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2022.05.17

「リカレント教育」ってどんな意味? 大人の学び直しが今注目されるワケとは

「リカレント教育」とは、社会人になってから、仕事に必要なスキルや知識を学び直すこと。テクノロジーの進化により世の中は目まぐるしく変化し、自身のキャリアパスを見つめ直す時代がきました。本記事では「リカレント教育」が注目される背景や支援制度などについて触れていきます。

「リカレント教育」って何?

「リカレント教育」という言葉を聞いたことはありますか? 社会人になると、勉強をしたくても仕事に追われ勉強時間を確保するのが大変ですよね。しかし、変化の目まぐるしい現代社会において、学校教育で得た知識だけで生きていくことはだんだんと厳しくなっているのが現実です。そこで注目されているのが「リカレント教育」。

政府の支援制度も充実してきており、これから勉強を始めようと思っている人は知っておくとよい情報も! 本記事では「リカレント教育」について深掘りしていきます。

「リカレント教育」の意味

リカレントは英語の“recurrent”からきており、「循環する、再発する」という意味です。元々は、スウェーデンで提唱された「リカレント教育」という言葉ですが、学校教育から離れ社会人になってから、それぞれのタイミングで仕事に必要なスキルや知識を学び直すことを指します。

人によって教育を受ける場はさまざまで、大学や大学院もしくは専門学校に入学したり、オンラインで資格取得の講座を受ける人も。平日は仕事をし、土日や夜間の時間を利用したり、休職や転職の間で通学したりなど、学ぶ時間や期間も人によって違いがあります。

「リカレント教育」を広義に解釈すると独学も含まれますが、限られた時間でできるだけ早く効率的に学ぶには、通学したり講座を受けるのが一般的です。

「リカレント教育」に年齢は関係ない

「リカレント教育」は、学生とは違い年齢の制限は一切ありません。スキルアップやより理想的な働き方を求める人にとっては、学びの必要性は誰しも同じです。意思さえあればいくつになっても始めることができます。

しかし、学生と違う点は、仕事や家庭とうまく両立しなければならないということ。社会人でありながら学ぶ時間を確保するには、その点を工夫する必要があります。

(c)Shutterstock.com

「生涯学習」とはどう違うの?

「生涯学習」という言葉を聞いたことがありますか? 「リカレント教育」とはいったい何が違うのでしょうか?

「生涯学習」とは、「生活の充実や向上、自己啓発のために、生涯を通じて行う学習」のこと。学校教育だけでなく、家庭や社会、スポーツや趣味などあらゆる場や機会が学びの対象となり得ます。

年齢に関係なく学び続けるといった点は「リカレント教育」と通ずるところがありますが、「生涯学習」は、人生を豊かにすることが主な目的です。一方「リカレント教育」は、仕事に活かしたり、働く上での自己成長を目的としたり、学ぶ内容も資格やスキルアップといった仕事に役立つような学習分野が基本となります。

なぜ今「リカレント教育」が注目されるの?

では、なぜ今の時代「リカレント教育」が注目されているのでしょうか。その背景には次のようなことが考えられます。

終身雇用時代の終焉

新卒で入社し同一企業に定年まで勤め続ける、いわゆる日本型の「終身雇用」は過去の話。いまや、2人に1人が転職を経験する時代となり、雇用の流動化が進んでいます。それにより1社における在籍期間が短くなるため、社内教育や実務だけでは十分な知識を習得できないのが実状です。そこで、自分のキャリアプランに合わせ、学びの機会を得る目的で「リカレント教育」が注目されるようになりました。

人生100年時代による定年延長

「人生100年時代」とは、書籍『LIFE SHIFT』の中で著者・リンダ・グラットン教授が提唱した言葉で、今後寿命が100歳前後まで伸びていくにあたり、国や組織、個人がライフコースの見直しを迫られていることを指します。

この長寿時代への突入により、定年年齢を引き上げる法改定も行われ、労働人口の幅が広がる事となりました。そこで個人に求められるのは、勤続年数の長期化に向けた、定年退職後の再就職やさらなるキャリアアップのための新しい知識の習得です。

さらに今後、AIなどのIT普及により雇用形態の変化や一部の職種がなくなることは避けられないと言われており、今ある知識やスキルだけでは通用しなくなってしまう可能性も。こうしたことも「リカレント教育」が注目される要因となっているでしょう。

(c)Shutterstock.com

何を学ぶかは人それぞれ!

「リカレント教育」で何を学ぶかは、その人の仕事やキャリアパスによって様々です。以下のような分野は今後も人気が根強いでしょう。

英語などの外国語

多くの日本企業が海外での事業展開を視野に入れており、世界と対等にビジネスをしていく上では、英語は基本スキルとして人材採用する企業も多いです。また、コロナ禍でインバウンド事業は一時低迷したものの、オンラインでの新たなビジネス形態をとるなど、今後も海外とつながる機会は増えていくため、語学学習人口は増えていくでしょう。

今では、オンラインの英会話スクールも充実しており、スキマ時間を効率的に使え気軽に始めることもできます。

プログラミング

AIやIoT、セキュリティ関連などのIT人材の不足は増加傾向にあり、プログラマーの需要は引き続き高い状況です。企業側の待遇も他の職種に比べ高いのが特徴で、人気な分野となります。また、プログラミングなどのIT関連の職種は、時間や場所に制限されない働き方ができたりすることも多く、自分のライフスタイルに合わせ働けるといった理由で、学び始める人も多くいます。

MBA(経営学修士・経営管理修士)

MBAとは、Master of Business Administrationの略で、大学院における経営全般に関する修士号のことです。経営戦略やマーケティングだけでなく、リーダーシップや人材マネジメントメント、会計知識など、企業経営全般の実務を体系的に学べる点が人気の理由。従来は大学院に通い取得するものでしたが、最近では働きながら学べるような受講コースも選択ができるようになってきました。

(c)Shutterstock.com

「リカレント教育」の支援制度を活用しよう

政府も労働者に対する「リカレント教育」に力を入れており、学びやすい環境を整えるために、キャリア相談や資金支援などに取り組んでいます。

教育訓練給付金

厚生労働大臣が指定する対象講座を修了した場合に、負担した受講費用の20〜70%の支給が受けられる制度です。雇用保険への加入等一定の利用条件はありますが、対象講座はデジタル分野や医療関係、機械の資格や技術習得など、就職や転職に生かせる講座が充実しています。

公的職業訓練(ハロートレーニング)

雇用保険加入者を対象に、希望の職業に就くために必要な知識やスキルなどを無料で習得できる国の支援制度です。テキスト代など一部実費負担はあります。

最後に

終身雇用の時代は終わりを迎え、ライフプランに合わせ自由にキャリア選択できるといった半面、選択肢が広がったことでより自身のキャリア形成を一人一人が考えなければならない時代を迎えました。

テクノロジーの進化や定年延長も考慮すると、今ある知識やスキルだけで働き続けることは事実上難しくなっており、中には学ぶことは避けられないという人もでてくるはず。「リカレント教育」の支援制度も上手に活用しながら、より豊かで充実した人生を送れるようにしたいですね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com


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