目次Contents
この記事のサマリー
・学び直しは、以前に学んだ内容をもう一度学ぶことを指します。
・リカレント教育は、社会人が教育と仕事を行き来しながら学ぶ考え方のひとつです。
・リスキリングは、仕事の変化に合わせて新しい技能を身に付けるための学び直しです。
仕事や暮らしの変化を感じたとき、「もう一度学ぶ」という選択肢がふと頭に浮かぶことがあります。けれど、学び直しとリスキリングは同じなのか、支援制度は使えるのか、何から始めればいいのかは意外と迷いやすいもの。
年齢や目的、今の働き方によっても、選び方は変わります。この記事では、無理なく続けられる学びの入口を見つけるためのヒントを、丁寧にたどっていきます。焦らず考えてみましょう。
「学び直し」とは?
まずは意味から確認していきましょう。

意味
「学び直し」とは、以前に学んだことをもう一度学ぶことです。特に、社会人が学校教育で学ぶ内容の知識を勉強しなおす意味で使われます。
辞書では次のように説明されていますよ。
まなび‐なおし〔‐なほし〕【学び直し】
以前に学んだものをもう一度学ぶこと。特に、社会人が、学校教育で学ぶ内容の知識を勉強しなおすこと。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
仕事や暮らしの変化に合わせて、知識や技能を補い直す場面でも使われる言葉です。
「リカレント教育」とは?
リカレント教育は、社会に出た人が必要に応じて教育を受け直し、学校教育と社会教育を循環的に結びつける考え方のことです。英語の “recurrent” は「循環する」という意味を持つ言葉。つまり、リカレント教育は、社会人の学び直しを支える考え方のひとつとして整理できます。
日本では、仕事を続けながら大学・大学院・専門学校・通信教育・オンライン講座などで学ぶ形も、社会人の学び直しとして広がっています。ただし、リカレント教育は単に「仕事に役立つ知識を学ぶこと」だけを指す言葉ではなく、学校教育と社会教育を循環的に結びつける考え方として理解するといいでしょう。
リカレント教育と生涯学習の違い
リカレント教育と生涯学習は近い場面で使われることがありますが、焦点が異なります。リカレント教育は、社会に出た人が必要に応じて教育を受け直し、学校教育と社会教育を循環的に結びつける考え方です。
一方、生涯学習は、人生を通じて学び続けるという広い考え方です。仕事に役立つ学びだけでなく、教養、地域活動、趣味、社会参加につながる学びも含めて考えられます。

