「安物買いの銭失い」が意味することは?
「安物買いの銭失い」という言葉を知っていますか? 文字通り、買い物のことを表しますが、お金の使い方に対する戒めとして用いられることも。昔からある言葉ですので、意味を知り、良い教訓として生かしたいですね。
辞書の意味
◆安物(やすもの)買(か)いの銭(ぜに)失(うしな)い
読み方:やすものかいのぜにうしない
安価な物を買うと、品質が悪かったり、すぐに買い替えなければならなかったりするので、かえって損になるということ。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
安物には値段がかからないだけの理由があり、それを理解せずに買うと、すぐに修理や買い替えなどが発生して結局はお金がかかるということを表します。買い物の仕方について注意を促す言葉と言えるでしょう。
あまりいい意味では使われない言葉
上述の意味からもわかるように、「安物買いの銭失い」は人を褒めることには使いません。それよりは、注意喚起の要素が強いと考えてください。
そのため、他人に向けて使う場合は、注意が必要です。うっかり使ってしまい、他人を不快な気持ちにさせてしまったということがないようにしてくださいね。
「安物買いの銭失い」という言葉の使い方
ここからは、「安物買いの銭失い」という言葉の具体的な使い方を見ていきましょう。例文を挙げますので、参考にしてくださいね。
例文でチェック
《例文》
・セールで安く買った家電がすぐに壊れ、安物買いの銭失いと家族に言われた
・欲しかったアイテムの類似品を買おうと思ったが、安物買いの銭失いになると反対された
・母は節約家だが、安物買いの銭失いではなく、お金をかけるべきところを理解している
安価で購入できて得をしたと思っていたのに、すぐに壊れて買い替える羽目になったという経験を持つ人は多いでしょう。欲しい商品の類似品を購入したけれど、結局使わなかったり、欲しい商品を買い直したりということもありがちですよね。
節約家と呼ばれる人は、お金の使いどころを心得ている人が多いものです。お金をかけるべきところを理解しているので、「安物買いの銭失い」になることは少ないでしょう。
「安物買いの銭失い」に似た意味を持つ言葉
ここからは、「安物買いの銭失い」に似た言葉を紹介します。どの言葉も、買い物をする際の戒めとなるでしょう。
「安物は高物」
「安物は高物」は、安価な物はすぐに買い替えることになり、結局は高くつくという意味。「やすものはたかもの」と読みます。「安物買いの銭失い」とほぼ同義と考えてください。
「安かろう悪かろう」
「安かろう悪かろう」は、値段が安ければそれだけ質が落ちるであろうことや、安い物によい物はないということをたとえた言葉。「安物買いの銭失い」と意味は同じです。「悪かろう安かろう」とは言いませんので、混同しないようにしてくださいね。
「安物買いの銭失い」を防ぐ方法
「安物買いの銭失い」という言葉の意味を紹介しましたが、今は各企業の努力もあり、安くて質もよいという物がたくさんありますよね。消費者にとっては大変ありがたいことで、それを考えると、「安い物=質が落ちる」とは一概に言えないでしょう。
しかし「安いから」という理由だけで買い物をすると、使わないまま放置したり、処分したりということになり、「安物買いの銭失い」に陥いることも。そうなると、お金も購入品も無駄ですよね。
「銭失い」になる要因は、買い物の仕方そのものにあるのかもしれません。ここからは「安物買いの銭失い」を防ぐ方法を紹介します。買い物の際は次のことを意識してみてくださいね。
なぜ欲しいのかを考える
セールで欲しいものを見つけたり、ECサイトのビッグセールでお買い得品を見つけたりすると、すぐに購入したくなるかもしれません。そんな時は、自分がなぜそれを欲しいと思ったのか、考えるようにしてください。
もし、「セールになっているから」「お買い得だから」「安価だから」という理由なら、いったん冷静になり再検討を。それは「必要のないもの」かもしれません。
セールにつられて買ったけれど、まったく使わないなら無駄ですよね。このお金で本当に欲しい物を買えばよかったと後悔するかもしれません。特に予定外の買い物は注意してください。
欲しいと思っても、いったん保留
雑誌やSNSで見かけた商品が欲しくなり、勢いで買ってしまうこともあるでしょう。自分にとって価値がある物に出会えることもありますが、そうでないということも。特に必要がないのに買ってしまうのは、避けたいですね。
そのような場合は、いったん保留にするのがおすすめ。ECサイトやSNSなら、アイテムのセールページをお気に入りに登録する、保存するなどして、いったんページを閉じましょう。そして期間をあけ、再検討するようにします。
たとえば、ショッピングサイトの商品ページをリスト化し、3日後にそれを見返すと決めます。見返して欲しいと感じたら、あらためて購入を検討するのです。このような、自分なりの買い物ルールを決めてみるのもいいかもしれません。
セールは、あらかじめ必要なものをピックアップ
セール時期やセールの告知は心が躍りますよね。しかし、予定外の物まで購入し、予算をオーバーしてしまうのはよくあること。これも「安物買いの銭失い」になりやすいと言えます。
セールを狙うなら、あらかじめ欲しい物をリストアップし、それ以外の物は見ないようにするのも一つ。予定外の欲しい物はいったん保留、あるいは欲しい理由を考えてみるのがおすすめです。
なぜ安いのかを考える
相場よりも安いと感じる物に出会ったら、買わないと損だと思うかもしれません。しかし本当にそうでしょうか? いったん立ち止まり、なぜその商品が安いのかを考えてみるのいいですね。
相場よりも安いと感じる商品には、それなりの理由があることも。「本当に必要か」や「欲しい理由」をあらためて考えるようにしてください。
長く使えるかどうかも考える
買い物の際、長く使えるかどうかを意識するのもおすすめです。購入の時は高いと感じても、長く使えるのであれば、結局は良い買い物をしたと思えるはず。満足度は高いかもしれません。特に家電や家具などは、壊れた時の保証などもしっかりとチェックしたいですね。
最後に
「安物買いの銭失い」という言葉について紹介しました。衝動買いや無駄遣いが多いことで悩んでいるという人は、この言葉をメモしておくのもいいですね。自分にとって価値があり、満足のいく買い物をしてくださいね。
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