なぜ気になってしまうのか
職場や学校などで、周りが自分をどう思っているのか気になったことはありませんか？ 今はストレス過剰の時代。他人のことが気になりすぎてしまい、ストレスから過敏性腸症候群（かびんせいちょうしょうこうぐん）や強迫性障害といった症状が出る人は少なくありません。心理学者のアルフレッド・アドラーによると、人の悩みのほとんどは人間関係によるものだとか。
この記事では、他者のことが気になる人の特徴やそうなる理由、気にしない方法などについて解説します。
まず、なぜ他人のことが気になるのか見ていきましょう。おおむね、次のような要因が考えられます。
1：失敗を恐れる
他人を気にしてしまう人は新しいことや困難な課題に挑戦することに対して、億劫になる傾向があります。それは、失敗した時に周囲からどう見られるだろうかという不安があるからです。慎重さは重要な特性ですが、過度な慎重さもチャンスを逃しかねないので、加減が難しいところ。
2：自分への自信がない
自分に自信がないこともあって、「失敗するのでは」とネガティブな方向に考えてしまいます。何か悪いことがあったら「自分のせいかも」と考えるか、「うまくできない」と落ち込むことも。ミスを犯して他人から批判されるよりは、そうならない道を選ぶことがあります。
3：周囲からの視線が気になる
自信がないので、自分の行為に確信が持てず、他者から悪く思われているのではないかと思ってしまいます。周りの目が気になるので、肝心の仕事などに完全に集中することができず、仕事の生産性や質が下がることも。
他人のことが気になる人の特徴
次に、他人のことが気になる人の主な特徴についても確認しておきましょう。
1：人と比較する傾向がある
相手が気になる人は、人と自分を比べることがあります。負けず嫌いところがあり、他者と比べて自分が優位であることを確認して、安心するわけですね。ただ、比較して相手よりも自分が劣位にあると認識すると、プライドが傷ついたりします。
2：嫉妬心が強い
相手が気になる人は、嫉妬心が強い傾向があります。よく他人と比較するので、相手が成功していたりすると「なぜ、あいつはうまくいっているのか」と嫉妬することがあるわけです。
3：被害妄想がある
相手が気になる人は、被害妄想が激しいことがあります。相手からのちょっとした言動が自分に対する否定的な行為と認識し、ネガティブに考えてしまうように。他者からの言動で自分が傷つくのが怖いので、他人を避けるということもありますね。
他人を気にしない方法について
他人を気にしてばかりではストレスが溜まりますし、精神的にも身体的にもよくありません。いちいち気にしないようにするために、どのような手段があるのでしょうか。いくつか方法を解説します。
1：適度に受け流す
周囲からの目線は「たいしたことがない」と適度に受け流してもいいでしょう。そもそも物理的な攻撃をされない限り、痛くもかゆくもありません。また、露骨に悪口を言われることがなければ、精神的なダメージも少ないもの。
それに、自分が悪いことをしていなくても、他人から自分が嫌われることがあります。自分に非がなくても、悪く思われることはあるものだと認識した上で、常識的にふるまえばいいでしょう。
2：成果を出して、周囲に認められる
「認められたい」と思うのであれば、必死に頑張って成果を出し、周りから認められるというのも解決策です。成功すれば自信もつきますし、他人も成果を出した人間には批判的な態度を向けることもできないでしょう。今やっている仕事が好きなものであるなら、まずこの手段をとるのが現実的かもしれません。
3：転職する
いろいろ手を打ったが、やはり解決できず、苦しいというのであれば転職してもいいでしょう。他にも、フリーランスになる手もあります。最近はリモートワークが普及し、離島や山間部などでフリーランスとして働くことも可能になりました。会社の人間関係が苦手な人は、例えばフリーライターなど一人で完結する仕事が向いているかも。
また、最近ですと社会人になってからも大学・専門学校に入り直し、まったく別の職種で働くためのスキルを身に着ける人もいます。大学で水産について学んでいたが、整体師になるために整体の専門学校に入り直した人。大学院で国文学を専攻していたが、薬剤師になるために薬学部に入学した人。鉄板焼き店の店長だったが、漁師に転身するために素潜り漁を学んだ人。いろいろな道がありますね。
4：生き方を確立し、比較をやめる
自分自身の生き方を確立し、他者との比較をやめるという方法もあります。本を読み、古い名言などからさまざまな価値観を学び、自分自身の生き方を確立するわけです。
私たちは、収入や偏差値、肩書や所属している会社などで「あの人は勝ち組だ」「この人は負け組だ」と判断しようとします。しかし、これらの「勝ち負け」を判断する根拠となるものは、そもそも誰かが作ったものではないでしょうか。
誰かが作った基準に従って、「勝ち負け」に一喜一憂するということ。その時点で「基準を作った人に対して遅れをとっている」、つまり「負けている」と見なせるのではないでしょうか。
自分自身で確立した価値観に基づく生き方ならば、比較する相手がいないので、ある意味「最強（比較しても負ける相手がいない）」と言えます。「成功」か「失敗」かを判定するのも自分というわけですね。
最後に
以上、他者を気にしない方法について見てきました。どうしても他人のことが気になる人は、フリーランスのように会社に勤めず自分一人だけで生きていく術を見つけてもいいでしょう。それではお金を稼げないのであれば、自給自足をするのもありです。
しかし、一番重要なのは比較することはあまり意味がないと認識することではないでしょうか。「成功」の定義とは時代によって変わるものであり、相対的なもの。そう思えば、ある点で他人に劣っていても、あまり気にならなくなるでしょう。
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