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2023.08.16

破竹の勢いとは激しい勢いを指す言葉!例文や類似する意味の表現などを紹介

破竹の勢いとは、止めるのが難しいくらいに勢いが激しいことを表現する言葉です。由来となった言葉は晋の武将・杜預(とよ)が語ったとされています。意味や使い方、反対の意味を持つ言葉などを例文をとおしてご紹介します。

破竹の勢いとは?意味を解説

破竹の勢い(はちくのいきおい)とは、止めるのが難しいほどの激しい勢いのことです。竹は、縦に割れ目が入ると、その部分から一気に割れていきます。激しく裂ける様子から、止められないほどの勢いを示す言葉として使われるようになりました。

割れた竹

たとえば、驚くほどのスピードで躍進する企業や、リーグ戦で連勝を重ねるプロスポーツのチームなどを表現するときに「破竹の勢い」という言葉が使用されます。

晋の武将・杜預(とよ)の言葉が由来

破竹の勢いとは、三国志にも登場する晋(しん)の国の武将・杜預(とよ)が、語った言葉といわれています。晋が呉(ご)を攻めているときに疫病が流行り、晋の国内では「いったん様子を見てから、後で呉を攻めるべきだ」という意見が高まりました。

しかし、杜預は「我が国(晋)の軍隊は、竹を割るかのような勢いがある」と述べ、一気に呉を攻めるべきだと主張します。杜預の主張は受け入れられ、破竹の勢いで攻めたことで、実際に呉を攻略できたのです。

破竹の勢いの使い方を例文でご紹介

破竹の勢いは、さまざまなシーンで使われる言葉です。たとえばビジネスシーンでは、次のように使われることがあります。

・ほとんど売れていなかった商品だが、SNSでの宣伝がバズったようだ。破竹の勢いで売り上げが伸びている。
・今年入社したばかりの新入社員だが、営業成績が破竹の勢いで伸びている。今やうちのエースだ。

破竹の勢いは、人に対して使うこともありますが、売り上げなどの人以外の物事にも使われることも珍しくありません。また、スポーツや芸能の場面でも、破竹の勢いを使って急激な上昇を表現することがあります。

・弱小チームといわれていたが、今年は違う。開幕から破竹の勢いで勝利を重ねている。
・テレビコマーシャルで一気に人気が爆発し、破竹の勢いで若手代表の女優になった。

破竹の勢いと類似する表現

龍のイラスト
(c)Adobe Stock

破竹の勢いと同じように、止めることが難しいほどの凄まじい勢いを表現する言葉はいくつかあります。たとえば次の言葉は、止め難いほどの勢いを示します。

・飛ぶ鳥を落とす勢い
・日の出の勢い・旭日昇天の勢い
・昇竜の勢い

それぞれのニュアンスの違いや使い方について見ていきましょう。

飛ぶ鳥を落とす勢い

「飛ぶ鳥を落とす勢い」とは、空を飛んでいる鳥も、勢いに圧倒されて落ちてくるという意味の言葉です。比較するものがないほどの勢いのよさや権勢を指します。平治物語を出典とする表現で、現在でも話し言葉・書き言葉を問わず使用します。

・彼の任期は凄まじいな。ドラマに出れば視聴率は20%を超えるし、新曲を出せばミリオンを達成する。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだね。
・母校の野球部が県大会で勝ち進んでいる。飛ぶ鳥を落とす勢いで、このまま甲子園に行けそうだ。

破竹の勢いはライバルのある状態で使われる傾向にありますが、「飛ぶ鳥を落とす勢い」はライバルの有無にかかわらず使われます。

日の出の勢い・旭日昇天の勢い

「日の出の勢い」とは、朝日が勢いよく昇る様子から、勢いよく上昇することを意味する言葉です。「旭日昇天の勢い(きょくじつしょうてんのいきおい)」も「日の出の勢い」と同様で、朝日が昇り続けるように勢いがあることを意味します。

順調に上昇している様子をたとえるときに使う言葉です。「日の出」も「旭日昇天」もポジティブな意味の言葉のため、相手を褒めるときなどにも使えます。

・去年設立したばかりと聞いているが、まさに日の出の勢いで、驚くようなスピードで成長している。
・旭日昇天の勢いで、とどまるところを知らないようだ。今や日本を代表する企業といっても過言ではない。

昇竜の勢い

「昇竜の勢い(しょうりゅうのいきおい)」とは、竜が天に昇るように勢いよく上昇していることを示す言葉です。実際に竜を見なくても、勢いよく上昇するのは想像できるでしょう。

「日の出の勢い」と同じ意味ですが、太陽はいつまでも昇り続けるのではなく、時間が来ると日の入りに向かって傾き始めます。そのため、相手を褒めるときは「昇竜の勢い」とたとえるほうが縁起がよいかもしれません。

・勉強のコツをつかんだようで、成績が昇竜の勢いで伸びている。
・株価がストップ高になるほど、企業の価値も昇竜の勢いで上昇している。

破竹の勢いの反対の意味の表現

破竹の勢いは、基本的にはポジティブな意味で使います。凄まじい勢いで前進し続けるときや上昇し続けるときに用いることが一般的です。反対に、勢いよく下降するときや下落するとき、下落し続けて価値がほとんどなくなったときは、次の言葉を使って表現することがあります。

・衰退の一途をたどる
・吹けば飛ぶような

それぞれの表現のニュアンスを紹介します。

衰退の一途をたどる

「衰退の一途をたどる(すいたいのいっとをたどる)」とは、勢いが衰え続ける様子を指す言葉です。一時的に勢いが衰えるのではなく、継続的に衰えるときに用います。

・社長が代わってから、あの会社は衰退の一途をたどっている。
・昔は人気の遊園地だったのに、いつの間にか寂しい雰囲気になった。今後も衰退の一途をたどるのだろう。

吹けば飛ぶような

「吹けば飛ぶような」とは、微風でも吹き飛ばされるほど軽いことや貧弱なことを表現する言葉です。衰退の一途をたどり、もはやこれまでとなったときに「吹けば飛ぶような」状態になります。

・吹けば飛ぶようなチームといわれていたが、いつの間にか立て直したようだ。
・我が社は吹けば飛ぶような状態だ。もう廃業するほうがよいだろう。

類似表現も覚えて使いこなそう

破竹の勢いは、止め難いほどの勢いがあるときに用いる言葉です。同じく勢いがある様子を示すときは、飛ぶ鳥を落とす勢いや昇竜の勢いなどの表現も使えます。語彙を増やすためにも、類似表現を覚えておきましょう。

TOP/(c)Adobe Stock

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