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2023.10.23

不機嫌ハラスメントとは? 職場での対処法も解説【社労士監修】

不機嫌ハラスメントとは、不機嫌を表に出すことで、周囲の人を不快にさせること。職場にこのような人がいると、困りものですよね。この記事では、不機嫌ハラスメントをする人の特徴や心理、対処法などを解説します。今こういうタイプの人に悩んでいるという方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

あなたの職場に、すぐに不機嫌を表に出して、周りを困らせている人はいませんか? 最近では、「不機嫌ハラスメント」として問題になることもあるようです。

「あの人、どうしてあんなに不機嫌を表に出すの?」と困惑する方も、いらっしゃるのではないでしょうか? そこで、この記事では、不機嫌ハラスメントをする人の特徴や心理、対処法を解説します。

不機嫌ハラスメントとは?

不機嫌ハラスメントとは、不機嫌を表に出すことで、周囲の人を困らせる、不快にさせるようなこと。攻撃的な言動をする、挨拶を返さない、ものに八つ当たりをするなど、様々なパターンがあるようです。

もちろん、働いていると、思わぬトラブルや顧客対応、ノルマなど、様々なストレスがあるもの。人間ですので、常に上機嫌というのは、難しいかもしれません。とはいえ、ビジネスシーンにおいて、自分の機嫌で周囲に不快な思いをさせるのは、考えものですよね。

不機嫌ハラスメントをする人の特徴と心理

不機嫌ハラスメントをする人の特徴と心理は、どのようなものがあるのでしょうか? あなたの職場でも、あてはまるような人がいるかもしれません。また、自分が不機嫌ハラスメントをしないためにも、チェックしてみてくださいね。

1:論理的な説明が苦手

「論理的に物事を説明することが苦手」というのが、不機嫌ハラスメントをする人に、非常によくある特徴です。例えば、幼い子が、自分の思い通りにいかないことに対して、駄々をこねているようなイメージで捉えると、分かりやすいかもしれません。

パソコンを見る女性
(c)Adobe Stock

通常、大人になる過程で、このような態度で周囲をコントロールしようとすることは、しなくなっていきますよね。成長するにつれ、自分の言動で、人にどのような迷惑がかかるかなどを、想像する力がついていくもの。

また、感情的になる代わりに、自分の思いを論理的に説明するスキルを身に着けていきますよね。ただ、不機嫌ハラスメントをする人は、何らかの理由で、論理的に考え、伝えるスキルを上手く身に着けられていない人が多いようです。

2:承認欲求が満たされていない

不機嫌ハラスメントをする人は、承認欲求が満たされていないなど、何かしら心理的な問題を抱えていることも。このタイプの人は、周囲から気を遣われていることに、一種の「安心感」や「万能感」を覚えてしまうこともあるようですね。

周囲が自分の顔色をうかがうことで、「私は大切にされている」という錯覚をしてしまうというケースも、よくあるようです。大した理由もないのに、職場でやたらと不機嫌アピールをする人は、承認欲求が原因になっている可能性も高いでしょう。

パワハラになるケースも

不機嫌ハラスメントは、パワハラになることも。実際に、上司が不機嫌な時に、部下に対して、「そんなこともできないなんて、バカなの?」などと暴言を浴びせ、耐えかねた部下が、パワハラとして会社に訴え出たという話も聞きます。

睨む女性
(c)Adobe Stock

ちなみに、厚生労働省は、次の3つに全て当てはまる言動を、職場でのパワーハラスメントとしていますよ。

・職場での地位、人間関係などの優越性を背景としている
・仕事をする上で必要、相当な範囲を超えている
・労働者の働く環境が害されている

この定義を見ると、職場での不機嫌ハラスメントは、パワーハラスメントになるケースも多いということが、お分かりいただけるのではないでしょうか?

参考:厚生労働省 明るい職場応援団

不機嫌ハラスメントへの対処法は?

不機嫌ハラスメントには、どのように対処すると良いのでしょうか? ここからは対処法を一緒に見ていきましょう。

︎1:過度に機嫌を取らない

不機嫌ハラスメントをする人に対して、過度に反応すると、悪循環になることも。「こうすれば、周りは私の言うことを聞いてくれる」と思い込んでしまう可能性が高いからです。おもちゃを欲しがって駄々をこねる子供に、毎回言われるがまま買ってあげるようなものかもしれません。これが度重なれば、「こうすれば思い通りになる」と思ってしまいますよね。

これを聞くと、「大人なのに、そんなことある?」と呆れてしまう方もいらっしゃるかもしれません。ですが、前述の通り、不機嫌ハラスメントをよくする人は、精神的な成熟ができていないケースが多いのです。

時には、過度に機嫌を取ろうとせず、すっと離れることも考えてみましょう。トイレに行くふりをするなど、物理的に離れるのが一番ですが、そうはいかないこともありますよね。どうしても一定時間一緒にいなければいけない時もあるでしょう。そんなときは、そっけなくならない程度に相槌を打ちつつ、隙を見て別の話題に切り替えるなども一つの手です。

ただ、今まで機嫌を取ってきたタイプの人が、急に冷たくなると、逆恨みされることも。不機嫌ハラスメントをする人は、普段自分の機嫌を取ってくれる人に、精神的に依存していることも多いからです。この場合、「ぶつ切り」ではなく、徐々に距離を取っていくなど、「フェードアウト」を心がけるのが無難でしょう。

2:会社へ公式に相談する

職場の人だと、業務内容によっては、距離を取ろうにも取れない場合もありますよね。このような場合で、不機嫌ハラスメントが度重なる場合は、「人事上の問題」として会社に相談することも考えると良いでしょう。相談の際は、その人の不機嫌によって、どのように業務効率が落ちているか、などを具体的に示すのがおすすめです。

仕事をする人たち
(c)Adobe Stock

不機嫌ハラスメントをする人は、人によって態度を変えていることも。そのため、案外会社側は実態を知らないケースもあるようです。こんな可能性も踏まえて、まずは、「こんな状況で業務に支障が出ており、困っています」という情報共有から始めてみましょう。

なお、注意したいのは、私的な悪口にならないようにすることです。不機嫌を撒き散らされると、イラッとしてしまうものですよね。その怒りに任せて、「何なのあの態度!」などと、愚痴を言うのは、一瞬スッキリするかもしれません。ですが、これが本人に知られてしまって、思わぬトラブルになるケースも少なくないのです。

また、「私はいじめられています!」などと、不機嫌ハラスメントをしている人から、悪者にされて、職場に居場所がなくなるなんてことも…。感情的な人に対して、感情で応酬するのは、職場ではなるべく避けたいところです。同じ土俵に立たない、大人な姿勢を心がけてみてくださいね。

最後に

この記事では、不機嫌ハラスメントの概要や、特徴、不機嫌ハラスメントへの対処法を解説しました。今こんな人がいて悩んでいるという方はもちろん、自分が不機嫌ハラスメントをしないためにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

塚原美彩(つかはらみさ) 塚原社会保険労務士事務所代表

行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサル、ポジティブ心理学をベースとした研修講師として活動中。HP:塚原社会保険労務士事務所 ライター所属:京都メディアライン

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