度胸がある人の特徴は? キャリアアップとの関係性は?
ことわざに「男は度胸、女は愛嬌」などというものがありましたが、今は、どんな人にも度胸も愛嬌も大事。特にビジネスの場では、「度胸がある」ことが評価されることもあります。また、自分の力でキャリアを切り開いていくには、度胸がある方が有利という話も。これまでに5万人のキャリアサポートをしてきた、キャリアコーチの菊池啓子(きくち・ひろこ)さんに、度胸がある人の特徴やキャリアアップとの関連性を伺いました。
「『度胸がある! 」と言われると、ほめられた感じがしませんか?
度胸があるということは、言い換えると困難に立ち向かえる気構えを示し、行動に移せるということ。ビジネスは困難の連続でもあり、それにチャレンジをしていくことは、自己成長やリーダーシップの発揮につながります。
また、困難な状況やプレッシャーに耐えた経験が増えるため、冷静に対処する能力も身につき、ストレスに対する回復力を養うことができるのです。度胸があることで、様々な経験をつむことができ、キャリアアップにつながっていくことでしょう。
一方で、度胸があるということが、無謀さや無計画な行動と勘違いされることも。本当の意味での『度胸がある行動』とは、冷静な判断やリスク管理も合わせ持ちながらも、大胆な決断と行動が選択できることです」(キャリアコーチ・菊池さん)
度胸がある人の特徴としては、次の3つがあげられます。
1:勇気や大胆さがある行動
度胸がある人は、恐怖や不安に打ち勝ち、困難な状況にも積極的に取り組むことが可能。リスクを冒すこともいとわないため、新たなチャンスや成長の機会を見逃さずに掴んでいきます。
2:失敗や困難に立ち向かう強さ
度胸がある人は、失敗や挫折に対してもめげずに立ち上がるものです。諦めずに立ち上がることがで、その時の自分の能力や限界を超え、成長につながります。その経験が自分自身の能力や価値を認識することとなり、自信となっていくのです。
3:自分の意見や信念を主張する勇気
度胸がある人は、自分の考えや意見をしっかりと主張することが可能。他人の意見に流されず、自分の信念に基づいて行動する勇気を持っています。その態度が共感を得て、周囲の人を巻き込み、物事を成し遂げていくのです。
あなたには度胸がある? 5つのチェックで診断
度胸がある状態は、マインドセットで誰でもつくりだせるもの。まずは現状をチェックしてみましょう。
1:新しい挑戦に積極的に取り組むことができるか?
新しいことにチャレンジするのは、誰でも不安を感じるもの。度胸がある人は、そこで一歩踏み出し「まずはやってみるか! 」と自分を奮い立たせることができます。
2:困難や障害に対して冷静に対処できるか?
困難や障害と感じることに、圧倒されてしまうことはありませんか? 冷静さを取り戻すことで、解決策は必ず見えてくるもの。度胸のある人は恐れを感じストレスになっている自分に気付き、気持ちを切り替えられる習慣を持っています。
3:自分の意見や考えをはっきりと主張できるか?
自分の意見を言うことに躊躇してしまうのは、拒絶されることを恐れるから。度胸がある人には、「最初から100%受け入れてもらえることはあり得ない。まずは発信してみよう」という意識があります。はっきり伝えることで、周囲の思惑とのギャップも見えやすくなりますよ。あとはそのギャップを埋めるだけ。それらは、望む結果を得ることにつながります。
4:失敗や批判に対して前向きな姿勢を保てるか?
挑戦には失敗がつきもの。そして、批判の中には改善や向上のための情報がいっぱいです。度胸のある人は、批判を「結果につながる新たな情報」と捉えます。失敗を失敗のままにせず、成功の通過点にする視点が大切です。
5:難しい決断やリスクを恐れずに行えるか?
なにかを選択をするときに恐れを感じることは、人として当たり前のこと。恐れを感じることがいけないのではなく、恐れて妥協をすることがよろしくないだけ。度胸のある人は、「望むことを得るためには、どちらがいいのか」という視点で考えています。
「度胸」を養うのに有効な3つの習慣
度胸のある人は、自分の中にある「不安」や「恐れ」と上手につきあっている様子ですね。「度胸のある女性」を目指して、新しい習慣にチャレンジしてみませんか。
1:自信と勇気を育てる
自信と勇気があることで、一歩踏み出す選択ができるようになります。
そこで自分の「強み」や「成し遂げたこと」などの成功体験を見つけていきましょう。ここでのポイントは、「質」より「量」。どんなに小さなことや些細なことでもOKです。
そして、新たな挑戦への「勇気」を持つために、小さな目標や未経験のことに積極的にチャレンジする。「知らないジャンルの本を一冊読んでみる」「ずっと気になっていた習い事の場所へ問合せをしてみる」ということから、少しずつチャレンジをしていきましょう。
2:困難に立ち向かうためのマインドセットを試みる
困難だと感じるできごとは、誰にでも訪れるもの。大切なのは諦めずに前に進むことができるかどうかです。そこで、「困難な状況から脱した経験」を、自分の中にたくさんインストールしていきましょう。
これは、周囲の人の話を聞いたり、小説や映画やドラマなど、フィクションの物語に触れることも効果があります。ポイントは、「自分も同じことができるかも」と思いながら話にふれることです。
3:周囲のサポートを上手にうけてコンディションを整える
度胸がある人は、ひとりですべてを行おうとはしません。周囲からの適切なサポートやアドバイスを受けることで、困難に立ち向かう勇気や自信が湧いてくるもの。また、自分自身を大切にし、ストレスを調整する方法を見つけることで、心の強さや回復力が養われます。
周囲の人と積極的に関わることで、たくさんのサポートがあることに気付きましょう。
終わりに
「度胸がある」ということは、自分の中にある「不安」や「恐れ」と上手につきあっていくことがポイントですね。不安や恐れは誰にでもあるもの。「不安だけども、やってみよう!」と行動に移すことで、チャンスをつかむことにつながりますよ。
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キャリアコーチ 菊池啓子(きくち・ひろこ)さん
2003年から企業研修トレーナー・人材育成コンサルタントとして活動。国家資格キャリアコンサルタント。研修登壇回数は年間100回を超え、これまでに5つの大学でキャリアデザインを教える。現在「社外上司」として多くのビジネスパーソンの悩みに寄りそい成長をサポート。趣味は出張先での御朱印集め。家族は夫と猫2匹。
Twitter:@lotus_kikuhime
ライター所属:京都メディアライン