目次Contents
この記事のサマリー
・「全員野球」は正選手以外も含め全員が心を一つにして戦う姿勢のことをいいます。
・比喩として、関係者全員が一致団結して課題や危機に対処する、という意味で使います。
・言い換え表現には「チームプレー」や「協働」などがあります。
会議で「全員野球で行こう!」と言われて、意味が曖昧なまま頷いた経験はありませんか? 元は高校野球で、正選手以外も含め全員が心を一つにして試合に臨むことを意味しました。
今は比喩として、部署や立場を超えて一致団結し課題に当たる場面で使われます。
この記事では、言い換えのコツ、古い印象を与えない配慮、英語での言い方もまとめます。
ただのスポーツ用語じゃない!「全員野球」の意味と使い方を再発見
まずは、「全員野球」の意味から確認していきましょう。

全員野球の意味とは? ビジネスシーンでの意外な使い方
「全員野球」の意味を辞書で調べてみました。
ぜんいん‐やきゅう〔ゼンヰンヤキウ〕【全員野球】
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
1 正選手だけでなく、その他の野球部員全員が心を一つにして試合に臨むこと。高校野球でいう。
2 (比喩的に)関係者全員が一致団結して対処すること。「経営危機を―で乗り切る」
「全員野球」という言葉は、もともと野球で全ての選手が協力して勝利を目指す姿勢を表しています。そこから転じて、社員全員が協力して目標達成を目指すスタイルを指す意味も持っていることがわかりました。
この記事では、「関係者全員が一致団結して対処すること」の意味について、深掘りしていきます。
「全員野球」はもう古い? 若い世代が感じる違和感とその理由
「全員野球」という言葉は、かつての企業文化において、全員が一致団結して目標に向かう姿勢を象徴していました。しかし、現在は、個々の意見や創造性を尊重する働き方が重視されるため、「全員野球」はどこか一律的で古い価値観だと捉えられる面があるのかもしれません。
また、状況によっては、「全員野球」が「全員同じ方向を向くこと」を強く求める言葉に聞こえ、窮屈さを感じる人もいます。
「全員野球」の具体的な使い方は?
「全員野球」という言葉は、どのように使われるのでしょうか? 突然、会話の中に出てくることもあるかもしれませんので、確認しておきましょう。

「会社全体で取り組むこのプロジェクトは、まさに全員野球だ! 各部署、力を合わせて目標達成しよう」
会社全体で取り組むプロジェクトに対して、全員が協力し合う必要がある状況で使われます。「全員野球」という言葉を使うことで、チーム全体の一体感を強調することができますね。
「緊急時こそ、全員野球で課題に取り組むべきだ」
緊急事態や困難な状況など、全員で協力して対処することが求められる場面では「全員野球」の言葉がマッチします。全員が力を合わせることの重要性を強調できますね。
「経営陣は全員野球を強調し、部門間の連携を深めることで、組織全体のパフォーマンスを向上させた」
経営陣が部門間の連携を重視するときに「全員野球」を使う場合もあるでしょう。組織内でのチームワークや、各部門の協力を強調したいときに向いています。
「全員野球」の類語・言い換え表現は?
ここでは、「全員野球」の類語や言い換え表現を紹介します。多様な表現を知ることで、場面に応じた適切な言葉選びができるようにしておきたいですね。
チームプレー
「全員野球」の代わりに使える表現として、「チームプレー」が挙げられます。辞書には以下のように紹介されています。
チーム‐プレー【team play】
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
個人の成績よりも、チームの勝利や仕事の円滑化を優先させた共同プレー。
全員野球と同じくチームの一体感を強調する意味合いがありますが、柔軟なニュアンスが加わっているため、若い世代にも抵抗なく使える言葉としておすすめです。
総力戦
もう一つの表現としては「総力戦」が挙げられます。「総力戦」は、国家や組織の力を広く集めて取り組む「戦い」を指す言葉です。ビジネスシーンでは、全社を挙げて対応する局面を表す際に使われることがあります。
言葉に勢いが出る反面、受け取り方によっては強い圧を感じさせる場合もあるため、場面に合わせて選ぶのが安心です。
協働
「協働」とは、同じ目的のために、対等の立場で協力して共に働くこと。特に教育や福祉の分野で広く使われています。ビジネスシーンでも、役割を持ち寄って進める場面で相性のいい表現です。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
「全員野球」とおじさん文化
「全員野球」という言葉を聞くと、なんとなく古めかしい印象を抱く人もいるかもしれません。この言葉は「おじさん文化」の象徴といわれることがあり、世代によって受け止め方に差が出やすい表現として知られています。
『現代用語の基礎知識』(自由国民社)によると、「全員野球」だけでなく、「一丁目一番地」や「ガラガラポン」など、野球や麻雀に由来する言葉が、旧来型のビジネス用語の例として挙げられるようです。
こうした言葉は、職場の空気や組織文化によっては「時代に合わない」と受け取られることがあります。その一方で、表現そのものを誰かの属性いじりに結び付け、笑いの対象にすることも問題視されていますよ。
だからこそ、相手や場面に合わせて、意図が伝わりやすい言い回しに置き換える視点が役立ちます。
言葉の背景を理解しつつ、時代に合った表現を取り入れることで、より円滑なコミュニケーションが取れる可能性を秘めているといえますね。
参考:『現代用語の基礎知識』(自由国民社)

「全員野球」を英語でどう表現する?
「全員野球」を英語で表現するなら、“teamwork” (チームワーク)や “all hands on deck” (みんなで頑張ろう)という表現が適しています。2つのフレーズは、全員が協力して目標を達成するという意味を持っているので、ビジネスシーンでも使いやすい言葉です。以下に例文を紹介します。
・Teamwork is essential for the success of this project. Everyone needs to contribute their best effort.
(このプロジェクトの成功には全員野球が不可欠です。全員が最善を尽くす必要があります。)
・During the crisis, it was all hands on deck, and everyone in the company worked together to find a solution.
(危機の際には全員野球で、会社全体で協力して解決策を見つけました。)
参考:『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)
「全員野球」に関するFAQ
ここでは、「全員野球」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「全員野球」の意味は?
A. 野球では部員全員が心を一つにして試合に臨むこと。比喩として、関係者全員が一致団結して対処する意味で使われます。
Q2. ビジネスではどんな場面で使う?
A. 部署をまたぐ課題対応や、全社的な取り組みを「関係者全員で進める」という場面に向いています。
Q3. 「全員野球」が伝わらないときの言い換えは?
A. 「関係者全員で対応する」「部署をまたいで協力する」「チームで進める」などだとわかりやすいでしょう。
最後に
「全員野球」という言葉は、古く感じられるかもしれません。しかし、チーム全体の力を結集して目標に向かう姿勢は、今なお大切にされるべきものなのかもしれませんね。
時代とともに移りゆくビジネスの現場で、あなたらしい「全員野球」の在り方を見つけてみるのはいかがでしょうか?
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