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2023.09.25

例文をまじえて知っておきたい! 「趣旨」と「主旨」の違いや使い分け

「趣旨」はねらいや目的を表す言葉ですが、同じ読み方の「主旨」とはどんな違いがあるのでしょうか? ビジネスシーンで使われるこの2つの言葉について、意味や違いを例文とともに紹介します。使い分けの参考にしてください。

「趣旨」と「主旨」の違い、知っていますか?

同じ読み方をする言葉はたくさんありますが、「趣旨」と「主旨」もそれに該当します。使われる感じも似ているため、意味や使い方の違いをよく知らないという人もいるでしょう。

どちらも、日常やビジネスシーンでよく登場しますので、適切に使えるようにしておきたいですね。

「趣旨」の意味を辞書で確認

▷【趣旨】読み方:しゅし
1:事を行うにあたっての、もとにある考えや主なねらい。趣意。「会社設立の趣旨を述べる」
2:文章や話などで、言おうとする事柄。趣意。「話の趣旨が伝わらない」
引用《デジタル大辞典》(C)Shogakukan Inc.

「趣旨」は、儀礼的な表現のため、ビジネス文書やメールなどでもよく使われています。物事の目的などを伝える際は「趣旨」を使いますが、「趣旨」は一つとは限りません。

「主旨」の意味を辞書で確認

▷【主旨】読み方:しゅし
考え・文章・話などの、中心となる事柄。主意。「論文の主旨をつかむ」
引用《デジタル大辞典》(C)Shogakukan Inc.

「主旨」が意味するのは、話の中心となること。目的や狙いなど、ピンポイントを指すのではありません。また、「主旨」は中心を指すため、基本的には一つと考えていいでしょう。

「趣旨」はどう使う? 例文で紹介

ここからは、2つの言葉の使い方について見ていきましょう。まずは「趣旨」の使い方を例文とともに紹介します。

「ねらいや目的」

《例文》
・「プロジェクトの趣旨をしっかりと理解し、実行に移す必要がある」
・「この事業計画の趣旨について、会議でしっかりと説明したい」
・「大会の趣旨は、楽しみながら体を動かすことと、地域住民の交流を促進することだ」

プロジェクトや事業計画、大会などには必ずそれを実施するねらいや目的がありますが、それらを伝える際に使うのが「趣旨」です。「趣旨」を伝えることで、意思統一がはかれる、スタッフが行動しやすくなるなどのメリットが生じるということも。「趣旨」の共有は、協働には欠かせないと言っていいでしょう。

列から覗く人
(c)Adobe Stock

「言おうとする事柄」

《例文》
・「論文の趣旨を明らかにすることで、内容がより理解できるはずだ」
・「物語の設定はいいのだが、趣旨が汲み取れず、作者が何を主張したいかがわからない」
・「面接官の発言は、趣旨が理解できなかった」

2つ目の意味が表すのは、話や文章、物語などで、発信者が言おうとする事柄のこと。意図する内容が何かという意味になります。

「主旨」はどう使う? 例文で紹介

「主旨」の使い方も見ていきましょう。「趣旨」同様に例文とあわせて紹介します。

「中心となる事柄」

《例文》
・「緊張すると話が冗長になりがちなので、主旨をしっかり述べるよう意識する」
・「会議の主旨について、簡潔にとりまとめた」
・「最初に主旨を丁寧に説明すれば、全体像がつかみやすくなるだろう」

内容の中心となる事柄を意味する主旨は、話の核となる部分を表します。ねらいや目的という意味は含みませんので、注意してください。

「趣旨」と「主旨」、使い方の違いは

「趣旨」が「主旨」と違うのは、ねらいや目的を表すという点です。ねらいや目的は、一つとは限らず、複数あるというケースも多いでしょう。一方の「主旨」は中心を表すため、複数あるということはないと考えてください。

打ち合わせをする人たち
(c)Adobe Stock

2つの言葉の類語もチェック:「趣旨」

「趣旨」と「主旨」の類語についても見ていきましょう。どのような言葉に置き換えられるか、それぞれチェックしてくださいね。例文も紹介します。

「趣意(しゅい)」

《例文》「この会合の趣意について、これから説明していきます」

物事を成すときの考えやねらいを意味する言葉。趣旨と同様の使い方をしても問題ないでしょう。

「意図」

《例文》「相手の言葉の意図をくむのは難しい」

思惑や目論見などを意味する「意図」も、「趣旨」と同じように使うことができます。

「意義」

《例文》「この活動の意義は、環境問題を身近に感じてもらうことにある」

その言葉により表現される内容や、物事においての価値や重要性を表す「意義」も、「趣旨」と似た意味を持ちます。

2つの言葉の類語もチェック:「主旨」

「主旨」の類語となる言葉についても見ていきましょう。

「主意(しゅい)」

《例文》「本論文の主意を読み取るのは、時間を要した」

中心となる考え方を意味します。使い方は、「主旨」と同じと考えていいでしょう。

「骨子(こっし)」

《例文》「計画の骨子については、冒頭で説明します」

提案や計画などにおいて、物事を構成する骨組みになることを表す言葉。日常会話ではあまり使いませんが、ビジネスシーンや公的な場ではしばしば用いられています。

「核心」

《例文》「物語の核心となるのは、主人公の親子関係だろう」

物事の中心となる大切なところや、本質を成す大切な部分を表します。

考える女性
(c)Adobe Stock

2つの言葉の英語表現もチェック

「趣意」や「主意」の英語表現には、さまざまなものがあります。ニュアンスを把握し、その場に応じた適切な言葉を使うようにしてくださいね。

「趣意」の英語表現

まずは「趣意」の英語表現を見ていきましょう。「趣意」を表す英語には次のような単語があります。

・「purpose」
目的や狙い、目標などの英語表現が「purpose」です。「趣旨」と訳されることもあります。「Explanation of the purpose」は、趣旨説明という意味になります。

・「objective」
目標遅延や目的、目標という意味の単語です。「objective of attending a conference」は「会議に出席する目的」という意味になります。

・「aim」
目的という意味に訳される単語です。「The aim of this meeting is…」は、「今回の打ち合わせの趣意は」のように訳します。

「主旨」の英語表現

「主旨」についても見ていきましょう。

・「the (main) point」
「主要な箇所」という意味の英語。「骨子」と訳されるケースもあります。

・「the purport」
文書や陳述の主意を表す英語です。

おわりに

「趣旨」と同じ読み方をする言葉として「主旨」があり、意味合いも似ているように感じますが、この2つの言葉には明確な違いがあります。目的を表す「趣旨」と、中心となるところを表す「主旨」では、意味の伝わり方が異なりますので、違いをおさえておきたいですね。

読み方が同じのため、会話などでは、意味を取り違えてしまったということもあるかもしれません。どちらか判断がつかない場合は、念のため確認することをおすすめします。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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