気持ちが伝わるお礼の手紙を書こう
生活やビジネスをしている中で、何かと目上の方や上司にお礼の気持ちを伝えたいと感じる機会は多いかもしれません。しかし、いざお礼の手紙を書こうとしても、どのように書けばいいのか分からず、悩む方もいらっしゃるかもしれませんね。
出産や結婚などでお祝いの品を頂戴したり、仕事関係でお世話になった方がいらっしゃるなら、手書きでお礼の手紙を書いてみませんか?
本記事では、気持ちが伝わる、お礼の手紙の書き方や例文、注意点を紹介します。
お礼の手紙の書き方の基本
感謝の手紙を書く際、最低限のルールが存在します。しかし、難しいものではありません。この最低限の決まりごとを守ることで、相手のことを第一に考えた読みやすい文章にすることができますよ。
手紙を書く際の基本ルール
最近では、パソコンなどで手紙を作成し、印刷したものを送るという方が増えているかもしれません。しかし、手間のかかる手書きの手紙だからこそ、相手の心に伝わるものがあります。
目上の人やビジネス関係者へ手紙を書く際は、白無地の便箋を使用するのが無難です。封筒は、縦書きが基本とされています。親しい人へのお礼の手紙なら、色付きのものや柄入りにして、封筒は横書きでもOKです。
また、あらたまった手紙であれば、黒かブルーブラックの万年筆で書くことをおすすめします。万年筆がない場合は、ボールペンや細いペンでもいいでしょう。なお、鉛筆で書くのはNGです。
手紙の基本構成
あらたまったお礼の手紙を書くときは、基本の構成に沿って書き進めると、読みやすくてしっかりとした手紙に仕上がりますよ。
手紙の構成は以下の通りです。
・前文(頭語や時候のあいさつを入れる)
・主文(一番伝えたい用件を書く)
・末文(結びのあいさつ)
・後付け(日付け、署名、宛名)
・副文(主文で書けなかった、付け足したいことがあれば書く)
このような構成にすると、手紙の書き手にとっても、読み手にとってもスムーズな流れになります。
具体的なお礼の表現は必須
手紙の内容には、可能な限り「具体的な相手の行動」や「頂いたお祝いの品の感想」など盛り込むとGOOD。相手も「喜んでもらえた!」ときっと嬉しくなるでしょう。定例文のみを使用したありきたりな内容の手紙は、かえって冷たい印象を与える可能性もあるので、控えた方がベター。
以下のようなセンテンスを添えると、より感謝の気持ちが伝わりやすくなりますよ。
・○○様に良くして頂いたことは、言葉で言い表せないほど感謝しております
・この度、成約出来ましたのもすべて〇〇様のおかげです。
・○○様のお力添えがなければ、到底こうした結果には至りませんでした。
お世話になったお礼の手紙の例文
ここでは、お世話になった方へ手紙を書く際に、参考にしてもらえそうな例文を紹介します。相手との具体的なエピソードや行動への感謝を書くことで、心のこもった印象を与えることができますよ。
例:上司へのお礼
謹啓 浅春の折、○○様におかれましては、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。近く故あって退職することになりました。その前に、○○様にこれまで厳しくも温かいご指導をいただいたことへの感謝の気持ちをお伝えしたく、筆を取った次第です。
思い返してみますと、右も左も分からない社会人一年目から、部長の元で社会人として、そしてビジネスパーソンとして様々なことをご教示いただきました。決して出来のいい部下ではありませんでしたが、忍耐強くご指導いただいたことを心より感謝しております。
何より思い出深いのが、入社してから一年が過ぎても、まったく成果を上げられず悩み落ち込んでいた時、部長が私のデスクに近寄ってきて、好きな缶コーヒーをデスクにポンと置いて、「焦るなよ、チャンスは必ず来るから」とだけ言われたことが今も記憶に残っています。部長のあの言葉がなければ、今の私はないと感じております。
これまでのキャリアを活かして新たな道に進みますが、大きな壁にぶつかることも出てくると存じます。そうした時には、またご相談させていただきたいと思いますので、今後もご鞭撻・ご指導のほど、お願い申し上げます。
末尾となりますが、これからの○○様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。余寒厳しき折、くれぐれもご自愛ください。
謹白
お礼の手紙の作成ポイント
続いて、お礼の手紙を作成する際に、気を付けたいポイントを紹介します。
1:時機を逃さないこと
お礼の手紙はもちろんのこと、お祝いや季節のあいさつ状も、時機を逃さないようにしましょう。「忙しくて、ついつい手紙を書くのが後回しになってしまった…」なんてことがあるかもしれません。しかし、時機を外してしまうと、反対に失礼になってしまうこともあるので、注意が必要です。
2:相手のことを第一に考える
お礼の手紙で一番考えるべきは、相手の気持ち。お礼のつもりが、自分語りばかりにならないよう、気をつけましょう。
また、相手との関係性にも気を配りましょう。相手が目上の人である場合は、正しい敬語を使って書くようにしたいですね。
3:誤字脱字に気をつける
手紙を書き終えたら、誤字脱字がないかチェックしましょう。誤りが見つかった場合、修正液などを使うのはNG。もう一度、はじめから書き直しましょう。
とはいえ、何度も書き直すのは大変…。そうならないためにも、下書き(見本)はパソコンやスマートフォンなどで作っておくことをおすすめしますよ。
最後に
お礼の手紙は、メールより手間がかかりますが、その分相手に感謝の気持ちを伝えることができるものです。手紙の基本ルールを押さえながら、自分らしい表現を交えて感謝の手紙を書いてみてください。
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