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この記事のサマリー
・「安物買いの銭失い」とは、安さだけで選ぶと結果的に損をしやすいという戒めのことわざです。
・読み方は「やすものかいのぜにうしない」です。
・似た言葉には「安物は高物」「安かろう悪かろう」などがあります。
安さにひかれて選んだものの、あとから後悔したことはありませんか? 買った瞬間は得した気分になっても、使いにくさや買い替えで、結果的に出費が増えていた… なんてこともあります。
「安物買いの銭失い」は、そんな身近な感覚に重なることわざです。意味や読み方、使い方を知ると、この言葉の奥行きが見えてきますよ。
「安物買いの銭失い」とは?
まずは意味から確認していきましょう。
意味
「安物買いの銭失い」は、安価な物を買うと、品質が悪かったり、すぐに買い替えが必要になったりして、かえって損になることを表すことわざです。
辞書では次のように説明されていますよ。
安物(やすもの)買(か)いの銭(ぜに)失(うしな)い
安価な物を買うと、品質が悪かったり、すぐに買い替えなければならなかったりするので、かえって損になるということ。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
端的にいうと、「安さだけで選ぶと、結局は損をしやすい」という戒めだといえるでしょう。
このことわざと近い発想の言い方は古くから見られ、『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)の補説では、「やす物の銭うしない」や「安物は銭失い」といった表現も16世紀後半以降によく使われていたとされています。
長く受け継がれてきた戒めだとわかると、ことわざとしての重みも伝わってきますね。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)

「安物買いの銭失い」という言葉の使い方
ここからは、「安物買いの銭失い」という言葉の具体的な使い方を見ていきましょう。例文を挙げますので、参考にしてくださいね。
例文でチェック
《例文》
・セールで安く買った家電がすぐに壊れ、安物買いの銭失いだと家族に言われた
・欲しかったアイテムの類似品を買おうと思ったが、安物買いの銭失いになると反対された
・母は節約家だが、安物買いの銭失いではなく、お金をかけるべきところを理解している
安価で購入できて得をしたと思っていたのに、すぐに壊れて買い替える羽目になったという経験を持つ人は多いでしょう。欲しい商品の類似品を購入したけれど、結局使わなかったり、欲しい商品を買い直したりということもありがちですよね。
節約家と呼ばれる人は、お金の使いどころを心得ている人が多いものです。お金をかけるべきところを理解しているので、「安物買いの銭失い」になることは少ないでしょう。
「安物買いの銭失い」に似た意味を持つ言葉
ここからは、「安物買いの銭失い」に似た言葉を紹介します。どの言葉も、買い物をする際の戒めとなるでしょう。
「安物は高物」
「安物は高物」は、安い物を買って得をしたつもりでも、修理や買い替えが必要になり、結局は高くつくという意味です。「やすものはたかもの」と読みます。
「安かろう悪かろう」
「安かろう悪かろう」は、値段が安い物は品質もよくないだろう、という見方を表した言葉です。「悪かろう安かろう」とは言わないため、語順もそのまま覚えておきたいですね。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
対義語は?
「安物買いの銭失い」にぴったり対応する対義語はありませんが、近いものとして「高かろう良かろう」が挙げられるでしょう。「値段の高いものは品質がいいだろう」という意味を持ちます。
「高かろう良かろう、安かろう悪かろう」とつなげて用いられることもありますよ。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)

