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2023.10.12

「言及」とは? 知っておきたい「言及」の意味や使い方をくわしく紹介

「話がある事柄までふれること」や「言い及ぶこと」を表す「言及」は、幅広い分野でよく登場する言葉です。やや硬めの表現のため、ビジネスシーンでも使いやすいので、使い方や言い換え表現について把握しておきましょう。

「言及」とは

ニュースやビジネスシーンなどでよく見聞きする「言及」。漢字で書かれると、「げんきゅう」と読むのか、はたまた「ごんきゅう」と読むのかについても、迷ってしまいますね。

また、言葉は知っているけれど、意味や使い方はよくわかっていないという人もいるでしょう。「言及」は、よく登場する言葉なので、誤用のないよう適切な意味や使い方をこの機会に覚えてみてください。

「言及」意味とは?

「言及」について辞書で調べてみました。

▷【言及】読み方:げんきゅう
いいおよぶこと。話がある事柄までふれること。「あえて古い事件に言及する」
《デジタル大辞泉》(C)Shogakukan Inc.より引用

「げんきゅう」と読みます。「言及」はやや硬めの印象がある言葉。そのため、日常の気軽な会話で使うことはあまりないかもしれません。しかし、ビジネスシーンや報道、法律、学問や芸術など、広い分野でよく使われています。

「言及」とは:使い方を例文で確認

ここからは「言及」の使い方を見ていきましょう。よく使われているフレーズを例文とともに紹介します。

使い方:「~に言及する」

《例文》
・「打ち合わせでは、イレギュラー対応についても言及した」
・「再発防止に対する意識を高めるためにも、あえて事故原因について言及した」
・「彼はスピーチでエネルギー問題に言及した」

何かしらの事柄について触れることを表す際に、よく使われるフレーズです。表現のイメージから、発言に説得力を持たせることが期待できるかもしれません。

使い方:「言及すべき」

《例文》
・「昨夜のミーティングでは、リスク回避についても言及すべきだったと考えている」
・「言及すべきなのは、視聴者が本当に知りたいであろうことだ」
・「報告では、特に言及すべき危害要因はないとされていたので安心だ」

何かの事柄について言う必要があるという場合に使うフレーズです。

使い方:「言及を避ける」

《例文》
・「失敗の原因について言及を避けたのは、それをしても意味がないと判断したからだ」
・「弁護士に相談するため、案件に関する言及は避けてください」
・「経営陣が会社の負債について言及を避けたため、会場の雰囲気が一変した」

その事柄について話すことを避ける、話さないという場合に「言及を避ける」を使います。

話し合う人々
(c)Adobe Stock

「言及」の使い方で把握しておきたいこと

ここからは使い方の注意点や、把握しておきたいことを見ていきましょう。

書いていることに対しても使える

「言及」は、書いていることに対しても使うことができます。論文やレポートなど、文章に書いていることに対しても「言及」を使うので、覚えておくことをおすすめします。

《例文》
・「彼の論文では、脱炭素についても言及していた」
・「ミーティングの資料では、過去の失敗事例についても言及する予定だ」
・「脚本では、もっと本質に言及する方がいい」

相手を傷つけないように配慮する

「言及」は「追及」という意味合いで使われるというケースがあります。この場合、やり方によっては、相手を傷つけてしまうかもしれません。特にセンシティブなことについて触れる場合は、言葉選びに十分配慮し、相手に余計な負荷をかけることは避けましょう。

ビジネスシーンだと、失敗やミスが生じた際、その原因に触れなければならない機会が多々生じます。再発防止策を考える場合、失敗となった原因の追究は必要なことですが、過度にやり過ぎると相手を追い詰めてしまうという可能性も。そのことを意識し、慎重に対応しなければなりません。

多用はNG

「言及」はさまざまなことに使えるため、使い勝手のよい言葉です。しかし多用するのはNG。1つの事柄で頻繁に使うと、相手は堅苦しい印象を持ってしまうかもしれません。

「言及」を多用しないようにするには、言い換え表現や似た意味を持つ言葉を覚えておくといいですよ。文章で「言及」を使う場合は、書き終えた後に読み返し、多用していないかをチェックしてみてください。

書類を差し出す女性
(c)Adobe Stock

「言及」に似た表現を確認

「言及」と似た表現について見ていきましょう。言い換え表現として使うこともできるので、参考にしてください。

「論及(ろんきゅう)」

論じて、そのことにまで言い及ぶことを表す「論及」は、「言及」と似た言葉です。「論及」はしっかりと論議をするという場合によく使われますので、「言及」よりも使うシーンを選びます。少し話題に触れるというようなケースだと、「言及」を使う方がいいでしょう。

「暗示(あんじ)」

「暗示」は、それとなく知らせることを表す言葉。一見「言及」とは異なるように見えますが、シーンによっては、「言及」の言い換え表現になります。たとえば、遠回しに内容を伝える、間接的な内容を話題にするという場合は、「暗示」に置き換えても問題ありません。

「引喩(いんゆ)」

ことわざや人の言葉をたとえに引用し、言いたいことを間接的に表現することを「引喩」と言いますが、この言葉も、シーンによっては「言及」の言い換え表現として使うことができます。会話などではあまり使いませんが、文学や論文、レポートなどで登場することが多いでしょう。

「記述(きじゅつ)」

文章にして書き記すことを表す「記述」は、書く場合において、「言及」の言い換え表現として使うことができます。話す場合で「記述」を使うことはありませんので、その点は注意してください。

「言及」を敬語で使う場合は?

ビジネスシーンや公的なシーンでは、「言及」を敬語で表現しなければならない場合がありますよね。「言及」自体を敬語にすることはできませんので、「なさる」や「される」を加えて使うというのが一般的です。

《例文》
・「部長が失敗の要因について言及なさったのは、来季を見据えてのことだろう」
・「部署内のトラブルについて課長が言及されるのは、今回が初めてだ」

「言及」を英語で使う場合は?

英語で「言及」を使う場合は、次の言葉を用いるといいでしょう。

・reference:言及
・mention:簡単に述べる
・refer to:~について言い及ぶ
・speak to〜:~に関して話す

これらの表現は、ビジネスシーンでもよく登場しますので、覚えておくと役に立ちますよ。

ビジネスシーン
(c)Adobe Stock

最後に

「言及」は日常の会話ではあまり使いませんが、ビジネスシーンや報道、論議など使われるシーンはさまざま。やや硬めの表現のため、多用すると相手は堅苦しさを感じるということも…。その場合は別の表現に言い換えるといいですね。また、「追及」のニュアンスで使う場合もありますが、その際は、言葉選びや言い方に十分配慮することが大切です。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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