メンタルの意味は?
「メンタルがやられた」「あの人はメンタルが強い」など、メンタルという言葉は日常的によく耳にする言葉ですね。一方で、メンタルをないがしろにすると、働き方や健康に大きな影響を与えることも。今回はその意味や、ストレスへの対処・軽減方法を紹介します。
メンタルとは、英語でmentalと表し、知能や精神に関わるさまを表します。「メンタルな問題」といった言い回しを、耳にすることがありますね。また、「精神力・心情」などの意味で、名詞的にも用いられ、「メンタルを整える」という使い方をします。
仕事や就労環境、複雑な人間関係、将来への漠然とした不安など、メンタルを悩ます要因はさまざま。働く人の多くが、仕事や職業生活について、ストレスを感じていると思われます。また、ストレスからメンタルヘルス(心の健康)不調となり、作業効率の低下や長期にわたる休養など、企業にとっては解決すべき大きな問題と言えるでしょう。
自分で気づくストレスのサイン
メンタルヘルス不調は、ストレスから受ける自身の変化に気づくことで、避けられることも。ここでは3つ紹介します。
1:身体に表れるサイン
ストレスにさらされると、身体の異変としてさまざまな反応が発生します。「体の調子が悪い」と、体感できるので、自分で気づきやすいと言えるでしょう。
動悸が激しい、汗をよくかく、胃痛がする、お腹を下しやすいといった、すぐに体に出てくる急性反応だったり、疲れがなかなか取れない、夜眠れないといった、治りにくく経過が長引く慢性反応といった症状が考えられます。
一方で、これらの症状をストレスが原因だと思い込むのは禁物。実際の身体の病気の可能性もあるので、見極めが重要です。
2:心理に表れるサイン
心理面で表れるサインでは、常に不安な気持ちにさらされる、すぐに怒りの感情が出てしまう、混乱してしまう、また、何もやる気がしなくなる、何事に対しても不満が出てくる、という気持ちになる場合があります。
心理面の変化では、自分がしっかりしていないからだ、と自分を責めてしまうこともあるようです。逆に周りのせいにして職場批判へと気持ちが向かい、職場の人間関係がぎくしゃくしてしまうこともあるので、注意しましょう。
3:行動に表れるサイン
自分では気づきにくいのが、行動面のサイン。家族や同僚、友人に指摘されて気づくことも。特に仕事面では、遅刻・早退・欠勤が多くなった、仕事のミスが目立つ、期限に間に合わない、些細なことで腹を立てたり口論することがある、といったことが挙げられます。もし、同僚や上司から助言や指摘があった場合、自分の言動を冷静に振り返ってみることが必要です。
メンタルヘルス不調に陥る要因
ここでは仕事面とプライベート面に分けて、メンタルヘルス不調に陥る要因を解説します。ぜひ、参考にしてください。
1:仕事面
仕事面では、上司や同僚や部下とのトラブルやといった対人関係、長時間労働や勤務形態の変化による仕事の質や量の違い、昇格や昇進、異動や配置転換による役割や地位の変化などが挙げられます。
一方で、悲観的に考える人、楽観的にとらえる人によって、これらのストレスの受け取り方や程度には個人差があることも覚えておきましょう。
2:プライベート面
仕事面でのストレスは、働く人にとって、メンタルヘルスに大きな影響を与えますが、プライベートにおいてのストレスも軽視できません。夫婦や恋人との関係が悪化したり、子供が病気になったり、金銭問題や隣人トラブル、大切な人の死といった出来事や生活の変化などが挙げられます。
また、インターネット・携帯電話の普及により、生活が便利になる一方で、個人情報の流失や振り込め詐欺、ワンクリック詐欺など、現代ならではのトラブルも。このようなトラブルもストレスの要因となりえます。心に留めおきましょう。
ストレスへの対処、軽減方法
ストレスから自分のメンタルヘルスを守るには、心がけることがあります。ここでは3つ紹介します。知識として理解するだけではなく、実践してみましょう。
1:しっかり休んで睡眠をとる
人は休むことで体の疲れを取り、次の日の活力を取り戻します。特に、睡眠は脳の休息で、心と体の健康を維持するために重要です。睡眠不足や睡眠障害など、睡眠に問題があると、疲労感が取れず、日中にも眠気が残り、そこから、作業効率の低下や情緒不安定、判断ミスにつながっていきます。
2:運動と食事に気をつける
ストレス解消法として、運動することが効果的だということは多くの人が知るところ。運動は、寝つきを良くし、睡眠時間を長く、睡眠を深くするという、睡眠の質改善の観点からも効果があるようです。
また、仕事が忙しいと、とるタイミングが不規則になったり、つい外食をしてしまったりと、食事をおろそかにしてしまいがちですね。ストレスがかかると、それに対抗するため、体はビタミンB・C群を消耗してしまいます。ビタミンBを多く含む食材は、豚肉や乳製品など、ビタミンCは野菜、果物です。意識的に補うことを心がけましょう。
3:リラックスする
気軽にできる対処法として、リラックスする環境に身を置くということが挙げられます。ストレスを感じたら、その状況から自分を解放しましょう。好きな音楽を聴く、ヨガをしてみる、アロマテラピーを行う、自然に触れてみるなどさまざまな方法があります。
ポイントとしては、
・楽な姿勢・服装
・静かな環境
・「落ち着いている」などの言葉・音楽といった心を向ける対象を持つ
を意識してみましょう。
メンタルが強い人の特徴
強いメンタルを持つ人には、共通の特徴があるようです。一緒に見ていきましょう。
1:自己肯定感が高い
メンタルが強い人は、自分に自信を持っている場合が多いです。自分の長所や短所を受け入れ、短所も自分の特徴と前向きに考えます。また、新しい経験やチャレンジに対して積極的で、失敗を恐れずに取り組むことも。失敗も学びの機会と前向きに対処し、さらに自分を肯定的にとらえます。
2:他人の意見に左右されない
他人の意見や評価に左右されず、自分の信念や価値観に基づいて行動するのも、メンタルが強い人の特徴と言えます。自分と他人を比較することなく、自分の成長や成果を大切にする場合が多いようです。他人との競争よりも、自分自身との向き合い方に焦点を当てます。
最後に
今回はメンタルについて解説しました。メンタルヘルス不調は、心だけではなく、身体にも行動にも、何らかのサインが表れるようですね。ストレスを無くすことは不可能と思われますが、うまく付き合うことはできそうです。しっかり休み、適度な運動を行い、リラックスする習慣をつけて、メンタルの健康を保ちましょう。
参考:メンタルヘルス・マネジメント® 検定試験公式テキストⅢ種 セルフケアコース
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