「目は口ほどに物を言う」ということわざを耳にしたことはありませんか。なんとなく意味はわかるものの、実際使ったことはないという方も多いかもしれません。そこで今回は、「目は口ほどに物を言う」の意味や使い方、類語や英語表現などを解説しましょう。
「目は口ほどに物を言う」の意味とは?
「目は口ほどに物を言う」とは、「目は口以上にその人の感情を表す」という意味のことわざです。口では肯定的なことを言っていたとしても、相手の仕草や目つきからなんとなく本心でないことが感じられることもあるはず。このように、目つきや眼差しが雄弁にその人の感情を物語っている様子を、「目は口ほどに物を言う」というのです。
使い方を例文でチェック!
「目は口ほどに物を言う」は、ビジネスシーンや恋愛の場面などさまざまなシチュエーションで使います。ここでは主な例を3つ紹介しましょう。
1:目は口ほどに物を言うという通り、彼は私のことを好意的に思っていないらしい。
口でははっきり否定的なことを言わないものの、その目つきや態度からあまりよく思っていないことが感じ取れることは多々ありますよね。このように、「目は口ほどに物を言う」には、「本心は隠せない」という意味合いも含まれています。
2:彼の目が泳いでいたので問い詰めたところ、昨晩他の女性と会っていたようだった。目は口ほどに物を言うとはこのことだ。
「目は口ほどに物を言う」は、恋愛の場面でもたびたび使われます。恋人が目を合わそうとしなかったり、明らかに動揺しているような目つきをしていると、何か隠し事をしているのでは? と勘ぐってしまうこともあるでしょう。案の定、相手にやましいことがあった時に「目は口ほどに物を言う」と表現します。
3:目は口ほどに物を言うというように、何も言わなくてもあなたの気持ちが伝わってきますよ。
相手が何も言わなくても、目を見れば悲しい気持ちでいたり、楽しい気持ちでいたりすることがわかる、という意味の例文です。何も言わなくても、あなたの本心はわかっているよと伝えたい時にこのように表現するといいですね。
類語や言い換え表現とは?
「目は口ほどに物を言う」の類語には、「目は心の鏡」「成るか成らぬか目元で知れ」「以心伝心」などが挙げられます。それぞれの意味や違いについてチェックしてみましょう。
1:目は心の鏡
「目は心の鏡」とは、「目はその人の心の中を映し出す鏡である」という意味です。皆さんも、相手の目を見て、今日はなんだか生き生きとしているな、今日は元気がなさそうだなと感じたことはありませんか? このように目を見て、その人の心の様子がわかることを「目は心の鏡」というのです。
2:成るか成らぬか目元で知れ
「成るか成らぬか目元で知れ」とは、「相手が承知しているか不承知なのかは、目を見て判断しなさい」という意味。主に恋愛の場面で使われることわざとされています。両思いかどうかはいちいち言葉で返事を聞かなくても、相手の眼差しを見ればわかる、という意味として使われます。確かに、その人の目つきや眼差しで好意を抱かれているか否か、なんとなくわかりますよね。
3:以心伝心
「以心伝心(いしんでんしん)」とは、「何も言わなくても心が通じ合っていること」です。付き合いの長い恋人や夫婦は、何も言わなくてもお互いが何を思っているかがわかることがあるもの。心が繋がっているというポジティブな意味合いで使われることが多い四字熟語です。「目は口ほどに物を言う」は、ネガティブな意味として使われることもあるので、その点が異なりますね。
4:目が物を言う
「目は口ほどに物を言う」にそっくりなことわざに「目が物を言う」があります。こちらは目つきだけで十分相手に気持ちが伝わる」という意味。目つきや目配せなどで相手に気持ちを伝えるときなどにも使用します。強い眼差しで真っ直ぐに相手を見つめるような、目力の強さが思い浮かぶことわざです。
英語表現とは?
「目は口ほどに物を言う」は日本語のことわざですが、実は英語にもよく似た言葉があることをご存知ですか? ここでは、「目は口ほどに物を言う」と同じような意味を持つフレーズを3つ紹介します。海外の人との会話で使ってみてはいかがでしょうか?
1:The eye is the window of the mind.
「window」は「窓」、「mind」は「心」という意味です。直訳すると、「目は心の窓」という意味になります。目からいろいろな感情が読み取れるという意味で、「目は口ほどに物を言う」と似ていますね。「mind」の代わりに「soul(魂、心)」を使うこともできます。
2:The eyes say more than the mouth.
「more than」は、「〜よりも」、「mouth」は「口」という意味。直訳すると、「目は口よりも多くを語る」となります。こちらも「目は口ほどに物を言う」という意味として使うことができますね。
3:Eyes speak more eloquently than lips.
「eloquently」はあまり馴染みのない単語ですが、「雄弁に」という意味があります。「Eyes speak more eloquently than lips」を直訳すると、「目は口よりも雄弁に語る」。「目は口ほどに物を言う」とよく似ていますね。
最後に
今回は「目は口ほどに物を言う」の意味や使い方、「目」という文字を使ったことわざ、英語表現などを見ていきました。日常生活においては、良い意味で使うこともあれば、「嘘をついている」という意味でネガティブなニュアンスで用いられることもあります。
英語でも似たようなことわざがあることから、目が時に言葉で話す以上の感情を伝えるのは、世界の共通した認識なのかもしれませんね。この機会に、「目は口ほどに物を言う」の意味を理解して使ってみてはいかがでしょうか?
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