目次Contents
この記事のサマリー
・「帯に短し、襷に長し」は、中途半端で役に立たないことのたとえとして使います。
・問題を解決するための手だてや人材などが中途半端で、適切なものがなかったり、いなかったりするときに使います。
・類語には「次郎にも太郎にも足りぬ」「尺は長く寸は短し」などがあります。
会場選び、備品のサイズ、財布の機能…。どれも悪くないけれど「決め手」が見つからず、見れば見るほど迷いが深くなることってありますよね。こうした状況を「帯に短し、襷に長し」といいます。
この記事では、「帯に短し、襷に長し」の意味や使い方、類語、英語表現について紹介していきます。
「帯に短し、襷に長し」とは?
まずは「帯に短し、襷に長し」の読み方と意味から確認していきましょう。

読み方と意味
「帯に短し、襷に長し」は、「おびにみじかし、たすきにながし」と読みます。意味は、「中途半端で役に立たないこと」。
辞書では次のように説明されていますよ。
帯(おび)に短(みじか)し襷(たすき)に長(なが)し
中途半端で役に立たないことのたとえ。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
布の長さが、帯にするには短くて足らず、襷にするには長すぎて使い物にならない、というところから転じています。
問題を解決するには、人材や手立てなどが中途半端。適切なものが無かったり、いなかったりすることのたとえとして使われますよ。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)
「帯に短し、襷に長し」の使い方と例文
「帯に短し、襷に長し」の使い方を具体的な例文とともに確認していきましょう。

新年会の会場探しで困ってる。帯に短し、襷に長しで、料理はいいけど場所が狭かったり、料理も広さも十分だけど、アクセスが悪かったり…。
「条件にかなったものは、なかなか見つからない」という意味で使われています。飲み会の幹事は、参加者の出欠確認から会場探しまで、気苦労が多いですよね。どんな会場をセッティングするか、幹事のセンスが問われます。
プレゼン用に購入したスクリーンは、会場には小さすぎるし、会議室には大きすぎて、帯に短し、襷に長しだった。
この場合は、「中途半端で役に立たない」という意味で使われています。どんな場所でどのように使うのか、使用意図を確認してから発注したいものです。
この財布は、カードがたくさん入りそうだけどサイズが大きすぎるし…。こっちはコンパクトだけど、お札が入れにくそう…。帯に短し、襷に長しだわ。
こちらは、「条件にぴったりのものは、見つかりにくい」という意味で使われていますね。財布選びは、買い替えるたびに迷ってしまうもの。気に入ったものが見つかれば、買い替え時を気にせず、手に入れるといいかもしれませんね。
「帯に短し、襷に長し」の英語表現は?
「帯に短し、襷に長し」を英語で表現すると、“It is good for neither one thing nor the other.”(どちらにも向かず、どっちつかずだ)が使えます。直訳すると、「どちらのことにも適していない」ということ。
“neither” は、「(二者の)どちらも~でない(どちらでもない)」。“neither A nor B” で、「AでもなくBでもない(AもBも〜しない)」と訳します。“neither one thing nor the other” は、「どっちつかずで、はっきりしない(どちらにも決められない)」という意味です。
こうした「どちらにも定まらない」状態が、結果として「中途半端で役に立たない」という意味に結びつきます。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
「帯に短し、襷に長し」の類語や言い換え表現は?
「帯に短し、襷に長し」の類語は、いくつかあります。ここでは3つ紹介しますよ。
褌には短し手拭には長し
褌は「ふんどし」、手拭は「てぬぐい」と読みます。「褌には短し、手拭には長し」と同じく、中途半端で使いものにならないもののたとえとして使います。
次郎にも太郎にも足りぬ
「次郎にも太郎にも足りぬ」は、どっちつかずであることや、中途半端であること、あてはまるところがない様子を表すことわざです。どっちつかずで、決めきれない感じを言い表したいときに使えますよ。

尺は長く寸は短し
一尺では長すぎるし、一寸では短すぎる、というところから転じて、「どちらにも具合が悪い」「どっちつかずでしっくりこない」状態を表します。「帯に短し、襷に長し」と同じく、中途半端で役に立ちにくい、または条件に合うものが見つからない、という場面で使われますよ。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』、『デジタル大辞泉』(ともに小学館)
和服に関することわざには何がある?
帯や襷といった和服に関することわざは、他にもあるようです。読み方と一緒に紹介します。
無い袖は振れぬ
日常でも耳にする言葉ですね。袖がなければ、振りようもないことから転じて、金銭や財産などが実際にないのだから、どうにもしようがないというたとえとして使います。
五両で帯買うて三両でくける
五両で買った帯に、さらに三両かけて、くけ縫いをする。本来の目的よりも、それに付随したことにかえって費用がかかることのたとえとして使います。
くけ縫いとは、和裁で、布端を始末するとき、表に縫い目が見えないように縫うことです。
錦を衣て夜行くが如し
せっかく出世しても、故郷の人々に立派な姿を見てもらうことなく終わってしまっては、出世したかいがないというたとえです。
錦は、金、銀、色糸で模様を織りこんだ美しい絹織物で、織物の中でも最も華麗なもの。そんな錦の着物を着て、暗い夜道を歩いても、誰にも見てもらえないということを表しています。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』、『デジタル大辞泉』(ともに小学館)
「帯に短し、襷に長し」に関するFAQ
ここでは、「帯に短し、襷に長し」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「帯に短し、襷に長し」は、どんな状況で使う?
A. 題を解決するための手だてや人材などが中途半端で、適切なものがなかったり、いなかったりするときに使います。
Q2. 似た表現には何がある?
A. 「次郎にも太郎にも足りぬ」「尺は長く寸は短し」などが近い表現です。
Q3. 英語ではどう言う?
A. “It is good for neither one thing nor the other.”(どちらにも向かず、どっちつかずだ)が使えます。
最後に
選ぶほどに迷ってしまうのは、あなたが真剣に条件を見ている証拠です。そんなとき、「帯に短し、襷に長し」と表現すると、相談もしやすくなり、相手にも状況を伝わりやすいかもしれませんね。
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