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2024.02.03

「医者の不養生」とは? 使い方や似たことわざ、英語表現を解説

「医者の不養生」とは、「人に養生を勧める医者が、自分は健康に注意しないこと」。転じて、「正しいとわかっていながら自分では実行しないことのたとえ」です。本記事では、「医者の不養生」の意味や使い方、類語となることわざを解説します。

健康を害した時などに「それは、医者の不養生だよ」という言葉を聞いたことはありませんか? 聞き覚えはあるものの、実際どのように使えば良いのかわからない方もいらっしゃるかもしれません。そこで本記事では、「医者の不養生」の意味や使い方、似たことわざ、英語表現を解説します。

「医者の不養生」とは?

「医者の不養生」は、「いしゃのふようじょう」と読みます。意味を見ていきましょう。

人に養生を勧める医者が、自分は健康に注意しないこと。正しいとわかっていながら自分では実行しないことのたとえ。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

頭では正しいと思っていながら、自分ではその通りに行動しないことを「医者の不養生」と言います。本来は職業に関わりなく使われる言葉ですが、「医者」という言葉が使われていることから、医師や専門職などに使われる傾向がありますね。

お酒を飲む上司
(c)Adobe Stock

使い方を例文でチェック!

「医者の不養生」とは、どのような場面で使われることわざなのでしょうか? ここでは3つ紹介します。

1:内科の佐藤先生は生活習慣病だったそうだ。医者の不養生とはこのことだね。

普段患者に健康指導をしている立場の医者が、生活習慣病と診断されてしまったという例です。仕事で忙しく、自分のことに構っていられなかった結果、不健康な生活を送ってしまうこともあるでしょう。患者と同じく自分自身の健康も大切にしてもらいたいところですね。

2:医者の不養生という言葉があるが、先生は昔からヘビースモーカーだ。

医者として、「タバコは体に悪いので控えてください」と言いつつ、医者自身がタバコをやめられず肺を悪くしてしまうことも。タバコやお酒など、体に良くないことは理解しているのに、やめられず病気をしてしまうこともあるでしょう。

3:医者の不養生という言葉もあるし、健康にはくれぐれも注意してね。

医者や看護師など、医療に関わる仕事をしている人は、患者を優先して生活しているもの。患者だけでなく、自分自身の体も大切にしてほしいということですね。

仕事しながら食事する女性
(c)Adobe Stock

類語や言い換え表現は?

「医者の不養生」に似た意味を持つことわざは、「紺屋の白袴」「大工の掘っ立て」「河童の川流れ」があります。どんな意味なのか1つずつチェックしていきましょう。

1:紺屋の白袴

「紺屋の白袴」は、「こんやのしろばかま」と読みます。意味は以下のとおりです。

紺屋が、自分の袴は染めないで、いつも白袴をはいていること。他人のことに忙しくて、自分自身のことには手が回らないことのたとえ。こうやのしらばかま。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「紺屋」とは、染め物屋のこと。昔は着る物を染め屋に持って行き、染めてもらうという習慣がありました。染め物屋は、お客の着物を染めるのに忙しくて、肝心な自分の着るものを染める余裕がないことから、「紺屋の白袴」ということわざができたとか。仕事に精を出しすぎて、自分のことに手が回らないという点が、「医者の不養生」と似ていますね。

(例文)
・母は子供の世話ばかりして、自分の時間がありません。まるで紺屋の白袴のようです。

2:大工の掘っ立て

「大工の掘っ立て」は、「だいくのほったて」と読みます。どんな意味があるのでしょうか?

人のために立派な家を建てる大工が、粗末な掘っ建て小屋に住んでいる。他人の世話ばかりしていて、自分のことに無関心であったり、手が回らなかったりすることのたとえ。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

いつも家を建てている大工が、自分の家は粗末であることを「大工の掘っ立て」と言います。他人のことばかりを優先して、自分のことは後回しなことが「医者の不養生」と似ていますね。

(例文)
・立派なマンションを建てているのに、自分の住むところには無頓着だなんて、まるで大工の掘っ立てだよ。

鼻をかむ女性
(c)Adobe Stock

3:河童の川流れ

「河童の川流れ」の読み方は、「かっぱのかわながれ」。意味を確認してみましょう。

泳ぎのうまい河童でも、水に押し流されることがある。その道の名人でも、時には失敗することがあることのたとえ。弘法にも筆の誤り。猿も木から落ちる。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

泳ぎが上手な河童でも、水に流されることがあることから転じて、どんな名人でも時には得意なことで失敗することがあるという意味になりました。「医者の不養生」は、医療のプロである医者が自分の検診を怠って、病気をすることもあるという意味で使われることが多いため、よく似ていますね。

(例文)
・河童の川流れということわざがあるように、プロも時には失敗することがある。

英語表現は?

「医者の不養生」と同じような意味を持つことわざは海外にも存在するようです。慣用表現には、「A physician often neglects his own health.」があります。ここでは、そのほかに「The tailor’s wife is worst clad」「Physician, heal yourself」「The shoemaker’s children go barefoot」を紹介します。

1:The tailor’s wife is worst clad.

直訳すると、「仕立て屋の妻は、とてもひどい身なりをしている」という意味です。自分の服の仕立てよりも、お客の洋服の仕立てばかりを優先しているということですね。「医者」の代わりに「仕立て屋」を使ったことわざと言えるでしょう。

2:Physician, heal yourself.

直訳すると、「医者よ、自分自身を治しなさい」という意味。「heal」は、「傷を治す」「悲しみを癒す」などの意味があります。仕事に精を出すあまり、自分自身の健康に対して無関心な様子が想像できますね。「医者の不養生」とよく似たことわざです。

3:The shoemaker’s children go barefoot.

こちらは、「靴屋の子供は裸足で歩く」という意味。「shoemaker」が「靴屋」、「barefoot」は、「裸足」です。靴屋の子供にも関わらず、履くものに関心がないということですね。

最後に

「医者の不養生」とは、「人に養生を勧める医者が、自分は健康に注意しないこと」。転じて、「正しいとわかっていながら、自分では実行しないことのたとえ」として用いられます。「医者」という言葉がついていることから、お医者さんに対してのみ使われる言葉だと思われがちですが、それ以外でも使用できます。「紺屋の白袴」「大工の掘っ立て」など、職業にまつわることわざも一緒に覚えてみてはいかがでしょうか?

TOP画像/(c) Adobe Stock

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