「安物買いの銭失い」を防ぐ方法
今は、手ごろな価格でも満足度の高い商品が見つかる時代です。そのため、「安い物はすべて悪い」と決めつけることはできません。けれども、「安いから」という理由だけで選ぶと、品質や耐久性が足りず、修理や買い替えが必要になって、結果的に高くつくことがあります。そこに「安物買いの銭失い」ということわざが教える戒めがあります。
このことわざ通りになることを避けるには、値段の安さだけで判断せず、必要性や品質、どれくらい使うか、長く使えるかまで含めて考えることが大切です。ここでは、こうした視点で買い物を見直すヒントを紹介します。
なぜ欲しいのかを考える
安い商品を見つけると、つい「今買わないと損かもしれない!」と感じることがあります。そんな時こそ、自分がその商品を欲しい理由を落ち着いて確かめたいところです。
もし理由が「安いから」「値引きされているから」だけなら、そこでいったん立ち止まることをおすすめします。「本当に必要か?」「どのくらい使うか?」「安さ以外に納得できる点はあるか?」を考えることで、ことわざどおりの失敗を避けやすくなりますよ。
必要性がはっきりしないまま買うと、使わずに終わったり、結局もっと満足できる物を買い直したりすることがあります。安さに気持ちが動いた時ほど、買う理由を言葉にして確かめることが大切です。
欲しいと思っても、いったん保留
気になる商品を見つけると、その場の気分で決めたくなることがあります。けれども、「安いから今のうちに」という気持ちで急いで買うと、品質や使い勝手を十分に確かめないまま選んでしまうこともあります。
そんな時は、いったん保留にして、商品情報を見直す時間を持つのがおすすめ。レビューや素材、保証の有無、サイズ感、手入れのしやすさなどを確認してから判断すると、値段以外のポイントも見えてきます。
数日置いて見直しても欲しいと思えるか、長く使う場面が想像できるかを確かめてから購入すると、勢いだけの判断を避けやすくなります。
セールは、あらかじめ必要なものをピックアップ
セールは魅力的ですが、値引き率だけを見て選ぶと、「安く買えた」ことばかりに目が向きやすくなります。その結果、必要性や品質をよく見ないまま購入し、後悔することもあります。
セールを利用するなら、先に必要な物を整理しておくと、判断の軸がぶれにくくなります。そして候補を見つけた時には、価格だけでなく、品質、使う頻度、手持ちの物との重なり、買い替えが必要な理由まで確かめることが大切です。
「安いから買う」ではなく、「必要で、長く使えそうだから買う」と考えられるかどうかを目安にすると、ことわざどおりの失敗を避けやすくなるでしょう。
なぜ安いのかを考える
相場よりもかなり安い商品に出会うと、「今買わないと損!」と思いやすいものです。けれども、そう感じた時ほど、なぜ安いのかを落ち着いて見ておきたいところです。
価格が抑えられている理由としては、素材や機能が簡素である場合もあれば、型落ちや在庫整理による値下げである場合もあります。大切なのは、安い理由を確認した上で、自分にとって十分な品質かどうかを判断することです。

長く使えるかどうかも考える
買い物では、目先の価格だけでなく、どれくらい長く使えるかを考えることも大切です。購入時には少し高く感じても、長く使えて、買い替えや修理の回数が少なく済むなら、結果として納得のいく買い物になることがあります。
特に家電や家具のように長く使う物は、価格だけでなく、耐久性や保証、修理のしやすさまで確かめておくと安心です。最初の出費だけを見るのではなく、使い続ける間にかかる負担まで含めて考えると、「安物買いの銭失い」を避けやすくなるでしょう。
「安物買いの銭失い」に関するFAQ
ここでは、「安物買いの銭失い」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「安物買いの銭失い」の意味は?
A. 安い物を買っても、品質が悪かったり、すぐに買い替えが必要になったりして、結局は損になることを表すことわざです。
Q2. 「安物買いの銭失い」の読み方は?
A. 「やすものかいのぜにうしない」と読みます。
Q3. 「安物買いの銭失い」に似たことわざは?
A. 「安物は高物」や「安かろう悪かろう」が近い表現です。
最後に
「安物買いの銭失い」は、ただ安い物を遠ざけるための言葉ではなく、選ぶときの視点をそっと整えてくれることわざです。
値段だけに心を動かされず、自分にとって本当に心地よく使えるかを考えることが、満足のいく買い物につながります。日々の選択を見直したい時に、思い出したい言葉ですね。
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