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世帯主変更の手続きとは?
世帯の代表である「世帯主」は、夫がなるというイメージを持っていませんか? 結婚の際、深く考えずに夫を世帯主にしたけれど、本当に夫が世帯主でよかったのかと疑問に思っている人もいるかもしれませんね。
実は、世帯主は夫婦のどちらもなることができ、手続きをすれば、後から変更が可能です。中には夫から妻に世帯主変更をした方がいいケースもありますので、該当する人は世帯主変更を検討してもいいかもしれません。
世帯主って何?
そもそも「世帯」「世帯主」とは何でしょうか? 世帯主変更を現在検討しているという人や、これから世帯主を決めるという人は知っておくといいですね。
世帯主の「世帯」は、同一の住居で暮らし、家計も同一である人の集まりのことを言います。その世帯の代表者となるのが、「世帯主」です。
世帯主と戸籍の筆頭者は違う?
「世帯主」と「戸籍の筆頭者」が同じというイメージを持つ人もいるかもしれません。この2つの意味は違いますので、混同しないようにしてくださいね。
戸籍は、親子や兄弟姉妹、夫婦などの親族関係を示し、家族的身分関係を明確に記載している公文書のこと。戸籍には人の出生や婚姻、死亡についての記載があり、本籍地のある市町村に置かれます。
戸籍の筆頭者は、その戸籍の代表であり、戸籍の最初に記載される人のことです。戸籍は、住所や誰と住んでいるかは関係しません。
世帯主はどうやって決める?
世帯主はどのように決めるのがいいのか、見ていきましょう。世帯主を決める人はぜひ参考にしてくださいね。
世帯主は夫と妻、どちらがなってもいい
法律上、世帯主は夫と妻、どちらがなってもいいとされています。年齢や収入も関係ありませんので、夫婦で話し合って決めるのがいいでしょう。
世帯主になると、行政手続きや納税などの義務が発生。また、勤務先に住宅手当や家賃補助がある場合は、世帯主が支給の対象になります。
世帯主を決める際、参考にすべきこととは?
世帯主を決める際、お互いの勤務先の福利厚生制度をしっかりと調べることが大切です。特に、住宅手当や家賃補助制度については、よく把握しておくことをおすすめします。
また、お互いの働き方や生き方の希望、家計についても十分に話し合うことが大切です。特に、結婚を機に専業主婦(主夫)になりたい、会社をやめて起業や独立を考えているという人は、そのことをパートナーにしっかりと伝え、共有しておいてくださいね。
世帯主を夫から妻に変更する際、知っておきたいこと
結婚の時は世帯主を夫にしたけれど、状況の変化などで世帯主変更を検討することもあるでしょう。世帯主変更した方がいいのはどのようなケースであるのかを見ていきます。
夫から妻に世帯主変更した方がいいケースとは?
前述したように、住宅手当や家賃補助は世帯主に対して支給されます。夫の会社には住宅手当や家賃補助がないけれど、妻の会社にはあるというケースは、妻を世帯主にする方がいいでしょう。また、妻の方が住宅手当は高いという場合も、検討するといいですね。
ただし、会社によっては、住宅手当は「主たる生計者」に支給するという要件を設けていることがあります。これは、夫婦共働きの場合は収入が多い方に支給するという意味。そうなると、夫から妻に世帯主変更をしても、収入は夫の方が多いのであれば、妻は住宅手当や家賃補助支給の対象にならないため注意が必要です。
また、夫婦共働きだったけれど夫が専業主夫になる、夫のみ起業や独立をするという場合も、夫から妻に世帯主変更を考えるといいでしょう。
夫から妻に世帯主変更するデメリットはある?
夫から妻に世帯主変更する際に生じるデメリットは、税制面や法律面から見ても特にありません。ただし、「世帯主は夫」というイメージを持つ人が多いため、夫から妻に世帯主変更することに対して、いい印象を持たない家族や親族もいる可能性も。
夫から妻への世帯主変更を無理にしたために、家族や親族間でトラブルになってしまうのは避けたいですよね。世帯主変更をする場合は、その点についてもパートナーとしっかり話し合ってください。
世帯主変更の手続きについて
世帯主変更の手続きについて見ていきましょう。世帯主変更は、同一世帯であれば可能です。
世帯主変更の手続きは自治体の窓口で
世帯主変更の手続きは、住民登録をしている自治体ですることができます。変更できるのは、現在の世帯主もしくは同一世帯の人。代理人による世帯主変更の手続きもできますが、その場合は委任状が必要です。
<世帯主変更に必要な書類>
・世帯変更届(担当窓口で配布)
・手続きに行く人の本人確認書類
・国民健康保険被保険者証(加入者のみ)
本人確認書類については、各自治体のホームページなどで事前に確認しておいてください。
世帯主変更、こんな場合は?
経済面から見て、夫から妻に世帯主変更した方がいいケースを紹介しましたが、他にも該当するケースはあるのでしょうか?
妻が専業主婦や起業している場合は?
夫婦共働きだったけれど、妻が専業主婦になった、妻が会社をやめて起業するという場合は、世帯主は夫のままにしておくことをおすすめします。世帯主に所得がないと提供されないサービスがあることや、夫を世帯主にしないことで手当が支給されないということがあるからです。
パートナーと世帯を別にできる?
同一世帯の夫婦や親子の場合、「世帯分離」の手続きをすれば、世帯を分けることができます。住所が同じでも、家計は完全に別々という場合は、世帯分離をすることが可能です。ただし、夫婦間の世帯分離はハードルが高く、中には認めない自治体もあります。夫婦間で世帯分離をするのはデメリットも多いので、事前によく検討してみてください。
最後に
世帯主は夫がなるものというイメージを持つ人も多いですが、世帯主は夫婦どちらがなっても問題ありません。夫を世帯主にしていても、手続きをすれば、夫から妻に世帯主変更をすることができます。お互いの働き方や生き方に変更が生じた場合、夫から妻に世帯主変更をする方がいいケースもありますので、随時確認するようにしてください。世帯主変更をする場合は、お互いの家族や親族とトラブルにならないよう、十分に配慮してくださいね。
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