みなさんは隙間時間をどのように過ごしていますか? コロナ禍によって可処分時間が増えた昨今、趣味などに時間を使われる人が多いと思います。その中には、SNSに時間を費やす人もいるでしょう。
世の中の出来事がタイムリーに把握でき、友人や知人と離れていても繋がることができる大変便利なサービスです。しかし、便利なあまり、SNSに費やす時間が徐々に増え、それによる悪影響もあると言われています。
本記事では、SNS依存による影響や対策について詳しく解説していきます。
そもそもSNSって?
まずは、SNSについて、種類や普及率などを見ていきましょう。
SNSの正式名称は、「Social Networking Service(ソーシャルネットワーキングサービス)」です。文字通り、SNSは、インターネットを介して人と人をつなげるサービスになります。多くの人は、リアルな友達との連絡手段や情報収集、同じ趣味のコミュニティに参加する目的で使っている模様。
さて、SNSと聞くと、「Twitter」や「LINE」などを思い浮かべる人が多いでしょう。これら以外に「Instagram」「TikTok」「WhatsApp」「Facebook」など多くのSNSが存在します。
ICT総研による「2022年度SNS利用動向に関する調査」によると、日本のSNSユーザーは8,270万人を超えています。また、近年は高齢者層にもスマートフォンが普及しており、SNSの利用者も増加傾向にありますよ。
SNS依存って具体的に何? どうやって判断するの?
それでは、ここからSNS依存について見ていきましょう。
SNS依存の特徴
SNS依存とは、SNSを使いたいという衝動を感じることや、使えないとネガティブな精神状態に陥る状態のことです。
SNSを使いすぎることが悪いというわけではなく、それにより、生産性の低下や人間関係の悪化、睡眠の質の低下など日常生活に支障をきたす場合にSNS依存が問題となってきます。
SNS依存症かどうか
SNS依存かどうかの判断について、現時点で明確な診断があるわけではありません。実際には、下記のような項目がSNS依存かどうかの判断基準になります。
1:SNSを使いたい、使えない場合に怒りやフラストレーションが溜まる。
2:SNSから離れていると、不安になることや欠乏感を感じる。
3:時間と思考の大半をSNSに費やし、オンラインとオフラインのバランスが取れない。
SNS依存による影響
SNS依存による影響は、身体・精神・周り(学業や仕事)の分野で考えられます。
1:身体
ずっとスマートフォンを見ていると、長時間うつむいている状態になります。そのため、ストレートネックになってしまうなどの身体的問題が発生。また、画面を見続けることで、視力の低下なども影響として挙げられます。
2:精神
SNSやインターネットにのめり込むことで、イライラしやすくなることや鬱症状が見られることがあるという研究結果もあります(『Journal of Affective Disorders』参照)。
3:周り(学業や仕事)
SNSの長時間利用により、睡眠の質の低下や集中力の欠如が影響として考えられます。
SNS依存症になる原因
SNS依存になる原因は主に「SNSが承認欲求を満たせるメディアであること」「 自分を表現できるメディアであること」「デジタル技術向上によるSNSのアルゴリズム強化」の3つが考えられます。それぞれ見てみましょう。
1:承認欲求を満たせるメディアであること
人の欲求には、「承認欲求」があることは周知の事実。つまり、私たち人間は「他人から認められること」に喜びを感じるのです。
ご存知の通り、SNSには「いいね」や「リツイート」、「シェア」といった機能があります。個人の何気ない投稿が多くの反応をもらったり、拡散され何千何万人の人に届いたりするのです。まさに、これらの反応が「他人から認められている」と感じさせます。
2:自分を表現できるメディアであること
承認欲求の他に、自己実現欲求が人には備わっています。自己実現欲求とは、まさに「自分らしくありのままでいたい」というものです。
メディアによりますが、SNSはオフラインで誰が投稿しているのかわからない仕様になっています。そのため、参加・投稿ハードルが低くなっているのです。このおかげで、ユーザーは、周りの目を気にすることなく自分の言いたいことや伝えたいことを表現できます。
まさに、自己実現欲求を満たすことができるメディアになっているのです。
3:デジタル技術向上により、SNSのアルゴリズム強化
SNSを見ていると、似たようなコンテンツがタイムライン(他の人の投稿)に流れてくるのではないでしょうか。これは、検索や投稿の閲覧により、個人の趣味趣向にあったコンテンツが表示されるようになっているため。
では、これがなぜSNS依存につながっているのかというと、1つのコンテンツに満足感を覚えることで、「またやりたい」「まだ見たい」という気持ちになるためです。これは、脳内で分泌される「ドーパミン」が大きく関わっているとか。ドーパミンは興味や好奇心に影響を及ぼす物質です。
まさに、興味あるコンテンツが流れ続けることで、タイムラインをスクロールし続けることにつながるといえるでしょう。
SNS依存にならないために
少しでもSNSの利用時間を減らしたいと思われる方は、以下を実践してみてはいかがでしょう?
1:SNSの利用時間を把握する
まずは、現在の利用時間を把握することがおすすめです。スマートフォンの内蔵機能を活用すれば、アプリごとの1日の利用時間を確認することができます。
2:利用時間に制限をかける
スマートフォンには、各アプリの利用時間を設定できる機能があります。設定した利用時間になれば、アラームと共にロックがかかり、強制的に使用を制限。
かくいう筆者も、実はこの機能を活用しており、「もうこれだけ使ったのか」と認識する意味も込めて設定しています。
3:オフラインの時間を意識的に作る
昨今、一定期間スマートフォンなどから距離を置く、デジタルデトックスという取り組みが注目されています。このデジタルデトックスには、脳や目の疲れが取れる効果や、ストレスが減る、ひらめきがよくなるといった効果があるとか。
多くの方は、サウナやキャンプを趣味としつつ、デジタルデトックスの時間として活用している方が多い印象です。
最後に
SNSの普及により、私たちの生活はとても便利なものになりました。しかし、本記事のように悪影響もあることも事実。こういった悪影響も認識しつつ、SNSというメディアを活かし、充実した日々を送っていきましょう。
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