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ツラい「生理痛」を和らげたい!
生理中に感じる、お腹や腰の鈍痛。痛みの感じ方は人それぞれですが、一般的にはプロスタグランジンというホルモンの分泌により、子宮やそのまわりの血管が収縮して血流が悪くなることで腹痛・腰痛が生じるといわれています。
血行促進で生理痛を緩和
生理痛がツラいときは、「あまり動きたくない」という気持ちになりがちですよね。腰を丸めて、同じ体勢のまま長時間過ごしてしまうこともあるでしょう。ですが、そうすることによって筋肉が使われずにいると、さらなる血流の悪化を招き、痛みにとって逆効果になることも考えられるのです。
では、子宮や骨盤のまわりの血流が悪くなって痛みが生じている場合の対処法は?
それは、体を温めて血行を促進することです。
生理中におすすめ・体の温め方
1:ひざ掛けや毛布をかける
2:使い捨てカイロをあてる
3:湯たんぽをあてる
4:湯船に浸かる
5:締めつけが強い衣類の着用を避ける
6:温かい飲み物・食べ物を食べる
7:ストレッチをする
生理痛が特にツラいときや経血量が多いときは、1~6のような体をあまり動かさずに温める方法がベター。少し動いた方が楽になりそうなときは、7のストレッチをおこなえば、気分転換にもなって生理中の憂鬱を軽減させられるでしょう。なおハードな運動・筋トレは、貧血や体調不良を引き起こすこともあるので、体の様子を見ながら生理後半~終了後におこなうのが望ましいです。
ここからは、生理中でも無理なくおこなえるお腹や腰まわりの「血行促進ヨガ・ストレッチ」のやり方を紹介していきます。
【寝ながら】ヨガ「ガス抜きのポーズ」で腰のストレッチ
ヨガの「ガス抜きのポーズ」は、体を床に預けて腰まわりのストレッチをしたり、骨盤の歪みを整えたりする効果が期待されているポーズです。
STEP 1:仰向けになりひざを立てる
▲硬い床の上もしくは、ベッドの上でおこなってもOK。仰向けになったらひざを立て、恥骨をクイッと突き上げて、腰の反りを緩めます。
STEP 2:【息を吸いながら】両ひざを胸のほうに引き寄せる
▲両ひざを揃えたまま、胸のほうに引き寄せます。手、もしくは腕でひざを抱えたら、腰~背中、それと肩を床にしっかりつけましょう。お腹が苦しい場合は、ひざを軽く開いたり、脚の引き寄せを緩めたりすると〇。あごを引いて、首のうしろをスッと伸ばせばパーフェクト! 〈回数:呼吸を5回〉
股関節まわりのダルさを感じるときは、STEP 3へ。
STEP 3:ひざを大きく開いて円を描く
▲STEP 2の姿勢からひざを開き、手を添えます。手で動きをサポートしながら、ひざを内回り・外回りに動かしましょう。ポイントは、ひざや脚の動きだけでなく股関節も連動させること! 〈回数:5~10周〉
【寝ながら】仰向けで腰をツイスト! 胸を広げて、気分もすっきり
次は、お腹や腰のダルさ対策に加えて、胸を広げて呼吸を深めることができる「気分すっきり」ストレッチです。
STEP 1:仰向けになりひざを立てる
▲仰向けになり、ひざを立てたら両腕を横に大きく広げます。腕は、肩の高さを目安に広げましょう。ここでも、腰が反りすぎないように恥骨を軽く突き上げておきます。
STEP 2:右脚を上にして脚を組む
▲左右の太ももを引き寄せて、絡ませるように脚をしっかり組みます。
STEP 3:【息を吐きながら】両脚を右に倒し、顔は左に向ける
▲右脚の重さを使って両脚を右に倒し、腹部・腰まわりのツイストを深めます。脚は、無理なく倒せるところまででOK。両方の肩を床につけた姿勢を保ちましょう。顔を左に向け、呼吸を繰り返したら反対側も同様におこないます。〈回数:呼吸を5~10回〉
【座りながら】お腹・腰を伸び縮みさせるストレッチ
STEP 1:足の裏同士をつけた“合せき(がっせき)”の姿勢で座る
▲左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せ、骨盤を立てて座ります。手で足の甲を持ち、かかとを恥骨に引き寄せましょう。
STEP 2:【息を吸いながら】上体を反らせる
▲胸を突き出し、あごを上げて上体を反らせます。腹部が縦に心地よく引き伸ばされる感覚を意識しましょう。首や肩、腰に負担がかからない程度の後屈でOKです。
STEP 3:【息を吐きながら】上体を丸くする
▲体をアルファベットの“Cの字”にします。あごを引き、肩甲骨をうしろにグーッと突き出すと〇。体の背面、特に腰のまわりに心地よい伸びを感じましょう。〈回数:STEP 2~STEP 3を呼吸に合わせて3~5回〉
【座りながら】イライラを静めたいときは、ヨガ「カメのポーズ」
腰や背中、股関節のストレッチにおすすめなヨガ「カメのポーズ」には、頭を下に向けることで気持ちを落ち着ける効果もあります。
STEP 1:“合せき”の姿勢からスタート
▲骨盤を立て、背筋を伸ばして座ります。
STEP 2:脚の下に手を入れる
▲かかと~恥骨までの広さは、足1~1.5足分くらい。手を床についたら、上体を倒しながら脚の下を滑らせましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】上体を前に倒して前屈する
▲上体をさらに前に倒し、額を足先につけます。前屈の深さは、無理のない範囲でOK。姿勢がツラい場合、お尻をうしろに歩かせてかかとと恥骨の間隔を広くしましょう。重力を感じながら体の力を抜き、上体の重さを前に預けます。〈回数:呼吸を5回〉
ストレスも血行不良の大敵!
ストレスがかかって緊張状態が続くと、自律神経のなかの交感神経が活性化します。すると、血管が収縮して血流が悪くなり、生理痛を助長させる原因になることも…。生理中は、無理なスケジュールを避ける、ゆとりを持って過ごすなど、心身のストレスになる行動から少し距離を置くようにするのも痛みの対処法のひとつになるでしょう。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。