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2023.06.08

「月次」ってどう読むの? 読み方や意味、ビジネスでの使われ方を解説

「月次」は、「げつじ」以外に「つきなみ」とも読み、複数の意味を持つ言葉です。月次は、ビジネスシーンにおいては経理業務と関連が深く、経営判断の資料によく登場します。この記事では、「月次」について解説。

「月次」ってどう読むの? 意味は?

「月次」という言葉をよく見かけるけれど、なんて読むのだろうと思ったことはありませんか? 月次は「つきじ」と読むと思われがちですが、実はそうではありません。

月次には、複数の読み方と意味があり、使われ方もシーンにより変化。ビジネスシーンでは、経理業務と関連が深い言葉として知られ、企業経営の判断に欠かせない資料によく記載されています。月次の意味を知っていると、何かと役に立ちますので、ぜひ解説を参考にしてくださいね。

月次とは? 読み方と意味

月次を辞書で調べると、次のように解説されています。

▷げつ‐じ【月次】
1:毎月。月例。つきなみ。「―報告」
2:《「次」は宿りの意》月の、天空における位置。

▷つき‐なみ【月並(み)/月▽次】
1:毎月きまって行われること。月に一度ずつあること。毎月。月ごと。「―の会」
2:「月並俳句」の略。
3:「月次の祭」の略。
4:十二の月の順序。月の移り変わり。「なみ」を「波」に掛けて、歌語として用いられる。
「水のおもに照る―を数ふれば今宵ぞ秋のもなかなりける」〈拾遺・秋〉
[名・形動]新鮮みがなく、ありふれていて平凡なこと。また、そのさま。「―な表現」「発想が―だ」

※すべて<小学館 デジタル大辞泉>より引用

上記から、月次には2つの読み方と3つの意味があることがわかりますね。

「月次」の意味をそれぞれ解説

月次の持つそれぞれの意味を、もう少し詳しく見ていきましょう。

1:毎月きまって行われること

言葉の通り、月に一度行われる活動や業務のことを言います。この意味はよくビジネスシーンで使われていますよね。言葉に「月次」と付く業務や報告は、毎月実施されると解釈していいでしょう。

2:新鮮みがなく、ありふれていて平凡なこと

この意味で月次を使う場合は、「つきなみ」と読むことがほとんどです。毎月決まって行うため、新鮮味がなく、ありきたりという否定的なニュアンスが含まれます。日常会話では、「月並みな表現ですが」のように、謙遜の意味を込め、前置きの表現として使われることもありますよ。

3:月の、天空における位置

空に浮かぶ月の移り変わりを表す意味で、月次を使うことがあります。これは、俳句や和歌などで用いられることが多いでしょう。

三日月
(c)Shutterstock.com

「月次」が使われている、ビジネスに関連する用語

月次は、ビジネスシーンでも頻繁に使われる言葉です。ここからは、月次が用いられているビジネスに関連する用語について解説します。

月次決算

月次決算は、大まかに言うと、毎月行う決算業務のことです。月次決算では月ごとに財務状況のデータをまとめますが、それを活用しながら、経営判断に役立てます。

財務状況からは、企業の現状について、さまざまなことが読み取れます。どの分野のビジネスが好調なのか、テコ入れが必要な分野はどこかなどを、月次決算により知ることができるのです。

経営陣は、月次決算を見ながら、どのように業績を伸ばすのかについて戦略を練ったり、状況によっては方針転換の判断をしたりします。

月次決算書

月次決算書とは、1か月ごとに作成する「損益計算書」「貸借対照表」などを言います。月次決算書には、その月の業績が記載されるため、月次決算書を見れば、経営状態や経営成績をひと目で把握することができるのです。

月次決算書の呼称は企業により異なり、月次決算表、月次試算表、残高試算表、月次推移表などさまざまな呼び方があります。

打ち合わせでメモをとる
(c)Shutterstock.com

ビジネスで重要な「月次決算」について、さらに解説

月次決算についてもう少し詳しく見ていきましょう。月次決算を行う時は、正確性とスピードを重視し、作成スケジュールを検討します。月次決算は、作成に1か月以上かかると意味がありません。遅くとも半月以内に完成するのが望ましいでしょう。

月次決算は、ほぼすべての部署が関係する業務です。経理関係の業務に就いていなくても、どのように月次決算が行われるのかを知っておくと、仕事の役に立ちます。ここからは、月次決算の流れを簡単に解説するので、参考にしてくださいね。

月次決算の流れについて

月次決算は、次のような流れで進めていきます。

【1】決算整理
帳簿残高と現金・預金口座残高の照合や、棚卸による在庫金額の確定、未払い金や仮払い金の計上などを行い、その月の取引金額の処理をすべて完了させます。

【2】月次決算書を作成
上記で集めたデータを基に、月次決算書を作成。作成資料としては次のものがあります。

損益計算書/貸借対照表/予算実績対比表/売上高推移表/経緯推移表など

月次決算書は、業績の推移を把握するためのものですが、中間発表のようなイメージになります。そのため、すべての資料というよりは、経営陣が希望するデータを記載している資料のみ作成することが多いでしょう。

なお、基本的には全社資料を作成しますが、必要に応じて、部門単位や事業所別の資料を作成するケースもあります。

【3】月次報告を行う
経営陣に、月次決算書を提出します。経営陣はこれを元に、事業成績の振り返りや分析、次の経営戦略の検討を行います。

月次決算業務の遅延は、経営判断の遅れにつながる

月次決算業務は、各部署と連携して行うことになります。しかし、各部署の状況によっては、必要となるデータの提出スケジュールがタイトになることも多く、効率のよい準備が必要です。

たとえば、「仕入れ先から請求書が届かない」「トラブルがあり、在庫チェックに時間がかかっている」「証憑書類の承認が遅れている」などは、どの部署でも起こりうることですよね。特に、取引先のミスなどで遅延が発生するのは、避けられないことと言えます。

対策としては、請求書や納品書の期限を設定し、期限通りに提出してもらえるような仕組みを作る、経費精算締切日を社内で周知徹底する、IT化を進め、スピーディーに証憑処理や経費処理が進むようなシステムにするなどがあります。

また、経費精算や棚卸について、社内でスケジュール共有を行い、日頃から各部門や部署と連携をしておくことも大切です。

月次決算が遅れるということは、経営判断の遅れにつながります。その点についても社内共有を行い、滞りなく月次決算業務が完了するようにしてください。

重ねた手のひらにアナログ時計
(c)Shutterstock.com

最後に

「月次」には複数の読み方と意味があります。さまざまなシーンで使われる言葉ですが、ビジネスシーンでは経理業務でよく使われている表現です。中でも「月次決算」は、企業の経営判断に影響のある業務で、スピーディーかつ正確に行う必要があります。月次の意味を知っておくと、仕事以外に投資などでも役立ちますので、ぜひ参考にしてくださいね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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