「翌々日」とは、何日後のことか、ご存知でしょうか? 「離職日の翌々日から10日以内に届け出」のように、行政手続きなどで目にする機会があるかもしれませんね。とはいえ、あまり日常生活で聞くことは少ないでしょう。
「翌々日って、つまり何日後のこと?」という疑問をお持ちの方も、多いのではないでしょうか? そこで、この記事では、翌々日の意味や使い方、英語での言い方などを解説します。
翌々日の意味と読み方
「翌々日」は、「よくよくじつ」と読み、「2日後」を意味する言葉です。「翌日の翌日」ということですね。なお、「翌々日」は、「翌翌日」と書くことも。どちらも意味は同じです。
「この場面で使わなければならない」というような明確な決まりはないものの、あまり日頃の会話では使われない言葉でしょう。例えば、2日後に会う予定の友達に対して、「それじゃあ、明後日会おうね」と言うことはありますよね。ですが、「翌々日会おうね」とはあまり言わないのではないでしょうか? 言われた方も、「え?」と思わず聞き返してしまうでしょう。
翌々日は、どちらかといえば、行政手続きや契約書等で使われることの多い表現です。また、小説などでも目にする機会があるかもしれませんね。
翌々日の使い方は?
「翌々日」は、どのような使い方をするのかも気になるところですよね。ここからは、翌々日の使い方をいくつか見ていきましょう。
例文1:「退職日の翌々日から10日以内に、会社が雇用保険の資格喪失手続きをします」
公的な手続きの場面では、「〇〇日の翌々日」という表現はよく使われますよ。「明後日」が、今を起点にした言葉である一方、「翌々日」は必ずしも「今から2日後」とは限りません。この例文の場合、退職日の次の次の日から10日以内に、会社が手続きをするということですね。
「ややこしいな」という声も聞こえてきそうですが、公的手続きの説明は、このような表現が多いので、慣れておくと何かと便利です。
例文2:「翌々日の明け方、彼女は急に帰ってきた」
小説などで、このような表現を目にする機会もあるでしょう。もちろん、読む人の感じ方はさまざまですが、「2日後」と比べると、音の響きや字面から、印象が変わるのではないでしょうか? 小説を読む際に、「翌々日」という言葉を意識して探してみるのも、面白いかもしれませんね。
例文3:「翌々日配達地域」
「翌々日配達地域」は、郵便局などで聞いたことがあるのではないでしょうか? 翌々日配達地域は、その郵便を受け付けた2日後に配達する地域ということです。例えば、月曜日に郵便局の窓口に17時までに出した普通郵便は、水曜日に配達されるというイメージですね。
ただし、実際の交通事情や天候などによっても変わってくる可能性がありますので、注意が必要です。また、2021年10月から、郵便局が土曜日の配達を廃止し、普通郵便の配達日も変わりました。 地域によっては、「郵便が翌々日に届かない」ということもあるでしょう。
最近では、郵便局に限らず、運送業界の人手不足や労働時間管理の問題などが、話題になっています。これまで、「翌日配達」だったものが、「翌々日配達」に変更されるという動きも、増えてくるかもしれませんね。
参考:日本郵便ホームページ|宛先への到着日に締め切りがある郵便物などのご利用に関して
翌々日を使うときの注意点
翌々日という言葉は、あまり日常会話では聞きなれない言葉ですよね。人によっては意味が通じないこともあるかもしれません。また、電話などで話すときに、「翌日」と聞き間違えられてしまうことが多いようです。そのため、会社でミーティングの設定などをする際、「翌々日」という表現は、なるべく避けた方が安心ですね。
中には、行政機関や銀行などで長年働いていて、翌々日という言葉に慣れているという人もいらっしゃるでしょう。「当然意味が通じると思っていたら、誤解されてびっくり」というような声も耳にします。
「翌々日」という表現を、聞き慣れていない人が誤解して、「あれ? 会議は明日じゃないですか? 翌日と言っていましたよね?」などと、思わぬトラブルに発展することも。また、「分かりにくいので、具体的な日付で言ってほしい」という意見の人もいるようです。
文書でも、人によっては、なかなか伝わりにくい表現ですが、口頭で使うときには、特に注意したい言葉ですね。人と予定を合わせる際などは、具体的に〇日と言った方が無難かもしれません。
翌々月とは?
「翌々月」という言葉も合わせて覚えておくと便利ですよ。翌々月は、翌月の翌月のこと。つまり、「2か月後」という意味になります。翌々日と同じく、公的な手続きなどでよく使われる表現ですよ。
例えば、保育所にお子さんを預ける際、「入所月の翌々月末までに、一定の時間以上の仕事に就く必要があります」などの条件があることも。ですが、「翌々月」の意味が分からないと、「え? それってつまりいつのこと?」と混乱してしまいますよね。
では、保育所に入ったのが11月だった場合で考えてみましょう。この場合、翌々月は1月です。そして、「翌々月末」は、1月31日ということになりますよ。つまり、この例文のような場合、「1月31日までに、一定時間以上の仕事に就いている必要がある」ということ。もちろん、これはあくまで一例ですので、実際の保育所の入所についての条件は、自治体によってさまざまでしょう。
もう一つ、翌々月で注意したいのは、「翌月」との誤解がよくあることです。これは、翌日の誤解とよく似たパターンですね。「来月末までに仕事を探さなきゃ保育所に入れない!」と思って焦っていたら、違ったなんてこともあり得ます。
特に、これから仕事を探すという場合、翌月なのか、翌々月なのかは大きな違いでしょう。焦って仕事を探して、大失敗なんてことは避けたいですよね。念のため、「〇月〇日までということですか?」と確認すると安心でしょう。
翌々日の英語での言い方は?
翌々日の英語表現も見ていきましょう。翌々日は、「two days later」と訳すことが一般的です。「2日後」という意味で、とてもシンプルですよね。
また、「明後日」は、「the day after tomorrow」になります。直訳すると、「明日の次の日」ですので、こちらも分かりやすいですよね。どちらもおさえておくと便利ですよ。
最後に
この記事では、翌々日の意味や使い方、注意点などを解説しました。翌々日は、日常的に使われる言葉ではないかもしれません。ですが、業界によっては普段から使うことも。また、行政機関の文書などではよくある表現ですので、おさえておくと何かと便利でしょう。
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塚原美彩(つかはらみさ) 塚原社会保険労務士事務所代表
行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサルの傍ら、ポジティブ心理学をベースとした研修講師としても活動中。HP:塚原社会保険労務士事務所 ライター所属:京都メディアライン