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仕事の悩みは無くせるもの? 仕事の悩みの解決に向けての4ステップ
仕事をしていると、悩みが尽きないと思うこともありますよね。どうしたら悩みがなくなるのだろう… と思うことはありませんか? 仕事の悩みと上手につきあっていく方法を、これまで5万人以上の人のキャリアサポートを行い、仕事の悩みの専門家であるキャリアコーチの菊池啓子(きくち・ひろこ)さんにお話を伺いました。
「Oggi世代のみなさんは、仕事だけでなく、プライベートでも、多くの役割を担っています。その分、いろんな悩みを抱えているのではないでしょうか?
『悩みなんてない方が、毎日楽しく充実して過ごせるのに… 』との思いもあるかもしれません。でも、仕事をしている中で見えてくる『悩み』は、実は成長の機会でもあるんです。できないことができるようになる・嫌だと思っていたことが大丈夫になる。そんな経験をすることで、スキルもマインドも次のステージに上がっていきます。
悩みが尽きないということは、常に成長しているということでもあるんです」(キャリアコーチ・菊池さん)
とはいえ、悩みにともなう、不安や辛さや嫌な気持ちとは、なるべく距離を置きたいですよね。
「大切なのは、悩みに巻き込まれないこと。嫌な思いをしているのであれば、その気持ちを有効活用していきましょう。嫌だなと思えたのであれば、『こうだったらいいのに! 』が明らかになっているということ。悩みを逆手にとって、ありたい自分の姿を見つけていきましょう。」(キャリアコーチ・菊池さん)
悩みとうまく付き合い、有効活用するための4ステップがこちらです。
1:悩みを明らかにする
まずは、自分が何に悩んでいるのかを具体的にしてみましょう。「自分自身が何を悩んでいるのか」が分かれば、悩みの半分は解決したことになります。
2:どのような状態を望んでいるのか
何を悩んでいて、何が嫌なのかが分か買ったら、次は「どのような状態になれば気が済むのか」を具体化してみましょう。
3:自分の持っているリソースを活用する
望んでいる状態になれるために、今の自分ができることをひとつずつあげてみましょう。些細なことでも、解決への突破口になることがあります。
4:他人や仕組みにサポートしてもらう
自分ひとりで何とかしようとしても、できることはたかが知れています。自分以外の力を借りるとしたら、何がありそうでしょうか?
仕事の悩みは抱え込まず、信頼できる人に相談したり、プロのカウンセリングを受けるなど、他人の力を上手に使っていくことが大切です。
悩みって、どんなものがある? Oggi世代が直面している仕事の悩みを分析
仕事の悩みは人それぞれ。とはいえ大きく3つに分けられます。それぞれを分析してみましょう。
1:職場の人間関係
「仕事のお悩みランキング」などでは、必ず上位に入ってくる項目です。
Oggi世代は仕事での役割も多様なので、それぞれの立場の人への関わり方に難しさを感じることもありますよね。具体的な関係構築スキルなども有効ですが、まずは、「自分と同じ価値観の人はいない」「相手に求めすぎない」「相手を嫌だと思うのはOK」「嫌だと思う人にこそ、ニュートラルな態度を心がける」「相手の立場に立ってみる」の5点を意識してみましょう。
2:ワークライフバランス
仕事とプライベートの両立などについて、喫緊の悩みもあれば、先々を見越して不安を感じるということもあるでしょう。ちなみに「バランス」とは、自分にとって充実感や満足感を得られる配分のことです。周囲と比べたり他人からの期待などはひとまず置いておき、「自分にとって良い状態」ということに気づくことから始まります。
3:キャリアプラン
ワークライフバランスとも密接な関係がありますが、「自分がどのような人生を過ごしたいのか」が肝となってきます。会社や仕事は、「どのような人生を過ごしたいのか」を実現させるための手段です。社内評価で一喜一憂したり、転職の誘いがあったりと、Oggi世代はキャリアの別れ道に立つことがあります。自分自身に向き合う時間を持ち、信頼できる人やキャリアカウンセリングの専門家など、他者の意見も参考にしていきましょう。
「ソーシャルサポート」をうまく活用しよう!
繰り返し言いますが、ひとりでできることは、たかが知れています。周りの力を上手に借りることができるということは、実は重要なスキル。ここで大切なのは、自分の周りにある「ソーシャルサポート」を明確にしておくことです。
ソーシャルサポートとは、「社会生活を送る上での様々な問題に対して、身近な人間関係における複数の個人や集団の連携による支援体制」のことです。サポートには4種類あります。それぞれのサポート内容と、どのような時に有効なのかを解説しますね。
1:情緒的サポート
周囲が自分に対して受容的であることで、気分を安定させたり「やる気」になるなどの効果があります。友人にじっくりと話を聞いてもらったり、見守っていてもらうことで、安心ができたり、励ましてもらうことで、やる気になれたりすることです。
2:情報的サポート
問題解決に有効な「情報」をもらえることで、間接的に問題解決が進みます。知りたいことや必要な知識を教えてくれたり、具体的なアドバイスをもらったり、専門家を紹介してくれることなどです。
3:道具的サポート
問題解決のために具体的な「手助け」をしてもらいます。ものを修理してくれたり、資金・お金のサポートをしてくれたり、代わりに動いてくれたりなど、直接的に問題解決に動いてくれることです。
4:評価的サポート
仕事や業績、持っているスキルなどについて適切に「評価」されることによって、自信が深まり、次のチャレンジをしてみようという気になります。具体的なフィードバックがあったり、昇進や昇格などを決めてくれるということも。
自分が今抱えている悩みに対して、どのようなサポートを求めているのかということを自覚し、そのサポートをしてくれる人のところに自ら足を運ぶということも大切です。
おわりに
自分が何に悩んでいるのかを明確にして、上手に乗り越えることで、仕事でのステップアップにつながっていきますね。相談先を明確にするなど、周囲のサポートを上手に受けながら取り組んでいきましょう。
TOP画像/(c) Adobe Stock
キャリアコーチ 菊池啓子(きくち・ひろこ)さん
2003年から企業研修トレーナー・人材育成コンサルタントとして活動。国家資格キャリアコンサルタント。研修登壇回数は年間100回を超え、これまでに5つの大学でキャリアデザインを教える。現在「社外上司」として多くのビジネスパーソンの悩みに寄りそい成長をサポート。趣味は出張先での御朱印集め。家族は夫と猫2匹。
Twitter:@lotus_kikuhime
ライター所属:京都メディアライン