目次Contents
人生の目的とは?
誰でも一度は「人生の目的ってなんだろう? 」と考えたことがあるのでは?
人生の目的に向かって進んでいる人は、キラキラして見えることがあります。そんな人を見ていると、うらやましく思って引け目を感じたり、自分にとっての人生の目的がわからず、悩んでしまう人もいますよね。人生の目的と見つけ方について、5万人のキャリアサポートをしてきた、キャリアコーチの菊池啓子(きくち・ひろこ)さんにお話を伺いました。
「キャリアに関してのサポートをしていると、仕事絡みのお話から発展して、『人生の目的がわからない』との悩みになることが、結構あります。
悩んでしまう人たちに共通すること。それは、彼らが『人生の目的』というのが、何か大きなことを達成することや、一度決めたら変更してはいけないものと思っていることです。一言で言うと、大げさに考えすぎて、悩みを育ててしまっています。
人生の目的とは、シンプルです。それは、『自分が、幸せになること』。
何を幸せとするかは、人それぞれ。何を人生の目的とするかも、人それぞれ。自分以外の誰かに『それは、人生の目的に値する素晴らしいものだ! 』と、認めてもらう必要もなければ、優劣をつけられるものでもありません。
例えば、『世界平和を目指す! 』という多くの人を巻き込むことを望む人もいれば、『気の置けない仲間と和やかに過ごす』という個人的なことを求める人もいます。ともすると、世界平和を目指す方が立派で素晴らしいと思うかもしれませんが、それは間違いです。
大切なのは、本人が心の底からそれを望んでいるのか。そのために自分らしくイキイキと活動できるのか、ということです。
そして、状況が変われば目的が変わることも、大いにあり得ます。それぞれの人の数だけ、いろんな形の『人生の目的』があるのです。
また、人生の目的が見つからないことを悩む人もいます。実は、人生の目的は、さまざまな経験をすることによって見えてくるもの。見つけようと躍起にならなくても、おのずと見えてくるものなのです。
そのためにも、まずは自分自身に興味を持つことからスタートしましょう」(キャリアコーチ・菊池さん)
人生の目的を考える5つの例
人生の目的は、見つけようとしなくてもおのずと見えてくるもの。そう言われても、見えていない状態のときには、「本当に? 」と疑いの気持ちも出てきますよね。
キーワードは「自分に興味を持つこと」のようです。そこで、5つの例をもとに、人生の目的について考えてみましょう。
1:興味関心を突き詰める
あなたは、何に興味を持っていますか?
これまでに経験したことや、手にした情報・知識をもとに、心惹かれることに焦点を当ててみましょう。興味関心は、「好き」「楽しい」というポジティブなこともあれば、「嫌だ」「困った」「なくなればいいのに」というネガティブなこともあるかもしれません。
今の自分が興味を持っていることももちろんですが、幼い頃や学生時代など、過去の自分が何に興味を持っていたのかも振り返ってみましょう。
興味を持つということは、心が動いているということ。ポジティブなことを増やしていきたい、もしくはネガティブなことを無くしたい、そんな風に思えるとしたら、それはあなた自身の人生のテーマにつながる可能性が高いものです。
2:自分の役割を考える
関わる人たちやグループの中で、どのような役割でいますか?
リーダーシップを発揮することもあれば、事務方として活躍することもあります。ムードメーカーとして場を作ったり、規律正しく場を整えるということもありますね。
役割を果たすということは、周囲に対して影響力を発揮しているということ。そして、貢献ができているということでもあります。どのような役割のときに、自分らしさを感じたり充実感を覚えたりするのか。ここに、人生の目的につながる手がかりが見えてくることもあります。
3:困難だった経験を振り返る
大変だったことや傷ついたこと。悩んだり辛い思いをしたことが、ありますか?
思い出すのも嫌だ… ということもあるでしょう。でも、それを乗り越えたからこそ、今があります。そして、乗り越えるプロセスで、多くのものを得たはず。
・できなかったことができるようになるというスキル的なこと
・周囲からのサポートを得られたりする中での、人とのご縁
・忍耐力や危機を察知するアンテナ、不屈の精神や人に対する愛情深さなどの特性
困難ゆえに手にしたことを、誰かや何かのために役立てようとすることも、人生の目的につながっていきます。
4:多くの人と関わってみる
あなたを取り巻く人たちは、どんな人たちがいますか?
家族や友人、仕事関係などのつながりや、人としてのタイプもいろいろあることでしょう。多くの人と関わることで、さまざまな可能性や方向性が見えてくることもあります。人生の目的が見えずに悩んでいるとしたら、普段は交わらないようなタイプの人が集う所に、あえて飛び込んでいくのも新たな刺激が得られるチャンスです。
また、周囲にいる人たちに「私って、どんな人? 」というような質問をしてフィードバックをもらうことで、自分では気づけていなかった道が見えてくることもあります。
5:いろんなことにチャレンジする
今の自分が自覚できているのは、これまでの経験や情報にもとづく事柄だけです。もしかしたら、もっと違う部分の才能が眠っている可能性は、大いにあります!
新しいことにチャレンジをすることで、スキルが増え、経験値も上がり、多くの人と出会うことでさまざまなサポートも得られるようになります。これまでの自分をアップデートすることで、新たな人生の目的が見えてくることがありますよ。
人生の目的につながる5つの例を見てきました。
この5つの例を考えることが、自分に興味を持って日々を過ごしていくことにつながります。その中で「これが私にとっての幸せにつながること」「このことの実現のためなら、なんでもできる気がする! 」と気づくときがやってくるでしょう。
人生の目的は、どこかにあるものを見つけにいくのではなく、自分の中からつくりだすものなのです。
終わりに
人生の目的とは、自分が幸せになること。誰かと比べたりすることなく、自分らしい幸せをつくりだしていきましょう!
TOP 画像/(c)Shutterstock.com
キャリアコーチ 菊池啓子(きくち・ひろこ)さん
2003年から企業研修トレーナー・人材育成コンサルタントとして活動。国家資格キャリアコンサルタント。研修登壇回数は年間100回を超え、これまでに5つの大学でキャリアデザインを教える。現在「社外上司」として多くのビジネスパーソンの悩みに寄りそい成長をサポート。趣味は出張先での御朱印集め。家族は夫と猫2匹。
Twitter:@lotus_kikuhime
ライター所属:京都メディアライン