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2023.12.13

「鶏口牛後」の正しい意味や使い方を解説! 対義語や類義語も要チェック

「鶏口牛後」とは、大きな組織や集団の中で上の者に従い末端にいるよりも、たとえ小さな組織であってもそのトップになった方がよいという意味です。よく耳にする言葉ですが、どんな使い方が正しいのでしょうか? 意味や例文を詳しく解説していきます。

「鶏口牛後」の意味と由来とは?

(c)Shutterstock.com

「鶏口牛後」(けいこうぎゅうご)は、漢字の通り「鶏の口」と「牛の後ろ」を表しています。鶏の口は小さな組織のたとえ、牛の後ろとは「尻」のことで大きな組織のたとえです。

「大きな組織や集団の中で上の者に従い末端にいるよりも、たとえ小さな組織であってもそのトップになった方がよい」という意味です。

由来は『史記』の中の「蘇秦伝」です。戦国時代策士の1人、蘇秦は秦以外の6ヶ国「韓・魏・趙・楚・燕・斉」の王に対して、秦に従うのではなく独立国として各国が合従連衡して秦に対抗するべきだと説いてまわりました。これは6ヶ国に同盟を組ませることで秦の力を抑え侵略行為を妨げるためでした。

その時、蘇秦が韓の宣恵王に述べた言葉が「寧(むし)ろ鶏口と為るとも、牛後と為ること無かれ」で、ここから「鶏口牛後」が生まれました。

蘇秦は同盟に消極的だった韓の王に「大国の秦の臣下となるなら、牛の尻になることとなんら変わりありません。それなら小さくても一国の王であったほうがいい」と説き、誇り高き韓の王はこの合従策を受け入れ同盟が成立したのです。

「鶏口牛後」は、就活や転職の話題のなかでよく使われる言葉ですね。「鶏口となるとも牛後となるなかれ」という形で用いられることも多く、人生の岐路に立つ人へのアドバイスとしても使われます。

鶏口牛後の正しい使い方は? 例文をご紹介

「鶏口牛後の気持ちで起業した」

大きな組織や団体の中で使われるよりも、小さな組織のトップになる方がいい。トップに立つというのは自分の信念を貫いて重要な選択を決断できるということです。もちろん責任を負うのも自分ですが、組織の最後尾にいると主体的に活動したり発言したりする機会はトップよりも少ないかもしれません。

「強豪校でレギュラーになれないなら、鶏口牛後を望んで弱小校でレギュラー入りを選ぶ」

いわゆる大手といわれる組織や強豪校などで末端にいるならば、それよりも小さな組織でもっと自分らしさを発揮し、より実践的に活動できる可能性は大きくなります。

「人生は鶏口牛後であるので、就職は中小企業を選びました」

その他大勢の1人となって集団についていくのではなく、鶏口となって先頭に1人で立って集団をリードするという選択の決め手になる言葉でもあります。

鶏口牛後の類義語はどのようなものがある?

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「鯛の尾より鰯の頭」

魚の王者・鯛の尾より、大衆魚の代表である鰯の頭のほうが良い、つまり大きい団体で低い地位に甘んじているよりも、小さい団体でもその長となる方がよいという意味です。

尾は鯛の思惑進むままに動くしかありませんが、鰯の頭であれば先頭に立って進むべき方向を決めて指示を出すことができます。人生においても主体的に行動できる場を求めるのであれば弱小組織を選択することがいい場合もある、ということを表します。

「芋頭でも頭は頭」

芋頭は里芋の球茎(根の中で一番大きい頭のような部分)、親芋のことです。どんなつまらないもの、小さな集団でも、その長に変わりはないという意味です。トップに変わりはありませんから、責任や権限もあるということです。

「大鳥の尾より小鳥の頭」

大きな組織の下にいるよりも、小さな組織のトップでいる方がいい。最近では一般的には使われなくなりましたが「鶏口牛後」と同じ意味です。また、「鶏尸牛従(けいしぎゅうしょう)」も類義語で、大きな組織の一員として従っていくよりは、小さくともその長となってつかさどる方がよいというという意味を表します。

鶏口牛後の対義語はどのようなものがある?

「寄らば大樹の陰」

大きな樹木の陰にいれば、雨や日差しを避けることができて安全だということから、同じ庇護を求め頼りにするなら大きな勢力をもつものを選ぶべきだということを意味します。

「立ち寄らば大樹の陰」とも言いますが、どちらも最初から頼みにして寄りかかることを前提にしています。頼みにするならローリスク・ハイリターンと思える強大な集団を選ぶ方が賢明だという意味を表します。ハイリスクでも、自分の可能性に挑戦できるという「鶏口牛後」とは正反対の言葉です。

「犬になるなら大家の犬になれ」

同じ仕えるなら、頼りがいのある大物を選んだ方が良いことのたとえ。犬であっても、金持ちの家に飼われるのと、そうでないのとは天と地ほどの差があることから、小物に仕えていてはいつまでたっても出世はしない、という意味で使われます。

似ている言葉に「大所の犬になるとも小所の犬になるな」もあります。こちらも仕えるならば、権力があって頼りがいがある確かな人物を選んでその者の下に仕えた方がいいというたとえです。

飼い主を持つなら、頼りがいのない飼い主よりも、お金持ちで頼りがいのある主人の方がいいことから、いくら頑張ってみたところで、勢力や権力のない者の下に仕えていてはいつまでたっても大成はしないという教訓として使われます。

「箸と主とは太いがよい(はしとしゅうとはふといがよい)」

お箸は太くて丈夫なものの方が折れなくてよいと言われますが、同じように、主(あるじ)も太っ腹で頼りがいのある方がいいということです。人に仕えるなら、頼りになる主人がよいというたとえ。「箸と身代は太いがよい」とも言います。

最後に

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「鶏口となるも牛後となるなかれ」で誤用されるのが「鶏頭となるも牛尾となるなかれ」です。「鶏口」はくちばしのことですが、「鶏頭」はニワトリのとさかに似た花の一種です。また、「牛後」は牛の尻で「牛尾」は尻から伸び出た部分です。意味をよく理解し、使い方を間違わないように気をつけましょう。

「鶏口」と「牛後」のどちらを選ぶかは、その人の生き方によります。ただ分岐点で迷った時に、この言葉の由来を思い出してみるのもいいかもしれません。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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