人を優先して、つい自分を後回しにしていない?
「自分の仕事もあるのに頼まれると断れなくて、また帰りが遅くなってしまった」
「いつも子どもや夫を優先していて、自分の時間がなかなか取れない」
「希望を聞かれても遠慮してしまい、思っていることを言えない」
「自分の気持ちよりも相手の意向を汲んだけれど、報われていない感じがする」
「お願いしたら迷惑かなと思うと、頼めない」
こんなことを感じた経験、ありませんか?
『人を優先して自分を後回しにすること自体に問題があるわけではありません。人を優先できるのは、その人に対してやさしい思いを向けられるからこそで、素晴らしいことです。
ただ、人にやさしさを向けるがために自分が疲れてしまっては問題です。
もし、あなたが、「自分もそれでいいと思って始めたのに、なんだか気持ちがハッピーじゃない……」などのように感じて心が苦しいのなら、自分らしく人生を生きることができていないと言えるでしょう。』
ー-そう語るのは、心理カウンセラー・積田美也子さん。
そこで、積田さんの書籍『「つい自分を後回しにしてしまう」が変わる本』より、自分らしく人生を生きることができるようになる考え方のヒントをお届け!
※書籍では、「心の旅」と称し、7つのステップが紹介されていますが、本連載ではステップ4までの一部を掲載します。
ステップ3:自分の価値を認める
人のために頑張ってきたことを認めて、自分にねぎらいの言葉をかける
自分を後回しにして人を優先する人は、自分のことだけでもかなり手いっぱいな状態であっても、「そこまでしているの!」とこちらが驚くくらい、人に尽くしているケースがよくあります。
しかも、そのことについて、「いえ、大したことはしていません」「大変だけど、やれるんで大丈夫です」というようにおっしゃることも、珍しくありません。
それだけ人に与えて、自分のことも人のことも一生懸命やっているのに、それをしごく普通のことのように捉えています。
それゆえ、そんな自分の頑張りを認め、褒めてあげることをしていない人がとても多くいらっしゃいます。
あなたも、自分ができていることよりも、できていないこと、不十分な部分にばかり目を向けては、「まだ足りない」「これではダメだ」と、どんどん自分を追い込んでしまっていないでしょうか。
自分のいいところに目を向けていないのでは、自分の価値に気づくことができないのも当然です。
でも、よく考えてみてください。
あなたはこれまで、すでにたくさんのことを人のためにやってきました。
たとえば、ステップ2で振り返りましたが、お母さん、お父さんとのことを思い出してみてください。
・忙しそうなお母さんに心配かけたくなくて、本当は寂しいと言いたかったけれど、我慢して一人で頑張った
・お母さんの愚痴をいつも聞いてあげていた
・お母さんとお父さんの仲をとりもとうと、二人が笑顔になることを考えた
・お母さんを助けようと、兄弟の面倒をみたり、皿洗いや料理など家事を手伝った
など。
あなたは、子どもながらに頑張りましたよね。
大人になった今も、自分も忙しい中、お母さんやお父さんのことを気にかけて、様子を見に実家へ戻ったり、あれこれと用事をやってあげている方もいるかもしれませんね。
そんなあなたは職場でも、時間内に終わりそうにない仕事を抱えている人を見つけて手伝ってあげたり、全体の業務がうまく運ぶよう、さりげなく気がついたところをフォローしたり、人があまりやりたがらない仕事を引き受けたりして、頑張っているのではないでしょうか。
友達の悩みに親身に相談にのって、協力したこともあるかもしれません。
また、家族のために、毎日仕事を頑張った、家事を頑張ったという人もいるでしょう。
今まで、このように頑張ってきたことが、たくさんあったのではないでしょうか?
そんな自分を認めていますか? 褒めていますか?
あなたは人に、これまでたくさんの愛を注いできました。あなたに助けられた人は、たくさんいるでしょう。
相手から感謝されたこともあるでしょうし、反対に自分が思うような反応をしてもらえなかったこともあるかもしれません。
相手の反応がどんなものであっても、あなたがたくさんの人のために行動してきたことは事実です。あなたは素晴らしいことをやってきたのです。
ぜひ今、「本当によくやってきたね」「よく頑張ってきたね」など、自分のいちばんの応援者、理解者として、心の中で自分に向かって、ねぎらいの言葉をかけてあげてください。
今までたくさんの人に向けてきたその愛を、今度はあなた自身に向けてあげましょう。
そうして頑張ってきた自分を褒め、自分の価値を認めると、「ありのままの自分ではダメだ」という気持ちも少しずつなくなっていきます。
自分の頑張りをきちんとねぎらい、認めてあげることが大切です。
自分を認めることができると、自己肯定感が上がり、心のコップの水も自然と満たされていきます。
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TOP画像/(c)Adobe Stock
『「つい自分を後回しにしてしまう」が変わる本』(積田 美也子 著/あさ出版)
自分の意見が言えない… 相手が不機嫌になったらイヤだ… 私ばっかり損している気がする… これで丸く収まるなら… 自分のことをする時間がない…
あなたは、人を優先してつい自分を後回しにしていませんか?
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