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2024.01.10

「反旗を翻す」とは? 意味や言葉の由来は? 正しい使い方や例文、類義語を紹介

「反旗を翻す」とは、権威や権力のあるものに反逆するという意味です。物事や人に対し、反対の立場を表明することを指します。本記事では「反旗を翻す」の意味や使い方を解説するとともに、よく似た言葉も紹介。ぜひ参考にしてください。

「反旗を翻す」とは?

「反旗を翻す」は、「はんきをひるがえす」と読みます。

「反旗」とは謀反を起こした軍隊や陣営の将が立てる旗のことで、「翻す」は旗などをなびかせることです。権力者を裏切った者が掲げた旗が、風になびいている様子を表します。

ここでは、「反旗を翻す」の意味や言葉の由来を解説します。

権力などに逆らうこと

「反旗を翻す」とは、権力者や支配者など主君に逆らうこと、謀反を起こすことです。戦争や抗争などで配下の者が裏切り、敵陣に回ることなどがあげられます。革命は、その最たる例といえるでしょう。

「反旗を翻す」は戦闘や抗争以外にも、上の者に背く行為一般に対して使われる言葉です。なお、「反旗を掲げる」という表現は誤った使い方であるため、注意してください。

言葉の由来

反旗の「反」は「叛」とも書き、「反逆する・そむく」という意味があります。また、「翻す」は、「風になびかせる」「態度などを急に変える」という意味です。

これらをあわせた「反旗を翻す」は、権力者・支配者を裏切った者が旗をなびかせている様子を指します。その様子から転じて、支配者や権力者に対する反抗一般について「反旗を翻す」が使われます。

青空のもと掲げられた赤い旗の写真
(c)AdobeStock

「反旗を翻す」の使い方と例文

「反旗を翻す」は本来の意味である謀反を起こす行為だけでなく、裏切りや反抗などに広く使われます。

「反旗を翻す」を使った例文をみてみましょう。

・これまで協力していた陣営が反旗を翻したことで、今後の会社運営がわからなくなった。
・本能寺の変は、織田信長の家臣だった明智光秀が反旗を翻した事件として有名だ。
・フランス革命は、市民が王政に対し反旗を翻したことで起きた。
・これまで父親の後継者になって会社を引き継ぐと思われていた長男は反旗を翻し、自分の会社を設立した。
・経営陣が反旗を翻したことで、社長の退陣は確実になった。

「反旗を翻す」の類義語

「反旗を翻す」には、よく似た意味を持つ言葉があります。主に、次のような言葉があげられます。

・楯突く(たてつく)
・歯向かう(はむかう)

このほか、「蜂起する」「反乱を起こす」などがあげられます。どれも目上の人や権力者などに反抗するというニュアンスがあり、「反旗を翻す」と似た言葉です。

ここでは、「反旗を翻す」に似ている言葉として、2つの類義語を解説します。

メガホンやプラカードを持っている人たちのイラスト
(c)AdobeStock

楯突く

「楯突く」とは、親や目上の人などに逆らうこと、従わずに文句を言って反抗することです。楯突くの「盾・楯」とは、敵による矢や剣などの攻撃を防ぐ防具を指します。また、「突く」は「押し立てる」「打ち当てる」という意味です。

戦闘で盾を地面に突き立てるのは相手の攻撃から身を守ることで、これからも戦闘を続ける意思表示を表します。このことから、「楯突く」には反抗する・逆らうという意味があります。

(例文)
・上司に楯突いているようでは、今後の出世は望めないだろう。
・中学生になった息子は反抗期のせいか、なにかというと親に楯突くようになった。

歯向かう

「歯向かう」とは、反抗する・抵抗するという意味です。「刃向かう」という表記も間違いではありません。

もともと、「刃物を持って向かってくる」「噛みつこうとして歯をむき出して向かってくる」という意味があり、「歯向かう」と「刃向かう」の両方を掲載している辞書もあります。

時代劇などでは、権力者に反抗するとき刃物で切りつけるシーンもみられます。そのようなイメージからは、「刃向かう」の方がなじみやすいかもしれません。しかし、時代が新しくなるにつれ、「歯向かう」の方がイメージに近くなっていると考えられます。

(例文)
・組織の力は強く、個人が歯向かっても変えることは難しい。
・子供は成長すると、どうしても親に歯向かいたくなる時期があるものだ。

「旗」がつくそのほかの表現

「反旗を翻す」のほかにも、「旗」を使った表現は少なくありません。次のような言葉があげられます。

・白旗をあげる(しろはたをあげる)
・錦の御旗(にしきのみはた)
・旗色が悪い(はたいろがわるい)
・一旗あげる(ひとはたあげる)

このうち、「旗色が悪い」は形勢が思わしくない様子を表し、「一旗あげる」は新しく事業などを起こすという意味です。

ここでは、「旗」がつく表現として「白旗をあげる」と「錦の御旗」をさらに詳しくみていきましょう。

青空のもと掲げられた白い旗の写真
(c)AdobeStock

白旗をあげる

「白旗をあげる」とは、戦いや争いに負けたという意思表示のことです。「白旗を掲げる」という表現をすることもあります。

白旗は白地の旗のことで、戦場などでは実際に降伏や戦意のない合図として用いられるものです。それから転じて、一般的に負けを認める・降参するという意味で使われています。

(例文)
・市場では多くの会社が価格競争を繰り広げていたが、A社が思い切った低価格を打ち出したため、多くの会社が白旗をあげる状態となった。

錦の御旗

「錦の御旗」とは、自身を正当化するための権威や大義などを形容する言葉です。誰も反対や抵抗ができないような権威を持つものという意味で使われます。

この言葉とゆかりのある出来事が、旧幕府軍と新政府軍が戦った戊辰戦争です。初戦となった鳥羽伏見の戦いで、新政府側が錦を生地に使用した旗を掲げました。

錦の御旗には天皇家の印である菊の御紋が描かれており、官軍の旗を意味します。錦の御旗を掲げられた瞬間、旧幕府軍は賊軍となったのです。

(例文)
・国が推進している働き方改革を錦の御旗にして、習慣化していた残業が禁止された。

「反旗を翻す」を正しく理解しよう

「反旗を翻す」は支配者や権力者など、これまで従っていたものに反逆することです。裏切り行為や反抗などに幅広く使われます。類義語には「楯突く」や「歯向かう」などがあり、目上の者に反抗するという点で共通しています。

「反旗を翻す」と同じく「旗」を使った表現には「白旗をあげる」や「錦の御旗」など複数あるため、一緒に覚えておけば語彙を増やすことができるでしょう。

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