「学び直し」とリスキリングの違い
「学び直し」は、以前に学んだことをもう一度学ぶことを指す広い言葉です。
一方、リスキリングは、ビジネス環境や仕事の内容が変わるなかで、新しいスキルを身に付ける学び直しを指します。特にITやDX関連の分野で使われることが多い言葉です。
つまり、リスキリングは「学び直し」の一部として考えることができます。ただし、企業の都合で一方的に進められる学びにならないよう、時間や費用、本人の負担にも配慮することが大切です。
参考:「現代用語の基礎知識」(自由国民社)、『デジタル大辞泉』(小学館)
学び直しには、どのような支援制度がある?
学び直しは独学でも始められますが、資格取得や転職、専門知識の習得を目指す場合は、講座や学校を利用したほうが進めやすいこともあります。その際に気になるのが、受講料や生活費などの負担です。
社会人の学び直しには、教育訓練給付金、公的職業訓練、キャリア相談、ひとり親家庭向けの支援など、複数の制度があります。ただし、対象者や支給条件は制度によって異なり、年度によって内容が変わる場合もあります。利用前には、厚生労働省、文部科学省、自治体などの公式情報で最新の条件を確認しましょう。
教育訓練給付金
教育訓練給付金は、働く人の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図るための制度です。厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した場合、教育訓練経費の一部が支給されます。
対象となる教育訓練は、一般教育訓練、特定一般教育訓練、専門実践教育訓練の3種類です。専門実践教育訓練では、一定の条件を満たすことで教育訓練経費の最大80%まで支給される場合があります。
高等職業訓練促進給付金
高等職業訓練促進給付金は、ひとり親の人が就職に有利な資格を取得するため、養成機関で修業する期間の生活費を支援する制度です。対象となるのは、児童扶養手当の支給を受けている、または同等の所得水準にあるなど、一定の要件を満たすひとり親の人です。
支給額は、住民税非課税世帯では月額10万円、住民税課税世帯では月額70,500円とされ、訓練を受けている期間の最後の1年間は支給額が増額されます。対象資格には、看護師、准看護師、保育士、介護福祉士などの国家資格に加え、デジタル分野等の民間資格も含まれます。
申し込みや問い合わせは、住んでいる都道府県・市区町村で確認しましょう。
参考:こども家庭庁
キャリアコンサルティング
現在、厚生労働省委託事業として「キャリア形成・リスキリング推進事業」が実施されています。個人、企業・団体、学校関係者を対象に、ジョブ・カードを活用したキャリア形成支援を無料で行われています。
「何を学び直せばいいかわからない」「今の仕事に生かせる学びを選びたい」「転職やキャリアアップにつながる講座を検討したい」という場合は、講座を申し込む前にキャリア相談を利用して、目的を整理するのもひとつの方法です。
公的職業訓練
公的職業訓練は、希望する仕事に就くために必要な職業スキルや知識を身に付けるための制度です。主にハローワークを通じて利用するもので、離職中の人や、条件を満たす在職中の人が対象となる場合があります。
雇用保険を受給できない人でも、一定の要件を満たす場合は、月10万円の職業訓練受講給付金を受けながら無料の職業訓練を受講できることがあります。対象条件は収入や世帯状況などによって異なるため、利用を考える場合は、ハローワークで確認しましょう。
学び直しを始めるときに、考えておくべきこと
学び直しを経て新しい分野に進む場合、これまでの経験がそのまま通用するとは限りません。新しい知識や技能を実務で使えるようになるまでには、一定の時間がかかります。
そのため、学び直しを始めるときは、「何を学ぶか」だけでなく、「どのくらいの期間で身に付けるか」「仕事や生活と両立できるか」「費用をどう確保するか」まで考えておくことが大切です。
また、講座や教材で学んだ内容と、実際の仕事で求められる内容には差がある場合があります。資格取得や講座修了をゴールにするだけでなく、実務でどう使うか、どのような経験を積むかまで考えておくと、学び直しを仕事に生かしやすくなります。

焦って始めない
仕事や社会の変化が速い、この時代。これまで身に付けた知識だけで対応し続けることが難しくなる場合があります。だからこそ、必要に応じて知識を補い直したり、新しい分野を学んだりすることが、将来の選択肢を広げる手段になります。
ただし、学び直しは焦って始めるものではありません。目的、費用、時間、学び方を整理し、自分の生活に無理なく続けられる方法を選ぶことが大切です。
年代別に考える学び直しの始め方
30代の学び直しは、今の仕事の幅を広げたり、将来の専門性を高めたりする目的で始める人が多いでしょう。資格取得、英語、IT、会計など、仕事に直結する分野を選ぶと、学んだ内容を日々の業務に生かしやすくなります。
40代の学び直しでは、管理職としての知識、専門分野の更新、転職や独立に備えた学びなどが選択肢になります。忙しい時期だからこそ、短期講座やオンライン講座など、生活に組み込みやすい方法を選ぶことが大切です。
50代以降の学び直しは、次の働き方や暮らしの充実につながります。大学や公開講座、通信教育、地域の講座などを利用しながら、仕事だけに限らない学びを選ぶこともできます。
上記はあくまで参考で、年齢で区切るのではなく、目的に合った方法を選ぶ視点が必要です。
「学び直し」に関するFAQ
ここでは、「学び直し」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「学び直し」とは、どのような意味ですか?
A. 「学び直し」とは、以前に学んだ内容をもう一度学ぶことです。
Q2. 学び直しとリカレント教育は同じですか?
A. 完全に同じではありません。学び直しは「もう一度学ぶこと」を広く指す言葉です。一方、リカレント教育は、社会に出た人が教育と仕事を行き来しながら学ぶ考え方を指します。
Q3. 学び直しとリスキリングの違いは何ですか?
A. リスキリングは、仕事環境やビジネスの変化に合わせて、新しい技能を身に付ける学び直しです。学び直しの中でも、仕事上の変化に対応する意味合いが強い言葉と考えると整理しやすいでしょう。
最後に
以前学んだことをもう一度確かめたり、今の暮らしに必要な知識を少しずつ足したりすることも、立派な学び直しです。
年齢や肩書きにとらわれず、今の自分に合う方法を選べば、学ぶ時間は強い味方になるでしょう。小さな一歩が、これからの毎日をやわらかく広げ、仕事や暮らしに新しい風を運んでくれるはずです。
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