目次Contents
この記事のサマリー
・「月次」の正しい読み方は「げつじ」。「つきじ」は誤読なので注意しましょう。
・「月次」とは「月ごとに繰り返す処理や報告」のことを指すビジネス用語です。
・「毎週の月次報告」など頻度のズレによる誤用に注意が必要です。
「月次」という言葉は、「月次報告書」「月次決算」など、業務の中でよく登場します。「つきじ」と読んでしまいそうになった経験が、ある人も多いかもしれませんね。この記事では、「月次」の正しい読み方や、基本的な意味、そして、使い方を整理し、正しい言葉遣いを身につけるためのヒントを紹介します。
「月次」とは? 読み方と意味を正しく押さえよう
まずは、正しい読み方と意味を確認し、迷わず使えるようにしましょう。
「月次」の読み方は「げつじ」?「つきじ」?
「月次」は、正しくは「げつじ」と読みます。「つきじ」は誤読ですので、注意しましょう。
辞書では、次のように記載されています。
げつ‐じ【月次】
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
1 毎月。月例。つきなみ。「―報告」
2 《「次」は宿りの意》月の、天空における位置。
実際、筆者も初めてこの言葉に出会ったとき「つきじ報告書」と読んでしまい、先輩に訂正された経験があります。読み間違いは、その人の語彙力や教養に疑問を持たれることもあるため、注意が必要です。

「月次」とはどんな意味?
「月次」は、「毎月」「月例」と定義されています。例えば「月次報告」とは、1か月ごとの業績や進捗をまとめた報告書を指しますよ。
「日次(ひつぎ)」、「年次(ねんじ)」と並ぶ、期間の区切り方を表す用語です。
ビジネスで使う「月次」の実例と注意点
「月次」という言葉は、単独で使うこともありますが、実際の業務では「月次報告」「月次決算」などの形で目にすることが多いはずです。ここでは、職場での具体的な使用例と、意味を取り違えないための注意点を整理して紹介します。
「月次報告書」、「月次決算」などの使用例
例えば営業部では、売上や受注件数、KPI(Key Performance Indicator)の達成状況などをまとめた「月次報告書」を毎月提出するのが一般的です。
経理部では「月次決算」によって、毎月の収支や財務状況を集計・確認します。
他にも「月次試算表」や「月次推移」など、会計・財務に関わる文書にも「月次」を使います。
いずれも、月ごとの定例業務として繰り返し行う処理や報告に関連しており、「月次」はそうしたルーティンを表すキーワードだといえるでしょう。
「月次」の文書やメールでの使い方・例文紹介
「月次」は、文書・メール・会話など、さまざまな場面で自然に使えます。以下はその一例です。
【文書】「4月分の月次報告書を添付いたします。」
【メール】「ご確認のほどよろしくお願いいたします。月次報告についてご不明な点があればお知らせください。」
【会話】「今月の月次締めって、何日ですか?」
これらの例文はいずれも、「月に1回、定期的に行う業務」を前提としています。言葉の意味を理解して使うことで、正確なやり取りができます。
「月次」の間違った使い方に注意! よくある誤解
「月次」の意味を正しく理解せずに使うと、思わぬ誤解を招いてしまうことがあります。例えば、「月次処理」を一度きりの作業と誤解してしまったりするケースです。実際には、「月次処理」は毎月定期的に行う業務を指します。
また、「毎週の月次報告」といった表現にも注意が必要です。週ごとの報告は「週次報告(週報)」と呼ぶのが適切であり、「月次」はあくまで「月ごと」の頻度を意味します。
こうした言葉の使い分けを意識し、場面に合った表現を選ぶことが、周囲からの信頼につながります。

「月次」に関連する言葉もチェック!
「月次」という言葉は、単体で使うだけでなく、業務用語の一部としても頻繁に登場します。ここでは、そんな関連用語を簡単に整理してご紹介します。
「月次決算」
「月次決算」とは、企業が毎月の経営状況を確認するために行う社内の決算処理です。これは、1年ごとにまとめる「年次決算」とは異なり、外部への報告義務はありません。主に社内の経営判断やコスト管理のために使います。
「月次試算表」
「月次試算表」は、月次決算をして作成する試算表のことです。具体的には、貸借対照表と損益計算書を1か月単位で集計したもののことを指します。短いスパンで企業の経営状態や財政状態を把握するための重要な資料です。
「月次祭(つきなみのまつり)」
「月次祭」はビジネス用語ではありませんが、紹介しましょう。
「月次祭」は、伊勢神宮をはじめとする神社で行う神事のことです。もともとの意味は月ごとの祭りのことでしたが、令制では6月・12月の年2回とされています。天皇の健康と国家の平安を祈るものです。
参考:『世界大百科事典』、『デジタル大辞泉』(小学館)

「月次」を英語で表現すると?
英文メールや会議資料など、英語で「月次」を伝える場面は意外と多くあります。ここでは、ビジネスシーンでよく使う代表的なものを紹介します。
“monthly”
「月次」にあたる英語表現として最も一般的なのが”monthly” です。「月次報告書(monthly report)」や「月次の会議(monthly meeting)」などという形で用いられています。
例文
“We submit a monthly financial report to the head office. “
(本社に月次財務報告を提出しています。)
参考:『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)
「月次」に関するFAQ
ここでは、「月次」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1.「月次」と「年次」「日次」はどう違いますか?
A. 「月次」は1か月単位、「年次」は1年単位、「日次」は1日単位です。
Q2.「月次」は目上の人に使ってもいい言葉ですか?
A. はい、上司や取引先に対して使っても問題ありません。
Q3. NGな使い方はありますか?
A. 「今週の月次報告」など、異なる頻度を重ねて使うと混乱を招きます。
また、読み間違いには注意しましょう。正しくは「げつじ」です。
最後に
「月次」は、ビジネスの現場では非常に重要なキーワードです。読み方や意味をしっかり理解することで、正確で信頼されるコミュニケーションが可能になります。似た表現や用語との違いを押さえつつ、実際の業務で使えるように整理しておくと、自信を持って言葉を選べるようになりますね。
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