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2023.01.07

共働きの年収ってどれくらい? 共働きのメリット・デメリットもあわせて紹介

「共働き」とは、夫婦がともに仕事をして、収入を得ている状態のことです。「共働きなのに余裕がないなあ」「みんな、こんなものなのか聞いてみたいけど、聞きにくくて」。そんな声をよく聞きます。そこで今回は「共働き」家庭の年収や内訳などを紹介しましょう。

そもそも「共働き」とは?

「共働き」とは夫婦がともに仕事をして、収入を得ている状態のことです。このような「共働き世帯」は、1980年の統計開始以降、ほぼ一貫して増え続けているようです。

特に、2010年ごろからは大幅に増加していて、2010年には1012万世帯だったのが、2019年には1245万世帯にまでなっています。2019年の全国の世帯数を見ると5178万5000世帯なので、全世帯の25%が「共働き」だと言えます。

パートでも「共働き」になる?

結論から言うと、パートタイマーでも非正規雇用であっても、収入を得ているのであれば「共働き」だと言えます。ですから、一言で「共働き」と言ってもその内情はさまざま。夫婦ふたりともが正規雇用で高収入という場合もあれば、夫が正社員、妻は夫の扶養の範囲内でパートに出ているという世帯もあるでしょう。

仕事をする女性
(c)Shutterstock.com

「共働き」の平均年収は?

2021年の総務省統計局「家計調査 家計収支編」によると、「共働き世帯」のひと月あたりの収入の平均は、68万3,525円となっています。これを年収にしてみると820万2,300円。これが「共働き世帯」の「世帯年収」ということになります。

しかし、平均値だけでは実態はあまりわかりません。なぜなら、ほんの少数の高収入世帯が値を引き上げているかもしれないからです。そこで参考になるのが中央値です。総務省が公表している「平成29年就業構造基本調査」によると、「共働き世帯」の年収の中央値は600〜699万円になっています。

「共働き世帯」の収入の内訳は?

先ほども紹介した、2021年の「家計調査 家計収支編」で、夫婦の1カ月あたりの収入の平均を見てみました。

夫:45万6,579円
妻:15万9,732円

これをみると、メインは夫の収入、それを妻がサポートしているという状況が想像できますね。なお、先ほど紹介した「共働き世帯」のひと月あたりの収入の平均値には夫婦以外の収入も含まれているので、夫婦の収入を足しても先の平均値にはなりません。

豚の貯金箱を持ちながら小銭を積む
(c)Shutterstock.com

「共働き」のデメリットとは?

「片働き」に比べ、家計に余裕がある「共働き」ですが、いいことばかりではありません。

1:「高等学校等就学支援金制度」が適用されなくなる

「世帯収入」が910万円を超えると、「高等学校等就学支援金制度」が適用されなくなるのです。

「高等学校等就学支援金制度」とは、高校(高専、高等専修学校等を含む)に通う子どもがいる家庭に対し、授業料の一部または全部が支給される制度です。この「高校」は公立・私立を問いません。

この制度は、「世帯年収」が約910万円未満であれば利用可能とされており、それを超えると対象外となります。国公立高校なら、年間の授業料相当額(11万8,800円)が支給されるので、実質的な負担は0円! 私立高校なら上限を39万6,000円として、保護者の年収に合わせて授業料が給付されます。

実際の金額は子どもの人数・年齢などによって変わりますので、高校入学を控えた子どものいる家庭は調べてみてくださいね。

2:児童手当が満額支給されない

「児童手当」とは、中学校卒業までの子どもがいる家庭に支給される手当です。子ども1人あたりの支給月額は3歳未満で1万5,000円、3歳以上小学校修了前までで1万円(第3子以降は1万5,000円)、中学生で1万円となっています。

この「児童手当」は、所得によって制限があることを知っていましたか? 限度額以上の所得がある場合は、「特例給付」として子ども1人あたり一律月額5,000円の支給となるのです。また、2022年10月支給分からは、年収1,200万円以上の人は対象外となるので気を付けましょう。

「共働き」の場合、限度額は収入が多いほうの前年の所得と扶養する人数によって変わります。たとえば、子ども1人の場合の所得制限限度額は660万円、2人の場合には698万円となるのです。

「共働き」のメリットとは?

一方で、「共働き世帯」にとってメリットとなる税制度や社会保険料もあります。

1:「片働き」よりも手取りが多くなる

所得に応じて課税される所得税は、「累進課税」といいます。つまり、収入が多くなればなるほど税率が高くなっていくのです。そのため、同じ年収1,000万円世帯でも、1人だけで1,000万円を稼ぐより、2人合わせて1,000万円を稼ぐほうが手取りが多くなる可能性があります。

ひとりで1,000万円の収入を得た場合:手取り額 約740万円
ふたりで1,000万円の収入を得た場合(ひとりあたり500万円):約780万円(約390万円)

これはひとつの例であり、夫婦それぞれの所得額にもよりますが、いずれかひとりに偏るより、ふたりで均等に稼いだほうが手取りが多くなることが多いのです。

夕陽の海岸ではしゃぐ家族
(c)Shutterstock.com

2:税金の控除をふたりともが活用できる

「扶養控除」や「生命保険料控除」、「ふるさと納税」など、節税のための控除はたくさんあります。このような控除の多くは、生計が同じ夫婦であればどちらが申請してもOKです。「妻は住宅ローン控除を申請しているので、ふるさと納税ができない」「夫は生命保険にたくさん入っていて上限を超える」といった場合でも、夫婦それぞれが控除の申告をすることで、控除のメリットを最大限に活かすことができます。

「共働き世帯」の貯金額は?

「世帯年収」の平均値は820万円、中央値は600万円台の「共働き世帯」。では、貯金額はどのくらいなのでしょう。全世帯でみると、貯金額は868万円(総務省の「家計調査 貯蓄・負債編(2021年)」調べ)ということですが、ここでは年代別に調べてみました。

30歳代:平均貯金額は380万円
40歳代:平均貯金額は406万円
50歳代:平均貯金額は577万円
60歳代:平均貯金額は997万円

理想の「世帯年収」は?

ここまでは、「世帯年収」と「貯金額」についてお伝えしました。では、「共働き世帯」はその状態に満足しているのでしょうか。しゅふJOB総研による「世帯年収への満足度に関する調査」の結果を見てみると、「世帯年収」が700万円を超えると、約半数の人が「満足」していると答えています。

この結果と「共働き世帯」の「世帯年収」の中央値を比べると、「満足」とは言えない状況だと言えますね。

最後に

「共働き世帯」の収入について考えてみました。片働きよりは余裕がありそうですが、その多くが満足している状況ではなさそうです。税金や各種制度を上手に使って、心豊かに暮らしたいものですね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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