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2024.01.08

「留保」とは? 意味や言葉の使い方、「保留」との違いを例文で紹介

「留保」とは、すぐに行なわず一時的に差し控えることの意味。ビジネスシーンやニュースなどでしばしば登場します。決定や選択に関することを伝える言葉ですので、意味を把握しておきたいですね。本記事で紹介します。

「留保」とは? 意味を確認

「留保」という言葉を聞いて、どういう意味かすぐにわかる人はそれほど多くないかもしれません。日常ではあまりなじみのない言葉ですが、ビジネスシーンではしばしば登場します。また、ニュースでも使われることがありますので、意味や使い方をつかんでおきたいですね。

まずは「留保」の意味を確認していきましょう。

「留保」とは、一時差し控えること

【留保】読み方:りゅうほ

1:すぐその場で行わないで、一時差し控えること。保留。「決定を—する」
2:法律で、権利や義務を残留・保持すること。国際法上は、多数国間の条約で、ある当事国が特定の条項を自国には適用しないと意思表示すること。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「一時差し控える」というのは、その場で選択や決定をするのではなく、一時的に見合わせるという意味。具体的には、しばらく様子を見る、タイミングを見計らう、結論を出すのを先延ばしにすることなどを指します。

また、「留保」は法律や政治に関連することでも使われます。

タブレットを持つ人
(c)Adobe Stock

「留保」の使い方を紹介

「留保」の使い方をチェックしましょう。例文を一緒に紹介しますので、参考にしてください。

例文:契約決定はいったん留保とし、後日あらためて連絡させていただきます。

ビジネスシーンにおいて、何かしらの契約をする際、すぐに決定することはあまりありません。いったん留保とし、会社や部署に持ち帰って検討してから、後日あらためて返答することが多いでしょう。相手にそれを伝える際、使われるのが例文のような表現です。

例文:円安が思う以上に進んだため、新規事業についての判断は留保とした

円安や円高が影響する事業は多いですよね。新規事業立ち上げも、事業内容によっては為替が影響しやすいでしょう。例文は、急激な円安の影響を受け、何かしらの判断を一時的に控えることを表しています。

例文:フラット35に申し込んだが、事前審査で留保が出てしまった

住宅購入の際、フラット35を利用する場合、事前審査で「留保」という結果が出ることがあります。これは、事前審査だけでは判断ができないため、本審査で判断するという意味。返済比率が高いことや、他社借り入れがあること、転職などが留保の理由になることが多いでしょう。

留保になったとしても、フラット35が利用できないと決まったわけではありません。本審査で承認されることもありますので、慌てる必要もないと考えてください。

ただし、留保の理由は基本的に明かされません。それを踏まえ、念のために他の金融機関の住宅ローンも検討しはじめるといいでしょう。

なお、民間の金融機関が取り扱っている住宅ローンに留保はありません。フラット35は事前審査を民間の金融機関が行ない、本審査を住宅金融支援機構が行うため、このような判断をすることがあります。

家と夫婦
(c)Adobe Stock

例文:国外で子供を出産する予定なので、国籍留保の届出をしなければならない

子供が国外で生まれた場合、日本国籍取得と同時に、出生した国の国籍を取得するケースがあります。日本では二重国籍(2つの国に国籍を有すること)が認められないため、一定期間内に日本国籍を留保する意思表示をした場合のみ、日本国籍を有することが認められます。

国外で生まれた子供が日本国籍を失わないために必要なのが、国籍留保の届出。子供が出征した日から3か月以内に、その国にある日本の大使館や領事館、市区町村役場に届出をしなければなりません。

手続きやくわしいことが知りたい場合は、法務省のホームページで確認することができます。

参照:法務省:国籍Q&A (moj.go.jp)

「保留」との違いは

「留保」とよく似ているのが「保留」です。なじみがあるのは、この言葉の方ですよね。日常会話やビジネスシーンでよく使われる「保留」について、意味や「留保」との違いをチェックしていきましょう。

「保留」の意味

そのまま保ちとどめておくことや、とめておくこと、その場で決定せず延ばしておくことという意味を持ちます。読み方は「ほりゅう」。

「保留」がよく使われるのは、電話の取り次ぎでしょう。かかってきた電話が他の人宛てだった場合や、すぐに回答できない場合などは、通話をいったん「保留」にして、担当者の在席や、回答内容を確認し、再度電話をつなぐというのが一般的です。

また、何かしらの決断や選択をする際、結論をすぐに出せない場合は「保留」とすることもあります。

「保留」の使い方

《例文》
・決定打がないため、返事を保留している

2つの言葉の違いは

「留保」は、結論を差し控えることを表しますが、意図的にそうすることが多いでしょう。何かしらの狙いがあり、あえて結論を先送りにしているときは「留保」を使うことが多いかもしれません。

「保留」は、単に結論が出ていない状態を指します。差し控えるというよりは、物理的な問題で結論が出ない、何かしらの事情があり、結論を出すのが先送りになっている場合に使われることが多いでしょう。

「留保」と似ている言葉とは?

「留保」と似ている言葉は他にもあります。どのような言葉があるのか、それぞれの意味や使い方をチェックしていきましょう。

スマホで会計
(c)Adobe Stock

「猶予」

実行の日時を延ばすことや、決定や実行せず引き延ばすことを意味する言葉。「留保」と似ているように思いますが、「猶予」は決まっていることを延ばすことを指すため、2つの言葉は意味が異なります。

《例文》
・結論を出すことができなかったため、1週間の猶予を設けることにした

「ペンディング」

未解決の状態にとどまることや、保留することを意味する言葉です。英語表記は「pending」。「留保」よりは「保留」に近い意味を持つと考えてください。

《例文》
・本日の事案は、部長の指示があるまでペンディングとすることにした

「据え置き」

そのままの状態にしておくことや、預貯金や公社債などの払い戻しや償還を一定期間行なわないことを表す言葉です。お金に関することに使われることが多く、「留保」とは意味や使い方が異なります。

《例文》
・物価の上昇が続いているが、PB商品は価格据え置きが多くて助かっている

最後に

「留保」について紹介しました。あまり聞き慣れない言葉ですが、ビジネスシーンなどではしばしば登場します。決定や選択に関係する言葉なので、正しい意味を把握しておきたいですね。「留保」と似た意味を持つ言葉もありますが、それぞれ意味は異なります。その違いも把握しておくといいでしょう。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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