相思相愛とは? 意味の解説と「両思い」との違いは?
相思相愛とは、「互いに慕い合い、愛し合うこと」という意味。お互いに、大切に思い合える関係性ともいえます。恋愛ではもちろん、それ以外の人間関係でも、相思相愛と思える人がいると幸せを感じることができますね。
これまで5万人以上のキャリアサポートをしてきた、キャリアコーチの菊池啓子(きくち・ひろこ)さんに、大切だと思える人と相思相愛となるポイントについて伺いました。
「相思相愛というと、主に恋愛関係で使われる言葉ではありますが、それ以外の関係性でも当てはまることがあります。例えば、友達同士で、お互いになくてはならない大切な存在だと思えたり、ビジネスにおいてもかけがえのないパートナーだと感じられるお付き合いが出来ているときなどです。恋愛関係にとどまらず、相思相愛だと思える人と出会えることは、人生を豊かにするポイントとなりますね」(キャリアコーチ・菊池さん)
「相思相愛」と似た言葉で「両思い」があります。このふたつの違いはどのような点でしょうか?
「相思相愛と両思い。お互いに好意を持っているという点では同じですね。あえて違いを見てみると、両思いは、お互いに『相手が自分を好き』と思っていることがわかっている。そして、どちらかと言うと、気持ちの中心が自分。『相手を好きだと思っている自分』に焦点が当たっているので、独占欲や嫉妬心などが生まれるかもしれません。
相思相愛は、お互いに『好き』だと思っている気持ちを交換し、思い合っている状態です。気持ちが相手に向くので、お互いに相手の望むことを理解し尊重をしようとします」(キャリアコーチ・菊池さん)
思いのベクトルが、自分に向くのか相手に向くのか。ちょっとした違いに思えますが、関係性に差が出てきそうですね。
相思相愛であることのメリットは?
相思相愛の人がいることで感じられるメリットが5つあります。
1:お互いに理解し合える安心感
相思相愛だと、お互いの気持ちを理解し合うことができます。相手が何を思っているのかを表情や会話から読み取り理解しようとすることで、お互いに慈しみの気持ちが生じます。
2:お互いに尊重し合える関係性
相思相愛だと、お互いに尊重し合うことができます。このような関係性は、お互いの価値観や考え方を尊重し、お互いに自由な行動をすることができるので、日々が充実します。
3:お互いに支え合える
相思相愛だと、お互いに信頼し、支え合うことができます。人生のピンチがやってきても、サポートしあえる相手がいることで、上手に乗り越えていくことができます。
4:感情が安定する
相思相愛の人がいると、感情的に安定している傾向があります。これは、お互いに愛されているという安心感があるから。また、お互いに信頼し、支え合うことで、ストレスや不安を共有し、軽減することができます。
5:長続きする関係性
相思相愛だと、お互いに理解し合い、尊重し合い、支え合うことができるので、長く一緒にいることができます。充実し安定した関係性は、お互いにとって幸せな人生を送るための基盤となります。
相思相愛になるために大切な5つのこと
幸せな人生を送るための基礎となる、相思相愛の関係性。どうすれば相手と相思相愛になれるのでしょうか。5つのポイントがあります。
1:コミュニケーションを大切にすること
相思相愛のポイントは、「お互いに」ということ。相手とのコミュニケーションを大切にし、お互いの気持ちを共有することが大切です。相手の話を聞くことで、相手の気持ちを理解し、相手に自分の気持ちを伝えることができます。また、「察してほしい」などと相手まかせにするのではなく、自分から伝えていくことを心がけましょう。
2:相手を尊重すること
相手を尊重し、相手の意見や考え方を尊重すること。相手の意見に耳を傾け、相手の意見を取り入れることで、相手との信頼関係を築くことができます。とはいえ、我慢をして相手に合わせていくということではありません。自分の意見や考えも表明して、お互いにOKが出せる「落としどころ」を、一緒に見つけていきましょう。
3:お互いに自由であること
相手を束縛せず、お互いに自由であることも大切。相手に自由を与えることで、相手が自分を信頼し、自分に対して愛情を持つようになります。また、それぞれの世界があるからこそ、相手を尊重することができるのです。お互い自立をしているからこそ、相思相愛の関係が築けます。
4:感謝の気持ちを忘れないこと
相手が自分に対して何かしてくれた場合は、その行為に対して感謝の気持ちを示しましょう。長い付き合いになれば、「あたりまえ」と思ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、その「あたりまえ」に過ごせる状態こそが、お互いの気遣いの上に成り立っているのではないでしょうか? 心が通じ合い、相手の気持ちや状態が分かっているからこそ、言葉を使って感謝の気持ちを伝えることが大切です。
「ありがとう」という言葉は、出し惜しみをしないこと。気づいたときの惜しみない「ありがとう」で、相手との信頼関係を深めることができます。
5:お互いに助け合うこと
相手が困っているときには、自分ができる範囲で相手を助ける。ポイントは「できる範囲で精一杯に」です。相思相愛の関係性は、お互いの「思い合い」で成り立ちます。
「自分が我慢をしている」「犠牲になっている」と、どちらかが負担に思うような関わりは長く続きません。日々のコミュニケーションがとれていることで、相手の変化にも気づきやすくなります。「何かサポートができることはある? 」と、率直に聞くことも有効です。
最後に
相思相愛の関係性は、恋愛関係はもちろんですが、仕事でも友達同士でも家族間でも、適切なパートナーシップを築いている状態。相思相愛の人がいることで、気持ちも落ち着き、充実した人生になりそうですよね。
相思相愛の関係性になるために、気をつけるポイント。それは、「相手のために」と思いながら独りよがりになってしまっていないかを、確認すること。お互いに思い合い、尊重しあうためには、丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。
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キャリアコーチ 菊池啓子(きくち・ひろこ)さん
2003年から企業研修トレーナー・人材育成コンサルタントとして活動。国家資格キャリアコンサルタント。研修登壇回数は年間100回を超え、これまでに5つの大学でキャリアデザインを教える。現在「社外上司」として多くのビジネスパーソンの悩みに寄りそい成長をサポート。趣味は出張先での御朱印集め。家族は夫と猫2匹。
Twitter:@lotus_kikuhime
ライター所属:京都メディアライン