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「心中お察しします」の読み方と意味とは?
「心中お察しします」というフレーズ、皆さん使ったことはありますか? 「心中」って何て読む? 「お察し」って何? とそんな疑問が思い浮かぶことも。
「心中お察しします」は、悲しいことなどがあった相手に対して使える、気遣いのあるフレーズです。今回は、読み方や意味、使い方やビジネスシーンでの注意点など、具体例を用いて解説していきます。
「心中お察しします」の読み方
「心中お察しします」は、「心中(しんちゅう)」と「お察しします(おさっしします)」というふたつの言葉から成り立っています。
「心中お察しします」の意味
「心中」とはその名の通り、“心の内、胸の内”という意味。
「察する」とは、“物事の事情を推察する、相手の気持ちを思いやる”という意味があります。
つまり「心中お察しします」とは、“あなたの気持ちはわかりますよ”と、相手の心に寄り添う温かいフレーズです。
「心中お察しします」の使い方は? 例文もあわせてチェック
「心中お察しします」は、相手の胸の内を慮る言葉なので、相手に何か不幸や悲しい出来事があった際によく使われます。
例えば、身近な人の死で悲しみの窮地にいる相手に「心中お察しします」と伝えることで、優しく寄り添うことが出来ます。
では、具体的な使い方について、早速例文を用いて解説していきます。
「突然の出来事にさぞかし驚かれた事でしょう。心中お察しいたします」
何かネガティブな出来事に遭ってしまった相手に対し、使うフレーズです。相手を思いやって優しく投げかけましょう。
「御主人様に先立たれ、奥様をはじめご家族の皆さまがどんなにお辛いことか、心中お察しいたします」
お葬式などのシーンで、悲しみや喪失感に見舞われたご遺族の方々に対し、かけられる言葉です。大事な人を失ってしまった喪失感は計り知れないものがありますが、相手の気持ちに寄り添い、お悔やみの言葉をお掛けしましょう。
「心中お察しします」をビジネスで使う時の注意点とは?
「心中お察しします」は相手が悲しみに暮れている時や、落ち込んでいる時に使われるフレーズなので、適切に使うためにいくつかの注意点があります。重要なポイントになるので、しっかり確認していきましょう。
◆「心中お察しします」をビジネスで使う時の注意点
「心中お察しします」は、相手が不幸や困難な状況で使われるため、お祝い事や嬉しいことがあった相手に対しては使えません。逆に嫌みや皮肉めいた感じで失礼にあたるので、注意しましょう。
また、第三者から又聞きした時には使わない方がよいでしょう。どんなに悲しいだろうと推測しても、直接本人の口から聞かなければ、当事者の気持ちは容易にわかるものではありません。
勝手な憶測で「心中お察しします」と伝えても、表面的で不快な印象を与えかねませんので、注意が必要です。
「心中お察しします」だけでも敬語として成立していますが、相手が目上の方の場合は「心中お察しいたします」や「心中お察し申し上げます」などと伝えると、より敬意を表すことができます。
「心中お察しします」の類語にはどのようなものがある?
次に「心中お察しします」に似たような言葉を紹介していきます。
ご心労お察しします
「心労」とは、心配事や悩みが多く、精神的に苦労している様子を表す言葉です。「心中」と比べて精神的に疲れていたり、多く悩みを抱えている相手、また目上の方に対する気遣いのフレーズとしてよく使われます。
例文:「奥様が入院されたと伺い、〇〇様のご心労いかばかりかとお察し申し上げます」
お気持ちお察しします
こちらはその名の通り、“あなたの気持ちがわかりますよ”という意味です。悲しい出来事や残念な事があった相手に対して使いましょう。また、続けて励ましの言葉を添えると前向きな雰囲気に導くことが出来ます。
例文:「先日の企画の件、困難ばかりでお気持ちお察しします。でも〇〇さんなら最後には必ずうまくいきますよ!」
拝察いたします
「拝察」とは、ある情報を基に、相手の気持ちを推量する事です。謙遜の気持ちを表す『拝』という漢字と、「察する」という意味の『察』から成り立っており、へりくだって使う敬語になります。
例文:「プロジェクトリーダーという新たなお立場で、ご苦労も多々おありであっただろうと拝察いたします」
「心中お察しします」の英語表現とは?
「心中お察しします」を英語で伝えたい時は、以下のような例が挙げられます。いずれも相手の気持ちに寄り添っている、理解しているというニュアンスを伝えることができ、フォーマルでも使えるフレーズです。
・I understand how you are feeling.
・My thoughts are with you.
・I know how terrible you feel.
最後に
「心中お察しします」は、相手が辛い時や悲しんでいる時に、相手に優しい気持ちを差し伸べる温かいフレーズです。だからこそ、使う相手や場面には注意が必要となります。そして何よりも、相手に気持ちを伝えるのに一番大事なことは、きちんと気持ちを込めることです。言葉だけでなく表情や態度からも、相手に気持ちを届けることができるようになれたらいいですよね。
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