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この記事のサマリー
・「一進一退」は「いっしんいったい」と読み、前進と後退、または事態の好転と悪化を表します。
・「一進一退を繰り返す」は、進んだり退いたりする状況を伝えるときに使えます。
・「一進一退」は物事の進退、「一喜一憂」は状況の変化に伴う喜びや心配を表す言葉です。
「一進一退」と聞くと、何も進んでいないような状態を思い浮かべませんか? この言葉は、進んだり退いたり、事態がよくなったり悪くなったりすることを表します。全体としては前進している場合にも使えるのです。
本記事では、読み方と意味、仕事やスポーツでの例文を紹介します。
「一進一退」とは?
まずは意味から確認していきましょう。

読み方と意味
「一進一退」は「いっしんいったい」と読みます。意味は、進んだり退いたりすることや、事態がよくなったり悪くなったりする状態を指します。
辞書では次のように説明されていますよ。
いっしん‐いったい【一進一退】
[名](スル)進んだり退いたりすること。また、事態がよくなったり悪くなったりする状態。「戦況は―を繰り返す」「病状が―する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「一進一退」は、スポーツの攻防や交渉の経過など、物事が進んだり後戻りしたりする場面で使います。病状などが、よくなったり悪くなったりする状態にも使える表現です。
「一進一退」を使った例文を紹介
「一進一退」の意味については理解できましたか? 次は例文を用いて使い方を確認していきましょう。「一進一退」は、書き言葉と話し言葉のどちらでも使うことの多い四字熟語です。日常の中で頻繁に使う言葉ですから、正しく使えるようにしておきたいですね。

試合開始から1時間経つが、未だに一進一退の攻防が続いている。
自分たちが攻めたと思ったら、今度は相手に押し返されるような展開を「一進一退の攻防」と表現します。例えば、一方のチームが得点すると、もう一方も取り返すような試合です。
この例文では、攻防の局面は変化しているものの、どちらも決定的な優位に立てない状況を表しています。単に試合に動きがないのではなく、双方が攻めたり押し返されたりしている点が、この表現の特徴です。
一進一退の繰り返しで、事態は硬直化している。
この例文では、事態が進んだり後戻りしたりして、結果として進展が見られないことを表しています。交渉がまとまりそうになっては、新たな課題が生じて話が戻ってしまうような場面が考えられます。
昨晩は熱が下がっていたが、今朝起きてみるとまた熱が上がっていた。まさに一進一退だ。
「一進一退」は、病状がよくなったり悪くなったりする経過にも使います。この例文では、熱が下がってよくなったと思った後に、再び熱が上がったことを表しています。
「病状は一進一退です」といえば、状態に改善と悪化が見られるという意味です。病気が治るかどうかや、今後どのように経過するかまでを、この言葉だけで表しているわけではありません。
「一進一退」の類語や言い換え表現は?
「一進一退」の類語表現には「二転三転」「紆余曲折」「堂堂廻り」などが挙げられるでしょう。それぞれの意味や使い方について解説していきます。

二転三転(にてんさんてん)
「二転三転」は、物事の内容や状態、成り行きなどが何度も変わることです。「会議の日程が二転三転した」といえば、日程が何度も変更されたことを表します。
紆余曲折(うよきょくせつ)
「紆余曲折」は、道などが曲がりくねっていること、また、物事が順調に運ばず、こみいった経過をたどることを意味します。「紆余曲折を経て、ようやく計画が実現した」のように使います。
「一進一退」が進展と後退に注目するのに対し、「紆余曲折」は経過の複雑さに重点を置く表現です。
堂堂廻り(どうどうめぐり)
「堂堂廻り」は、同じようなことが何度も繰り返され、物事が進行しないことを意味します。「同じ主張ばかりが繰り返され、議論が堂堂廻りになっている」のように使います。
「一進一退」は進展と後退を表しますが、「堂堂廻り」は同じことを繰り返して進まない点に重点があります。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
「一進一退」を英語で言うと…?
最後に「一進一退」の英語表現を紹介していきます。こちらも参考にしてみてくださいね。
seesaw
「seesaw」は、遊具のシーソーを指すほか、状況などが繰り返し変化することも表します。スポーツで有利・不利が入れ替わるような試合は、「a seesaw game」と表現できます。
例えば、“It was a seesaw game.” は、「一進一退の試合でした。」という意味です。どちらかが一方的に優勢なのではなく、試合の流れが双方の間で移り変わる展開を伝えられます。
hang in the balance
「hang in the balance」は、結果や成り行きがどちらに転ぶか、まだ定まらない状態を表します。進展と後退の繰り返しそのものよりも、先行きが決まっていないことに重点があります。
例えば、“The outcome of the match hung in the balance until the end.” といえば、「試合の結果は、最後までどうなるか分からなかった。」という意味です。状況の動きではなく、結果が定まらないことを伝える表現として覚えておきたいですね。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
「一進一退」に関するFAQ
ここでは、「一進一退」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1.「一進一退」の読み方と意味は?
A.「いっしんいったい」と読みます。進んだり退いたりすること、また、事態がよくなったり悪くなったりする状態を表します。
Q2.「一進一退」は、全く進展がないという意味ですか?
A.必ずしもそうではありません。前進と後退を繰り返した結果、進展が見られない場合もありますが、全体としては前進している場合にも使えます。例えば、「交渉は一進一退ながら、少しずつ合意に近づいている」と表現できます。
Q3.「一進一退を繰り返す」は重複表現ですか?
A.「繰り返す」を付けること自体は誤用ではありません。『デジタル大辞泉』(小学館)にも「戦況は一進一退を繰り返す」という用例が掲載されています。
最後に
「一進一退」は、進んだり退いたり、事態がよくなったり悪くなったりすることです。必ずしも全く進展がないことを意味せず、喜びや心配を表す「一喜一憂」とも異なります。
使うときは、何が進み、何が後戻りしているのかを考えてみましょう。類語や英語表現も、変化の仕方や伝えたい内容に合わせて選ぶと、状況をより正確に表せます。
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