仕事観とは何を指す? 意味や種類を紹介
就職活動の面接などで、自分の価値観を聞かれたら、スムーズにこたえることはできますか? 仕事観とは、仕事に対する価値観のことですが、明確なイメージを持つ人は多くないでしょう。
仕事観を明確にしておくと、面接対策になるだけでなく、自分の人生やキャリアを考える際の参考になります。自分がどのような仕事観を持つのかを把握し、説明できるようにしておきましょう。
仕事観とは何かを知ろう
仕事観とは、仕事に対する価値観のことですが、さらに具体的に言うと、「自分にとって仕事とは何か」「何のために仕事をしているのか」ということ。お金を得て生きるために仕事をするのは同じでも、仕事をする目的や意義、仕事に対して感じる価値が同じと言うことはないはずです。
仕事観は、個人の価値観を示すものなので、正解はありません。また、仕事観は、その時の環境や経験値、望む目標によって変化するもの。そのため、過去の自分とは違う答えになることも多いです。
仕事観には3つの種類がある
一般的に、仕事観には3つの種類があるとされています。
▷内因的仕事観
自己実現や能力、スキルの向上、やりがいなど、自分自身の内面にある動機を大事にしたいという考え方。
▷功利的仕事観
金銭や社会的地位の獲得の手段であるとする考え方。労働自体を目的としない。
▷規範的仕事観
自分のためではなく、周りの人々や社会の役に立つため働くという考え方。
自分の仕事観がどれに当てはまるのか、考える参考にしてください。なお、どの仕事観がよい、悪いということではありません。
自分の仕事観を見つける方法
ここからは、自分の仕事観を見つける方法を見ていきましょう。
自己分析をしてみる
自己分析をすると、仕事観を見つけることができます。次のことを参考に、自己分析をしてみてください。
・これまでに楽しかったことや、達成感を得た事柄は何か
・これまでにつらかった事柄は何か
・これまでの経験で印象に残っていること
・将来、どのような働き方がしたいか
・人生において、大切にしたいことは何か
・どのようなライフスタイルを好むか
・これだけは避けたいと思うことは何か
上記に加え、過去の働いた経験(アルバイトも含む)で得たことなども書き出していくと、自分が仕事に求めている共通点などが明確になり、それが仕事観のヒントになるでしょう。
他人の仕事観を聞いてみる
他人の仕事観を聞いてみると、自分の仕事観が見つかることがあります。先輩や同僚、上司はもちろん、家族や友人・知人など、身近な人に仕事観を聞いてみましょう。
話を聞いて共感することがあれば、それを自分も望んでいるのかもしれません。話を聞いて感じたことや印象に残ったことを書きとめ、あとで見返すと、仕事観を見つけるヒントになるでしょう。
専門家に相談する
キャリアの専門家に相談し、ワークなどを通して仕事観を見つけるのも一つです。専門家の視点が入ることで、仕事観がより明確になったり、思いもかけない価値観が見つかったりするかもしれません。
なぜ、仕事観を聞かれるのか
仕事観を聞かれるのが多いのは、就職活動の面接でしょう。なぜ企業はこの質問をするのでしょうか?
仕事観を知り、ミスマッチを防ぐ
応募者の仕事観を知ることで、企業は自社の社風や業務にマッチするかの判断材料にすることがあります。
たとえば、単独で仕事をしたいと考える応募者が、チームワーク重視の企業に入社してしまったら、ミスマッチが起こり、早期離職につながるかもしれません。そうなると、お互いにとって不利益ですよね。企業はそれを避けるため、仕事観を聞き、ミスマッチを防いでいると言われます。
また、仕事観から、個人の適性や仕事に対する姿勢、ポテンシャルを知ることができるということも、仕事観を聞く理由の一つと言われます。
仕事観を上手く伝えるポイントは?
面接などで仕事観を聞かれた場合に、上手く伝えるにはどうすればいいでしょうか?
自己分析をして事前準備を
仕事観を上手く伝えるには、事前準備をしっかりとすることが欠かせません。これまでに紹介した方法を試し、自分の仕事観を明確にしておきましょう。
仕事観を明確にする際、内因的仕事観はどうしてもあいまいになりがちです。たとえば、「社会の役に立ちたい」と思っている場合、面接などでは「なぜそう思うのか」「そう思ったきっかけは」などについても聞かれることがあります。これらは事前準備をしておかないと回答が難しいので、注意してください。
仕事観を聞かれた場合、そう思うのはなぜか、動機やきっかけを具体的に話せるのがベター。しっかりと自己分析をし、準備するようにしてください。
社会貢献に触れるのもおすすめ
面接で仕事観について聞かれた際、自分や家族、周りの人のことだけでなく、社会にどのように貢献したいかを伝えるのも一つです。
たとえば、「御社で仕事をして、この社会問題の解決に尽力したい」「御社のこの事業を通して、社会を発展させていくことに貢献したい」というように伝えると、意欲がある、前向きに捉えていると判断してもらえるかもしれません。
ただし、この場合もあいまいにしか答えられないと、かえって逆効果になることも。志望する企業の手掛ける事業内容やビジョンをしっかり確認しておくことをおすすめします。
自分の仕事観ときちんと向き合おう
多くの面接官は、たくさんの応募者と面接をしてきたエキスパートです。応募者が自分の仕事観にきちんと向き合ったかどうかを一瞬で見抜くでしょう。そのため、その場しのぎで仕事観を作るのはNG。かえって印象を損ねてしまう可能性があります。
自分の仕事観ときちんと向き合うのは、労力と時間を要するかもしれません。特に言語化をするのは、大変でしょう。しかし、仕事観を明確にしておくと、人生やキャリアの目標が見つかったり、就職活動がしやすくなったりすることもあります。
一人で取り組むのが大変な場合は、専門家に相談するなどして、自分の仕事観ときちんと向き合ってくださいね。
最後に
仕事観とは、仕事に対する個人の価値観のこと。就職活動の面接や人事面談などでよく聞かれます。自分の仕事観を見つけ、言語化し、人に説明できるようにするのは、意外と大変です。だからこそ、手を抜かず、きちんと向き合いたいですね。仕事観を明確にしておくと、人生やキャリア形成にも役立ちますので、ぜひ取り組んでみてくださいね。
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益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)として活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン