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2022.09.22

仕事中に聞いたことがある「ケーススタディ」って何? やる目的やメリットを解説

ビジネスの場面で時折耳にする「ケーススタディ」とは、「具体的な事例を分析し、一般的な原理を導き出す手法」のこと。企業の新人研修や医療・看護・教育の分野で活用されています。今回は、「ケーススタディ」の意味や目的、メリットについて解説するので、よく理解しておきましょう。

会社の新人研修や面接時などに「ケーススタディ」を行ったことはありませんか? 近年では、ビジネスの場面で「ケーススタディ」を取り入れる企業も増えつつあります。社会人として、ビジネス用語である「ケーススタディ」の意味やメリットなどを押さえておきましょう。

「ケーススタディ」とはどういう意味?

「ケーススタディ」とは、「具体的な事例を分析し、一般的な原理を導き出す手法」のことです。英語では「case study」と言い、「case」は「事例、問題」、「study」は「学問、研究、調査」などの意味があります。日本語では「事例研究法」とも言いますね。

「ケーススタディ」は、新入社員の研修などで用いられることが多く、特に医療や教育の分野で活用されています。過去の成功例や失敗例を細かく分析することで、ミスを繰り返すことを防ぎ、問題を解決するために必要な法則を導き出すことができるのです。教科書や資料で知識を学ぶだけでは補えない、実際の現場で起きることをシミュレーションすることができるので、対応力や洞察力が養えることがメリットでしょう。

それぞれの分野の「ケーススタディ」

「ケーススタディ」の手法は、ビジネスや医療、教育の現場で取り入れられています。分野ごとの目的ややり方についてみていきましょう。

みんなの前で説明する女性
(c)Shutterstock.com

ビジネスでの「ケーススタディ」

企業の「ケーススタディ」は、主に新人研修や管理職・リーダー研修で行われます。実務経験の少ない新入社員は、実際に現場で起こりやすい事例を体験することによって、対応力を身につけることができるのです。

また、管理職の研修では、トラブルが起きたときの対処法や部下への指示の出し方などを学びます。リスク回避やアイディアの生み出し方、作業の効率化など、スピードが重視されるビジネスの世界で身につけておきたいスキルを学ぶことができるでしょう。

医療や看護での「ケーススタディ」

医療や看護の現場では、医師や看護師が集まって「ケーススタディ」が行われ、患者さんの具体的な症例を挙げて、どうケアすべきかを検証しシミュレーションしていきます。また、同じ治療をした患者でも回復するペースが異なるのはなぜかなど、複数の症例を比較する「ケーススタディ」が行われることも。

不測の事態が起こりやすい医療現場において、様々な症例をシミュレーションする「ケーススタディ」は、不可欠なものと言えるでしょう。

教育での「ケーススタディ」

教育の現場では、教職員や管理職に対する「ケーススタディ」が行われます。教職員の「ケーススタディ」では、実際の授業の場面をシミュレーションし、生徒への指導方法や教育方法の改善を行うことが多いです。一方、管理職の「ケーススタディ」では、学校で起きたトラブルや問題に対しての再発防止策の立て方、どのように対応し解決したらいいのかについて学びます。

「ケーススタディ」のやり方

続いて、「ケーススタディ」のやり方や進め方を紹介します。ひとりで行う場合やグループで行うときの流れを、あらかじめ把握しておきましょう。

テーブルで会議をする男女
(c)Shutterstock.com

1:事例を決めて、お題を作る

研修で「ケーススタディ」を行う場合は、既に事例が用意されていますが、自分で行う場合は、事例を作ることから始めましょう。会社で実際に起こった事例や関連書籍に載っている事例、ネット検索で上がってきた事例を参考にすると分かりやすいです。なるべく内容に偏りがないように、幅広い方法で探すといいでしょう。

2:問題点を見つけ、解決方法を考える

事例が決まったら内容をよく読み、どのようなことが問題になっているかを洗い出します。事例の背景にある問題点や、原因について考えてみましょう。そして、問題が起きた理由を思いつく限り紙に書き出し、一番解決すべき問題を明らかにします。問題を決めたら、それに関する解決方法を考えましょう。現実的に解決できそうな手段に絞り込むことが大切です。

3:導き出した結論から学ぶ

解決方法を決めて結論を出したら、他の人と結論を共有します。第三者が見て分かりやすいように、事前に問題点から解決方法、結論までまとめておくと安心です。他のメンバーと実際の事例や問題点を話し合うことで、より多角的な視点が持てるようになり、より良い解決方法を見つけることができますよ。

「ケーススタディ」のメリット

実際の事例を仮定して議論したり、解決方法を導き出す「ケーススタディ」にはどのようなメリットがあるのでしょうか? ここでは主なメリットを3つ紹介します。

会議中、前で説明する女性
(c)Shutterstock.com

1:リスクを回避できる

「ケーススタディ」で、過去の事例をシミュレーションし、原因や問題点について分析することはリスク回避につながります。同じミスを起こさないようにするためにはどうしたらいいかを議論することによって、より良い対策法を実践することができるでしょう。

2:作業や時間を効率化できる

中には、どうしてわざわざ「ケーススタディ」を行う必要があるのか疑問に思う人もいるかもしれません。「ケーススタディ」を行って、同じミスを繰り返すのを防いだり、無駄な作業を省くことは仕事の効率化につながります。無駄な作業や問題に費やしていた時間を、新しい商品開発や人材育成に当てることができるのはメリットですよね。

3:従業員の対応力を上げる

新人研修などで「ケーススタディ」を行うことは、従業員の対応力アップにつながります。いきなり右も左もわからない状態で現場に出ることは、精神的なプレッシャーも大きくなりがち。思わぬミスやチーム全体の作業効率が落ちることも考えられます。

しかし、事前に過去の事例を擬似体験することにより、働くイメージを掴みやすく対応力が身につくのです。どのような事態にも臨機応変に対応できる人材を育てることができることも「ケーススタディ」のメリットでしょう。

最後に

今回は、「ケーススタディ」の意味ややり方、メリットについてみていきました。ビジネスや医療、教育の現場では思いがけない事態が起きることも少なくありません。そんなときに冷静に問題点を分析し、適切な対応をとることは誰にとっても必要な能力と言えますね。「ケーススタディ」を定期的に行い、スキルアップを目指してみてはいかがでしょうか?

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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