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うつむいた姿勢が続くと頭が痛い…それ「緊張型頭痛」かも!
頭痛には、いくつかの種類があります。例えば、発作的にズキズキと脈打つように痛む片頭痛や、1~2か月のあいだほぼ毎日のように激しい痛みが生じる群発頭痛。
そして、今回取り上げる緊張型頭痛は、頭痛のなかでも悩まされている人がもっとも多いタイプだと言われています。
頭~首・肩の凝りと関係している「緊張型頭痛」
緊張型頭痛は、日頃の姿勢と大きな関係がある頭痛です。特に注意が必要なのが、デスクワーク中や運転中、スマートフォンを見ているときなどにしてしまいがちなうつむいた姿勢。頭を前に倒した状態が長く続くと、頭や首のうしろ側の筋肉、肩~背中に広がる筋肉が凝る・張るなどして、痛みを感じる神経が刺激され、緊張型頭痛を誘発すると考えられています。
緊張型頭痛の特徴・セルフチェック
緊張型頭痛の痛み方には、次のような特徴が挙げられます。
・我慢できないほどではないけれど、じんわりとにぶく痛む
・首のうしろ~後頭部にかけて、重苦しい感じや締めつけられる感じがしてスッキリしない
・長時間同じ姿勢が続いたあとに痛みやすい(夕方や仕事が終わる頃)
・光・音過敏や吐き気をともなわない
・動いても痛みが悪化しない
※ 痛みの程度は、あくまでも目安です。気になる症状がある方は、医師の診察を受けましょう。
また、体を動かすと痛みが強くなる片頭痛とは異なり、緊張型頭痛の場合は適度な運動をして、筋肉をほぐすと、症状が緩和されることがあります。
緊張型頭痛対策! どの姿勢でもOK「首のうしろ」をほぐす簡単ストレッチ
ここからは、頭を支えることで負担がかかりがちな首のうしろ~肩の筋肉を中心としたストレッチのやり方を紹介していきます。最初は、座っていても、立っていてもできる首のうしろのストレッチから。
STEP 1:頭のうしろで両手の指を組む
▲手のひらを後頭部に添えます。ひじを外側に開いて、肩や胸が丸まらないように姿勢を整えましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】頭を前に倒す
▲あごを引きながら、ゆっくりと頭を前に倒します。手の重さを使って、無理のない範囲でストレッチを深めましょう。首のうしろに心地よい伸びが感じられる姿勢で、呼吸を繰り返します。〈回数:呼吸を5回〉
姿勢がツラくない場合、顔の向きを変えるようにして、頭を左右に動かしてみてもOK。
首の斜めうしろが気持ちいい! 「頭を横に倒す~あごを引く」ストレッチ
次は、頭のうしろや首の斜めうしろ~肩にかけて位置する筋肉のストレッチ。
STEP 1:左手を右側頭部に添える
▲左腕を頭上に伸ばしたら、ひじを曲げて手のひらを右側頭部に添えます。左ひじは軽くうしろに引き、肩・胸を開いておきましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】頭を左に倒して、あごを軽く引く
▲頭は真横に倒すのがポイント! ここでも手の自然な重さを使って、無理のない範囲で頭を側屈させます。左右の肩甲骨を中央に寄せるようにして、胸を開いておくとGood。あごをキュッと引いたとき、楽に呼吸できる姿勢を保ちます。反対側も同様におこないましょう。〈回数:呼吸を5回〉
▲下ろしているもう片方の手の甲を腰のあたりに添えると、姿勢がロックされてより効果的にストレッチをおこなうことができます。
シンプルだけど効果的「肩まわし」で肩こり筋の緊張をほぐす
肩を大きくまわして、肩こり筋と呼ばれる「僧帽筋(そうぼうきん)」をほぐしていきます。
STEP 1:両手を握り、こぶしを胸の前にセット
▲ひじを軽く曲げ、前腕(ひじ~手首)が床に対して水平の姿勢からスタート!
STEP 2:肩を大きくまわす
▲両肩を前まわり~うしろまわりと交互にまわします。ひじだけをまわすのではなく、肩周辺の筋肉がしっかり動かされていることを意識しておこないましょう。〈回数:20~30回〉
首の動きをサポートする筋肉の凝りほぐし
首の側面にある「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」や、首の後方にある「頭板状筋(とうばんじょうきん)」などは、首の動作と関りが深く、疲労・負担が蓄積しやすい筋肉です。
まずは、胸鎖乳突筋からほぐしていきましょう。胸鎖乳突筋は、姿勢を正して頭を下げ、首をひねって横を向いたときに筋のように出てくる筋肉。首はとてもデリケートな場所でもあるので、手の指で軽くつまむようにして、ごく優しい力でほぐします。
続いては、首のうしろの筋肉です。胸鎖乳突筋の裏側、耳のうしろあたりにくぼんでいるところがあるので、その周辺を4指(人差し指・中指・薬指・小指)を使って、優しくほぐします。
ここでも強い力は使わず、軽く揺するような動きでほぐしましょう。反対側も同様におこないます。
自宅にストレッチポールがある方は、横向きに置いて首を乗せ、寝ながらほぐす方法もおすすめです。
緊張型頭痛を予防するには…
頭や首のうしろ、肩の筋肉の緊張が原因のひとつになる緊張型頭痛。うつむいた姿勢が長く続くときは、途中で休憩を挟み、頭や首、肩を動かす、定期的にストレッチをおこなう、湯船に浸かって体を温めることなどが予防・対策になるでしょう。ほかにも、精神的なストレスによって神経や筋肉が過度に緊張し、頭痛を誘発することもあるので、自分に合う発散法を見つけておくのもいいかもしれません。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。