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2024.01.17

「七転八倒」とは? 意味や使い方、言い換え表現なども紹介

「七転八倒」とは、「激しい苦痛に耐えかね、転げ回って苦しむこと」「極めて混乱していること」です。また、よく似た熟語に「七転八起」がありますが、意味は大きく異なります。本記事では、「七転八倒」の使い方や類語、英語表現についても紹介します。

「七転八倒」の意味について

人生の中で、大小問わず何かしら試練に直面したことはありませんか? 仕事内容・人間関係・体の痛みなど、困難や苦痛に直面することはめずらしくありません。

そんな時に当てはまるのが「七転八倒」という言葉。この「七転八倒」という言葉の意味や読み方、さらにはよく似た「七転八起」という表現についても、この記事で解説していきます。

まずは読み方ですが、「七転八倒」は「しちてんばっとう」と読みます。意味は「激しい苦痛のあまり、転げ回って苦しむこと。また、混乱の程度がはなはだしいこと」ということ。7回転んで8回倒れるということですので、それくらい苦しい状況や混乱している状況が読み取れます。

登山する人
(c)Adobe Stock

「七転八起」との違いについて

「七転八倒」によく似た表現として、「七転八起」があります。読みは「しちてんはっき」。「七転び八起き(ななころびやおき)」と表現することもあります。意味は、「何回失敗しようとも、立ち直って最後までやりぬくこと」。また、そこから転じて「人生には浮き沈みが多いこと」も意味します。7回転んで8回起きるという表現からも、何度も立ち上がるというニュアンスが読み取れますね。

「七転八倒」は「転げ回って苦しむ」という意味であるのに対して、「七転八起」は「何度倒れても立ち上がる」という未来志向のニュアンスがあります。「苦しくてもあきらめない」ということから、座右の銘にしている人も多いのではないでしょうか?

「七転八倒」を使った例文

次に、「七転八倒」を用いた例文を見ながら、実際の使い方を解説していきます。

豪華な料理
(c)Adobe Stock

1:「部署が変わり、これまでにない挑戦が続いていますが、七転八倒しながらも成長の機会ととらえ、前向きに取り組んでいます」

新しい仕事に戸惑い、苦労しながらも前向きに取り組んでいるという意味です。「七転八倒」は、苦労しながらあれこれ試行錯誤をするというニュアンスで使われることがあります。不慣れなことには、わからないことも多く、困惑することも多いと考えられるので、まさに「七転八倒」です。

2:「慢性的な頭痛に悩まされ、七転八倒しながらも、薬やリラクゼーション法を試しながら、徐々に回復に向かっています」

慢性的な頭痛によって苦労するも、いろいろな治療方法を試すことで徐々に体調が良くなっているという内容です。身体的な痛みについても、「七転八倒」という言葉で、その痛みが激しい様子を表現できます。

3:「新しいプロジェクトがスタートしてから、スケジュールの変更や思わぬ課題に七転八倒しながらも、チームと協力して進めています。」

新規プロジェクトがスタートするも、予定の変更や想定外のトラブルの発生によって、その対応に苦労している様子が読み取れます。状況が混乱しているということを表現するために、「七転八倒」が使われることも。まさに「じたばた」している様子が伝わります。

「七転八倒」の類語について

次に、「七転八倒」の類似表現について解説していきます。

1:「辛労辛苦」

「辛労辛苦」の読み方は「しんろうしんく」。「辛労」は「つらい苦労・大変な骨折り」を、「辛苦」は「つらい苦しみやつらく苦しむこと」を意味します。この2つが並ぶことで、並大抵ではない苦労・苦しみが表現されていますね。

例:
「プロジェクトの成果がなかなか見えない状態が続き、日々の辛労辛苦が重なりますが、成果を出すためにも、まだ頑張りたいと存じます」

2:「四苦八苦」

「四苦八苦」は「しくはっく」と読み、その意味は「非常に苦労、苦悩すること」。日常生活でもよく目にする人もいるかもしれません。

「四苦八苦」は元々仏語であり、あらゆる苦しみの総称です。「四苦」は、人間が直面するという生苦・老苦・病苦・死苦のこと。これにさらに、愛別離苦(あいべつりく)・怨憎会苦(おんぞうえく)・求不得苦(ぐふとくく)、五蘊盛苦(ごうんじょうく)の4つを加えたものが「八苦」になります。

例:
「エスニック料理の新しいレシピに挑戦中。材料の調達・調理の手順に四苦八苦しながらも、おいしい料理を作り上げたいと思っています」

大雨
(c)Adobe Stock

3:「愁苦辛勤」

「愁苦辛勤」の読み方は「しゅうくしんきん」。意味は「思い悩んで嘆き、悲しみ苦しむこと」。「愁苦」には「思い悩んで苦しむこと、悲しみ苦しむこと」という意味があり、「辛勤」には「苦労して勤めること、つらい勤め」という意味があります。

例:
「あの人は愁苦辛勤で、ぐったりしているように見えます。しばらくは安静が必要そうです」

4:「櫛風沐雨」

「櫛風沐雨」は「しっぷうもくう」という読み方。意味は「風雨にさらされながら奔走し、苦労すること」。さまざまな苦労をすることの例えです。元々、「風で髪をすき、雨で体を洗う」という意味でしたが、そこから転じて、厳しい環境で苦労する様子を意味するようになりました。日常生活ではあまり見かけない熟語ですが、文学などでは見かけることもあります。

例:
「自分のキャリアアップと成功のために、競争の激しい業界で日々、櫛風沐雨です」

「七転八倒」の英語表現について

「七転八倒」を英語で表現すると、どのようになるのかを見ていきましょう。

まず、身体的に苦しいという意味では、「roll」「writhe」という動詞が使えます。「roll」は「転がる」という意味があり、「roll about in pain」で「痛みで転げ回る」ということを表現可能。「writhe」は「歪める」「身悶えする」という意味があり、「writhe in agony(もだえ苦しむ)」「writhe with a stomachache(腹痛でもだえる)」といったように表現できます。

一方、混乱する・困り果てるという意味では、「rope」「trouble」などが使えます。「at the end of one’s rope」で「万事休す、進退きわまる」ということを意味し、「in serious trouble」で「深刻な状態にある」ということを表現可能です。

最後に

「七転八倒」は「激しい苦痛のあまり、転げ回って苦しむこと」という意味であり、苦しむことや困難な状況にあることを意味します。基本的にネガティブな表現として、登場するケースが多いです。

よく似ている「七転八起」は「いくら失敗しても復活する」という意味であり、「あきらめない」といったポジティブな表現として、用いられます。この記事を一つの参考に、両者をうまく使い分けてみてくださいね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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