「メモを取るのは面倒」「この時代に紙に書くなんてナンセンス」と思われる人もいるかもしれません。しかしながら、メモをとることで、頭の中を整理し、仕事の効率をよくする効果もあるようです。本記事ではメモ魔の効果やおすすめのメモの取り方を紹介します。
メモ魔とは
メモ魔とは、どんなことでも書き留める習慣のある人のこと。事細かく、逐一メモを取っている人を思いうかべる人もいるでしょう。こういった人は単なる記録係と言えます。
メモを仕事に活かしているメモ魔は、どんなことでも書き留めるだけではありません。思いついた企画やアイディア、整理した考えなどを書ける人です。
メモ魔が用いるのは、いわゆるその場で書き込めるメモ帳から、思いついた考えをとりあえず書きめぐらす付箋の他、しっかりと書き綴るノートなどさまざま。自分が得た気づきや学びのインプットやアウトプット、思考の整理のツールに適した様式のものを活用しています。
また、手で文字を書くことは脳を刺激し、活性化する効果もあるようですよ。
メモ魔になる効果とは
メモ魔に効果があるとしたら、ならない手はありませんよね。今回は3つ紹介します。早速、見ていきましょう
1:ミスの予防と記憶力向上!
日々、多くの業務に忙殺されていると、全てのことを脳で記憶することは難しいですよね。その時は覚えていても、時間が経つと忘れてしまうことがよくあります。小さなことなら問題ありませんが、重要な会議や大きな案件だった場合、仕事に支障が出るでしょう。
メモ魔となり、覚えておかないといけないことを備忘録にすることで、ミスを予防できます。また、何度でもメモの内容を確認できるので、記憶力もアップするでしょう。
2:ビジネス文書がうまくなる
報告書や提出資料など、ビジネス文書を作成することに、苦手意識を持っている人も多いでしょう。メモ魔となり、書きたい文書の内容に出てくるキーワードや用語を、メモに書き出していくことで、メモ自体が文書の下書きとなります。
うまく書こうとせず、書き出した内容をつなげていくだけ。メモに書き出すことで、頭の中にある未整理の情報を整理でき、可視化できるので頭もスッキリします。
3:気づきが深まる
メモとしてアウトプットした情報を、あらためて見返してみると、何かに気づくこともあるでしょう。プライベートや仕事に関係なく、さまざまなことをメモすることで、「この時には、こんなことがあった」「こんなことを考えていたのか」と、気づきが気づきを生み出します。
気づきが深まったからといって、すぐにビジネスに役立つことはないかもしれません。一方で、気持ちに余裕が生まれたり、考えが柔軟になるといった効果が得られることもあるでしょう。
仕事ができる人のメモ活用法
仕事ができると言われる人は、どんなふうにメモを活用しているのでしょうか。ぜひ、参考にしてくださいね。
1:アイデア発想
ある時、ふと、異なるメモに並んだ言葉から、インスピレーションを得ることも多いようです。そこから、今まで思いつかなかったアイデアが浮かぶことが考えられます。
新しいアイデアは仕事の現場ですぐに思い浮かぶとは限りません。昔に書いたメモ書きの中に、意外とヒントが潜んでいることもあるでしょう。仕事とは関係ないようなことが、新規事業に重要である場合もあります。
2:情報整理と業務の効率化
メモに書き出すことで、頭の中で整理しきれていない情報を可視化し、やるべきタスクを確認します。仕事ができる人は、会議や打ち合わせでも、要点だけをメモしていることが多いようです。
一方で、忙しくなればなるほど、すぐに取り掛かるべきことと、そうではないことを、メモを活用して、優先順位を付けます。そうすることで、効率よく仕事をこなします。一つの付箋に一つのタスクをメモし、パソコンのデスクトップに貼りつけ、完了すれば外す、といった管理の仕方もあるようです。
こんなメモの取り方はNG!
失敗しがちなメモの取り方には注意しましょう。ここでは2つ紹介します。マスターしておきましょう。
1:メモをとることが目的に
メモを取ることは、仕事を効率よくこなしていく手段の一つです。聞いたことや説明されたことを、一言一句、漏らさずメモすることが目的ではありません。大事なことや要点など、必要な情報を書き留めるだけで十分と言えます。大量にメモを取り、書いただけで満足するのでは、何のためのメモか意味がありませんね。
2:きれいに書くことに集中する
メモは自分のためのものであり、自分がわかりやすく見やすく書けばいいもの。きれいに書くことに集中しすぎて、大事な内容が抜けているようでは、書いた価値もなくなります。他人に見せるためのメモであれば、多少体裁を整えることも必要ですが、自分のメモは自分がわかれば十分です。
おすすめのメモの取り方
ちょっとした工夫でわかりやすく、効果的なメモになることも。ぜひ、試してみてくださいね。
1:イラストを描く
言葉をメモすることに加えて、その時に思ったことや情景をイラストにしておくといいでしょう。メモを見返した時に、その時に書き忘れていたことを思い出すことがあり、また、新たな気づきを得ることもあります。
対面式のセミナーでは、登壇者の顔やその場の机や椅子の配置などを書き留めておくと、より鮮明に当時の内容を思い返すことがでます。頭の中で整理しやすくなる効果もあるでしょう。
2:メモを色付けする
メモの内容を色付けすることで、情報が整理しやすくなることも。聞いた内容で、共感したことは青、自分とは違った意見には赤、質問したいことは緑など、色分けするとわかりやすくなります。
メモを見返した時に、自分の考え方の方向性や興味、関心がより明確化し、自己理解にもつながるでしょう。
最後に
メモ魔はただ見聞きしたことを書き留めるだけではなく、新しいアイデアの発想や情報整理の達人とも言えます。書き出すことでミスを無くすなど業務効率も行っているようです。
メモを習慣づけることは、難しいかもしれません。第一ステップとして、気に入った柄のノートやかわいい付箋を購入するなど、気分が上がるようなものを身近に置くことから始めてみましょう。
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キャリアコンサルタント 櫻井宏美さん
2017年国家資格キャリアコンサルタント取得。保険薬局・薬剤師の新卒採用を担当。Well-beingが高まる働き方を模索&実践中。
ライター所属:京都メディアライン