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2024.02.12

「喧々囂々」とはどんな意味? 会議での使い方や「侃々諤々」との違いを解説

「喧々囂々(けんけんごうごう)」とは、「大勢の人がやかましく騒ぎ立てるさま」。ビジネスシーンや政治など、議論の場で用いられる四字熟語です。本記事では、「喧々囂々」の意味や使い方、類語などを解説しましょう。

「喧々囂々」という漢字、なんと読むかわかりますか? 「喧々囂々」は、正しく読むことが難しい難読漢字の1つ、その上どんな意味なのかわからないという方も多いでしょう。そこで本記事では、「喧々囂々」の意味や読み方、使い方、類語を解説します。

「喧々囂々」の意味と読み方

難読漢字の1つである「喧々囂々」は、「けんけんごうごう」と読みます。意味は以下のとおりです。

[ト・タル][文][形動タリ]大勢の人がやかましく騒ぎたてるさま。「議論が紛糾して―たる場内」

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「喧々囂々」は、多くの人が勝手に喋りたてて騒がしい様子を表します。「喧喧囂囂」と表記することもありますね。「喧」と「囂」はどちらも「うるさい、やかましい」という意味があり、組み合わせることでさらにその意味を強調しています。そのため、大勢の人が一斉に騒ぎ立て収拾がつかない状況を表しているのです。

(c) Adobe Stock

使い方を例文でチェック!

「喧々囂々」は、議論の場で使われる言葉なので、主にビジネスシーンや政治の場面などで用いられます。主なパターンを3つ見ていきましょう。

1:今日はまとめ役の田中さんがいなかったので、会議は喧々囂々として結論が出なかった。

会議をスムーズに進めるためには、必ずまとめ役や進行係が必要になるもの。しかし、まとめ役がいないことで、各々が好き勝手に意見を言い放ち、話が先に進まない状態になっていることがわかりますね。

2:今回の企画会議はメンバー6人で行ないましたが、反対意見が飛び交い、結局企画がまとまるまで3時間もかかってしまいました。

「喧々囂々」は、大勢の人がやかましく騒ぎ立てることという意味があるので、ある程度の人数が集まった場面で使用します。たとえば、2人で意見を戦わすといった状況には当てはまりませんので注意しましょう。

3:A議員の不適切な発言が発端となり、場内はまさに喧々囂々たる有り様だった。

誰かの不適切な発言が原因で人々が感情的になり、「喧々囂々」な会議となってしまった、というシチュエーションもあるでしょう。反対意見や謝罪を求める声などが飛び交って、荒れた現場が想像できますね。

(c) Adobe Stock

類語や言い換え表現は?

議論の場で用いられる表現として、「侃々諤々」「議論百出」「舌戦」などがあります。特に「侃々諤々」は、「喧々囂々」と字面や意味合いが似ているため、「どんな違いがあるの?」と疑問に思われがちな言葉です。この機会に、正しい意味と違いを押さえておきましょう。

1:侃々諤々

「侃々諤々」は、「かんかんがくがく」と読みます。意味は以下の通りです。

[ト・タル][文][形動タリ]正しいと思うことを堂々と主張するさま。また、盛んに議論するさま。「―と意見をたたかわす」

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

自分が正しいと思うことを、遠慮なく主張することを「侃々諤々」と言います。複数の人が議論する点において「喧々囂々」と共通していますが、異なる点も。「侃々諤々」は、自分の意見を率直に主張し、建設的な話し合いをする場面で用いられます。その一方「喧々囂々」は、各々が勝手に騒ぎ立てて話し合いがまとまらないことを指すのです。

(例文)
・若手議員は、勇気を持って中堅議員と侃々諤々と意見を戦わせた。
・遠慮せず侃々諤々の討議をする必要がある。

2:議論百出

「議論百出」の読み方は、「ぎろんひゃくしゅつ」。意味を見ていきましょう。

たくさんのさまざまな意見が出ること。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「議論百出」とは、「多種多様な意見がたくさん出ること」。「百」には、「多くの」という意味があり、「百出」は「多くの(意見が)出る」という意味になります。多くの意見と言っても、さまざまな意見が飛び交い荒れている会議ではなく、次々と意見が出てきて、議論が活発に行なわれているポジティブな意味合いで用いられます。

(例文)
・若手議員が集まり、議論百出した。
・人権問題について議論百出した。

3:舌戦

「舌戦(ぜっせん)」の意味は、以下の通りです。

激しく議論すること。口論。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

激しく議論したり、言い争うことを「舌戦」と呼びます。お互いの主義主張が噛み合わず、言い争っている場面で使われる言葉です。「舌戦を交える」「舌戦を繰り広げる」などと表現します。

(例文)
・両党は憲法改正について舌戦を繰り広げた。
・対立候補とは、舌戦を交える覚悟だ。

(c) Adobe Stock

4:甲論乙駁

「甲論乙駁」は、「こうろんおつばく」と読みます。意味は以下の通りです。

[名](スル)甲が論じると乙がそれに反対するというように、たがいにあれこれと論じ合うばかりで、議論の決着がつかないこと。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

お互いの意見に反対し合って、なかなか結論がまとまらないことを「甲論乙駁」と言います。「駁」は見慣れない漢字ですが、「偏る」「反対意見を述べる」などの意味があり、「駁議(ばくぎ)」(人の意見に反対した意見を述べる)という言葉などにも使われます。「喧々囂々」のように闇雲に騒ぎ立てているのではなく、あくまでも反対意見を述べて議会が荒れている様子を表します。

(例文)
・ライバルである佐藤さんと高橋さんの意見が、甲論乙駁して収拾がつかない。
・議論が甲論乙駁となっているので、一度冷静になりましょう。

最後に

「喧々囂々」は、「大勢の人がやかましく騒ぎたてるさま」。議論が紛糾して、荒れた場面で用いられる言葉です。あくまでも大勢の人が集まっている場で使われるため、2人で言い合いをする時にはふさわしくありません。活発に議論する際に使われる「侃々諤々」「議論百出」「舌戦」などの類語も覚えて、ビジネスシーンで活用してみてはいかがでしょうか?

TOP画像/(c) Adobe Stock

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