目次Contents
朝起きたら腰が痛い…なぜ?
朝、ベッドから体を起こしたときに感じる腰まわりの鈍い痛みやダル重さ──。
普段、腰痛を感じることがあまりない人でも、「朝だけは腰が痛い」というのは珍しい話ではありません。では、朝起きたら腰が痛いのはどうしてなのでしょうか。
朝の腰痛、原因は?
朝起きたときに感じる腰痛の主な原因は、次の2つです。
長い時間、同じ姿勢のままだから
寝ている時間は、起きている時間と比べるとはるかに動きが少なく、長いあいだ同じ姿勢のまま過ごすことになります。すると、体の同じ部分に体重がかかり続けて、筋肉が硬くなり、血流が悪くなってしまうのです。
特に腰は、仰向けやうつ伏せで寝ていても、横向きで寝ていても負担がかかりやすい場所。寝返りを打って適度に体の向きを変え、同じ姿勢が長く続かないようにすることが大事なポイントになります。
体に合わないマットレスや寝具を使っているから
寝具が体に合っていないと、寝返りの妨げに。例えばマットレスや敷布団が柔らかすぎる場合、体が沈みこんで寝返りを打ちにくくなります。反対に硬すぎる場合は背骨や肩甲骨、腰のような突出した部分に体重がかかって、体への負担になるのです。
このことからも、眠っているあいだに寝返りを打つことが、朝の腰痛の対処法になるといえるでしょう。
次の段落では、朝、腰が痛くなってしまったときにおすすめのストレッチを紹介します。
「朝」は緩やかに! 腰まわりのストレッチおすすめ3つ
ここからは、腰まわりのストレッチのやり方を紹介していきます。朝の体は、筋肉の強張りによって関節可動域も狭くなっているので、怪我を防ぐためにも緩やかなストレッチがおすすめです。
1:ベッドの上でそのままできるヨガ「ガス抜きのポーズ」
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる
▲恥骨を軽く突き上げて、腰を床に下ろします。足は揃え、手は体の横につきましょう。あごを引いて、首のうしろをスッと伸ばすと姿勢が楽になります。
STEP 2:【息を吸いながら】両ひざを胸に引き寄せる
▲呼吸の妨げにならない程度に脚を引き寄せたら、手でひざを抱えます。お尻をやや床から浮かせ、腰を丸めた姿勢を意識しましょう。お腹が苦しい場合、ひざを少し外側に開いてもOK。〈回数:呼吸を5回〉
手でひざを抱えるのが難しい場合、ひざの裏に添えて姿勢を保ちましょう。
▲肩はできるだけ床に下ろし、胸を開いて呼吸を繰り返します。
2:脚を倒してツイスト。寝起きのガチガチ腰まわりのストレッチ
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。両腕を横に開く
▲ここでも恥骨を突き上げて、腰を床に下ろします。脚は揃え、腕は肩の高さで横に開きます。
STEP 2:【息を吐きながら】両ひざを左に倒す
▲両方の肩は床に近づけたまま、ひざを倒して腰まわりにねじりを加えます。腰に痛みや違和感がある場合、脚の角度を緩めるなどして調節しましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】顔を右に向ける
▲ひざと反対側に顔を向け、ねじりを深めます。〈回数:呼吸を5回〉
反対側も同様におこないましょう。
3:座ったままおこなう、腰を丸めるストレッチ
STEP 1:あぐらで座る
▲骨盤を立て、左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せます。下腹部はリラックスさせましょう。
STEP 2:【息を吸いながら】左腕を頭上に伸ばす
▲左腕は、肩からまっすぐ天井方向に伸ばします。
STEP 3:【息を吐きながら】左腕を右斜め前に倒し、背中~腰を丸める
▲左腕はフワッと、右ひざのほうに倒します。背中~腰を緩やかに丸くし、左の腰まわりの伸びを感じましょう。あごは軽く引いておきます。普段から反り腰気味な方は、腰に負担がかかりやすいです。意識的に腰を丸める時間を設けると〇! 〈回数:呼吸を5回〉
反対側も同様におこないましょう。
その日の疲れはその日のうちに。「寝る前」におすすめ腰まわりのストレッチ
長時間の座り仕事や立ち仕事で疲れがたまった腰まわりの筋肉は、その日のうちにケア! 翌朝の腰痛対策につながります。
STEP 1:四つ這いになる
▲手は肩幅、脚は腰幅に開き、肩の下に手首、股関節の下にひざをつきます。ヘソを引き上げて、背中を平らにしましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】背中~腰を丸める
▲骨盤を後傾させて、背中~腰を丸くします。手のつけ根で床を強く押し、肩甲骨を高くするのがポイント。
STEP 3:【息を吸いながら】背中を反らせる
▲骨盤を前傾させて、背中を緩やかに反らせます。肩をうしろに引き、首筋を長く保ちましょう。〈回数:STEP 2~STEP 3を呼吸に合わせて3~5回〉
STEP 4:【息を吐きながら】あごと胸を床に近づける
▲四つ這いの姿勢を整えたら、両手を前に伸ばし、あごと胸を床に近づけます(あごをつけるのがツラい場合、額をつけてもOK)。お尻の位置は、ひざの真上が目安。腰が反りすぎないように注意しましょう。〈回数:呼吸を5回〉
ストレッチのほかにも、湯船に浸かりながら腰まわりのマッサージをしてあげるのもいいでしょう。
朝のストレッチで絶対にやってはいけないこと
朝のストレッチは、寝ているあいだに強張った筋肉を緩めて血液・リンパの流れをよくしたり、体・脳の酸素不足を解消したりすることで、代謝や集中力アップにも効果を期待できます。ですが、起床後すぐというのは筋肉も関節も動かしにくい状態なので、ストレッチをおこなう際は注意が必要です。
〈POINT〉
・反動をつけたり、強い力を加えたりしない
・痛みがでるまで、無理に伸ばさない
・同じストレッチを長くやりすぎない(1つのストレッチにつき、20秒程度を目安に)
最後に
1日のスタートを切る朝に、体の痛みがあるとツラいですよね。「寝起きの腰痛がなかなか治らない」という方は、寝返りの確保とストレッチを対策として取り入れてみてはいかがでしょうか。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。