「無茶苦茶」とは?
言っていることが支離滅裂だったり、理不尽な言動をしたりする人、周りにいませんか? そんな人のことを無茶苦茶な人、と言ったりします。みなさんもニュアンスはご存じなのではないでしょうか?
本記事では、「無茶苦茶」の辞書的な意味や使い方、言い換え表現などを紹介します。あわせて、無茶苦茶な人の特徴などについても見ていきましょう。
「無茶苦茶」の意味
「物事の順序の筋道が立っていないさま」「物事が度を越しているさま」をあらわす言葉が「無茶苦茶」です。読み方は「むちゃくちゃ」。
ちなみに、「無茶苦茶」は「無茶」と「苦茶」に分けられます。「苦茶」は「無茶」を強める語で、「無茶」は「道筋がたたず、道理にあわないこと」「度を越して程度がはなはだしいこと」「知識がないさま」という意味です。
つまり、「無茶」のさらに上の程度をあらわす言葉が「無茶苦茶」ということになります。
「無茶苦茶」の使い方を例文で紹介
続いては、「無茶苦茶」の使い方を例文で紹介します。「無茶苦茶」はカジュアルなニュアンスなので、ビジネスシーンなどのオフィシャルなシーンではあまりふさわしくない表現です。その点は忘れないようにご注意を!
1:「他人の失敗はひどく攻撃するくせに、自分の失敗は認めず言い訳するなんて無茶苦茶だ」
言動に矛盾があるということは、筋道が立っていないということ。そんな状況や人に対して「無茶苦茶」と言います。
2:「彼女は無茶苦茶なことを言うが、決して悪い人ではない」
「無茶苦茶」なことと、性格の良し悪しは必ずしも連動しません。また、無茶苦茶な人と呼ばれる人は自分が無茶苦茶だとは思っていないことも多いです。ですので、無茶苦茶だからと言って、「この人は性格が悪い!」と思い込まないようにしましょう。
3:「無茶苦茶な人だと思っていたが、まさか本当に実現させてしまうとは思わなかった」
実は「無茶苦茶」は、ポジティブにもネガティブにも使うことができます。この例文でのニュアンスは、「常識にとらわれず、他人が驚くようなこともやってしまう」というニュアンスが近いでしょう。
「無茶苦茶」の言い換え表現
「無茶苦茶」の言い換え表現も紹介しますね。ぜひ、表現の幅を増やすことに役立ててください。
1:滅茶苦茶
「滅茶苦茶」とは、「筋道がまったく通らず、的外れであること」「程度が著しく混乱すること」という意味です。読み方は「めちゃくちゃ」で、「滅茶」や「目茶」は当て字になります。「無茶苦茶」と同じように「苦茶」は協調や語調を整えるための語です。
また、「滅茶」は「むちゃ」の音が変化したものだと言われているため、ニュアンスは「無茶苦茶」と変わりません。そのため、「無茶苦茶」と同じように使うことができますよ。
2:滅茶滅茶
意味は変わりませんが、「滅茶滅茶」という言葉もあります。読み方は「めちゃめちゃ」です。「滅茶」を重ねて、強いニュアンスになりますね。
3:凄まじい
「程度がはなはだしいさま」のことを「凄まじい」と言います。読み方は「すさまじい」で、「恐ろしいほど程度がものすごい」「驚くほどはげしい」「あきれるほどひどい」などの程度がはなはだしい様子を指す言葉です。
そのほかにも、「興ざめでつまらないさま」「荒涼としているさま」を指すこともあります。
4:ものすごい
「ものすごい」は、日常生活でも程度がはなはだしいことを表現する際によく使われますよね。「ものすごい」とは、「非常に気味が悪く、恐ろしい」「程度がはなはだしい」「なんとなくおそろしい」などの意味。
漢字を当てると「物凄い」になります。「凄まじい」と同じ漢字が当てられていますね。
無茶苦茶な人の特徴とは?
「無茶苦茶な人」「あの人は無茶苦茶だ」などと言われる人たちには、どのような特徴があるのでしょうか? 誉め言葉として使われることもありますが、多くの場合はネガティブなニュアンスで使われます。
そんな無茶苦茶な人にならないように、特徴を押さえておきましょう。また、自分が無茶苦茶な人になっていないか、ぜひセルフチェックに役立ててみてくださいね。
1:自分が正しいと思いがち
無茶苦茶な人は、「自分の言っていることが絶対に正しい!」と思いがちな人が多いです。したがって、他者に対して理不尽なことを述べたり、要求をしたりする傾向があります。
2:計画性がない
先を見通さず、行き当たりばったりで行動する人は「無茶苦茶だ」と言われがち。計画性や根拠がないため、周りの人からは無謀だと思われます。
3:物事を客観的にとらえることが苦手
特徴1や特徴2にも当てはまることですが、無茶苦茶な人は物事を客観的にとらえることが苦手な人が多いです。自分の置かれている状況を広い視野で見ることができないため、無茶苦茶な言動をしてしまうのかもしれませんね。
4:感情の波が激しい
その日によって気分が変わったり感情の浮き沈みが激しかったりする人も「無茶苦茶だ!」と思われがち。周りの人にはばからず、振り回してしまう人は要注意です!
最後に
本記事では、日常生活でよく使われる「無茶苦茶」という言葉について見ていきました。「無茶苦茶」とは、「筋道が立っていないさま」や「程度がはなはだしいさま」をあらわす言葉で、ネガティブなニュアンスで使われることが多いですが、場合によっては誉め言葉的に使うこともできます。
そんな「無茶苦茶」の使い方や言い換え表現なども紹介しているので、ぜひ実生活で生かしてみてくださいね。
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