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2023.11.17

「知見」の意味や使い方とは?「知識」や「見識」など類語表現の違いも解説

「知見」には、「実際に見て知ることやその知識」「物事に対する見方や考え方」という2つの意味があります。本記事では、「知見」の使い方や類語表現とそれらとの違いについて見ていきましょう。この機会に「知見」を深めてみてください。

「知見」とは?

いろいろな物事を知っていることや、広い知識を持っている人のことを、みなさんなら何と形容しますか? 「物知り」や「知識人」、「優秀な人」、「見識がある」など、言い方は人によってさまざまです。同じような意味でも、これだけの表現方法があるというのは面白いですよね。

本記事ではそのなかのひとつ、「知見」について紹介します。いろいろな物事を知っていることを「知見がある」と言いますが、「知見」とはそもそもどういう意味なのでしょうか?

この機会に意味や使い方、類語表現をばっちり押さえて、ぜひビジネスシーンなどで活かしてみてくださいね。

勉強する女性
(c)Adobe Stock

「知見」の意味

「知見」とは、「実際に見て知ることやその知識」「物事に対する見方や考え方」のこと。「知る」と「見る」が合わさった熟語なので、意味するところは分かりやすいですよね。漢字からも分かるように、「自分の目で見て知る」というところがポイントです。

また、「智見」という漢字が使われる場合は、仏教用語で「物事に対する正しい認識や知識によって得られた考え方」という意味になります。一般的には「知見」という漢字で使われることが多いです。

ちなみに、英語では「knowledge」で表すことができます。「knowledge」は「知識」と訳されることも多いですが、意図するところはきちんと伝わりますよ。

参考:『デジタル大辞泉』(小学館)・『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)

「知見」の使い方を例文を用いて紹介

続いて、「知見」の使い方を紹介します。ベタに「知識」と言っても問題なくコミュニケーションをとることができますが、「知見」を用いることで、なんだかインテリな雰囲気も出てきます。ぜひ、効果的に使ってみてください。

1:「今回の海外出張で得た知見を広めて、後輩を育成することが私の使命だ」

知見は「広める」ことができます。「知見を大きくする」というような言い方はあまりされません。知見は、自分の目で見て知ったことを意味するので、「知見を広める」ことはその人本人しかできないことです。この例文のように、知見を広めることは私たちそれぞれがすべきであるひとつの使命と言えるのかもしれませんね。

2:「知見を深めるために、積極的に人と関わったり新しいことに挑戦したりしています」

「知見を深める」という言い回しも頻繁に使われます。知見を深めるためには、ただ資料を読んだり机に向かってインプットしたりしているだけでは不十分と言わざるを得ません。アウトプットしたり、外からの刺激を受けたりすることも大切です。

飲屋街を歩く女性
(c)Adobe Stock

3:「ゲームで得た知見が、まさかビジネスでも役立つとは思わなかった」

ゲームなど、娯楽性の高いものから得た知見が、意外な場所で活躍することも少なくありません。豆知識としてまったく関係のない場所で役立つこともあれば、話のネタとして有効活用できることもあります。

「知見」の類語表現と違いについて

さて、ここまで「知見」の意味や使い方などについて見てきましたが、続いては類語表現を紹介します。実は「知見」と似た意味を持つ言葉は、たくさんあるんですよ。それぞれがどう違うのかについても、この機会に考えてみましょう。

1:知識

普段当たり前のように使う「知識」という言葉ですが、実は「知識」という言葉には4つの意味があるんです。以下に紹介します。

1 知ること。認識・理解すること。また、ある事柄などについて、知っている内容。「日々新しい―を得る」「―をひけらかす」「予備―」
「幸福とは何かと云う事を明細に―して了っている」〈長与・竹沢先生と云ふ人〉
2 考える働き。知恵。「―が発達する」
3 (多く「智識」と書く)仏語。
ア:仏法を説いて導く指導者。善知識。
イ:堂塔や仏像などの建立に金品を寄進すること。また、その人や金品。知識物。
ウ:対象を外界に実在すると認める心の働き。
4 《knowledge/ドイツ Wissen》哲学で、確実な根拠に基づく認識。客観的認識。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「知識」という言葉の意味は、幅広いですね。知見と似た意味を持ちますが、知見は「実際に見て知る」ところに重きが置かれます。この点が違いと言えるでしょう。

勉強する人
(c)Adobe Stock

2:見識

「見識」とは、「ある物事や事柄の本質をとらえる能力」のこと。また、ある物事や事柄に対する確固とした考えのことを指します。多くの場合はこの意味で用いられますが、見栄や気位のことを表し、「彼女は見識が高い」ということも。

知見は自分が見て得た知識のことを表しますが、見識は本質をとらえる能力そのものを表すという違いがあります。

3:経験

「経験」は、「実際に見聞きしたり、行ったりすること」。それらによって得られたスキルや知識を指すこともあります。また、哲学の分野での「経験」は、「感覚や知覚から直接的に与えられるもの」という意味もあるんです。

「経験が浅い・深い」と言ったりますね。ほとんどの文脈で「知見」と置き換えて使うことができます。ただし、知見のほうがより「見て得た知識」という点が強調されていると言えるでしょう。

参考:『デジタル大辞泉』(小学館)

最後に

「知見」の使い方や意味はマスターできましたか? スマートな言い方なので、ビジネスシーンでも使いやすい言葉です。

面白い話ですが、考えてみればこの記事で得た知識も知見と言えますね! 「知見」について得た知見を、ぜひ日常生活でも生かしてみてください。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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