任になるそうだ

最後に

「好事、魔多し」の意味や使い方、由来、似ている言葉などを紹介しました。日本にはさまざまな慣用句がありますが、「好事、魔多し」はビジネスシーンでよく用いられる言葉の一つと言えます。誰かに対して注意喚起する際のたとえとしても使えますので、あらためて意味や使い方を確認しておきたいですね。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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