「被害者意識」とは?
「あの人に嫌なことをされた!」「私のことが嫌いに違いない!」など、自分の思い込みが強い人に覚えはありませんか? もしかしたら、自分のことのようでドキッとされた人もいらっしゃるかもしれませんね。このような気持ちは、被害者意識かもしれません。
まずは、「被害者意識」の意味についておさらいしましょう。本記事の後半では、被害者意識が強い人の特徴や被害者意識が生まれてしまう原因、そして被害者意識が強い人との関わり方について紹介します。
「被害者意識」の意味
「被害者意識」とは、「実際に被害や悪影響を受けたわけではないのに、被害を受けていると思い込むこと」。自分の主観で相手の気持ちや行動を決めつけてしまう傾向のある人は、「被害者意識が強い」と言われてしまうこともあるでしょう。
ちなみに、「被害者意識」という言葉は、「被害者面」と言い換えることもできます。「づら」という言い方が、より刺々しい印象を与えていますね。
被害者意識が強い人の特徴を紹介
続いては、被害者意識が強い人の特徴について見ていきましょう。自分の良いところや悪いところというのは、案外自分では気がつかない場合も多いです。この機会に、ぜひセルフチェックをしてみてくださいね。
1:人や環境に依存しがち
被害者意識が強い人は、周囲の人や環境に依存しがちになる傾向があります。周りに頼ることが無意識のうちに当たり前になっていることも。そのため、自分が想像していた結末と違う結末になると、「期待を裏切られた!」と思い込んでしまうようです。他力本願で受身な姿勢になりがちとも言えるのではないでしょうか。
2:ネガティブな言葉が多い
ネガティブな言葉や逆接の言葉が多い人は、被害者意識が強い人かもしれないので要注意です。ネガティブな言葉とは、例えば「どうせ」「疲れた」「○○してあげたのに~された」などが挙げられるでしょうか。
一方、逆接とは、「でも」「だけど」「しかし」など、文章と文章の間を結び付ける接続詞のこと。前半の文章と異なる意見の文章を持ってきたい場合などに使われますね。
これらのネガティブな言葉や逆接の言葉を多用する人は、文句や愚痴が多くなりがち。つまり、自分が被害を被った、迷惑しているという意識が、言葉として表れていると言えるのではないでしょうか。
3:感情的になりやすい
被害者意識が強い人は、感情的になりやすい人が多いです。それは、主観的なものの見方が癖になっているからかもしれません。主語が「私は」や「私が」ばかりになっていませんか? よく「人の気持ちを考えて行動しましょう」と言われますが、それは自分を客観視して、冷静に捉えるためにも必要なことなのかもしれませんね。
被害者意識が生まれてしまう原因とは?
被害者意識が強い人の特徴は、理解できたでしょうか。次は、そもそもなぜ被害者意識が生まれてしまうのかについて考えてみましょう。原因が明らかになることで、被害者意識が強い人への対処もしやすくなりますし、自分が被害者意識に支配されないようにコントロールするための手がかりになるかもしれません。
1:自分を守るため
被害者意識が、自分を守るための手段になっている場合があります。自分が被害者だと思い込むことで、「私は悪くない」と責任逃れをしたいという心理が働いているのかもしれません。
だからこそ、言い訳をしたり文句を言ったりして、自分が被害者であることをアピールしてしまうのです。
2:プライドが高い
プライドが高い人は、自分の失敗や過ちを認めることに抵抗感を抱く人が多いです。うまくいかなかったのは、自分のせいではなく周りのせいだと主張することで、自分の地位が脅かされないようにしたい気持ちが働いているのではないでしょうか。
3:トラウマがある
過去の出来事も、被害者意識に影響を及ぼす場合があります。誰かに裏切られたり、自分に非がない場面で他人から責任を押し付けられたりした経験がある人は、似たような場面に陥ると、トラウマによって防衛本能が働いてしまっているのかもしれません。二度と同じような思いをしたくないという強い気持ちから、被害者意識が強まっていると考えられます。
被害者意識が強い人とどう関わればいい? 付き合い方を解説
ここまでは、被害者意識が強い人の特徴と原因について触れてきました。被害者意識の強い人は、自分が被害者であることを伝えたいあまりに、他人への配慮に欠けることが多いです。そのため、人間関係においてはしばしばトラブルに発展してしまうことも少なくありません。
そこで、最後に被害者意識が強い人との付き合い方について紹介します。
1:話の聞き役にまわる
被害者意識が強い人とのトラブルに巻き込まれると、身に覚えのないことで自分が加害者にされてしまうことも考えられます。そのため、積極的に意見を主張したり、話し手にまわったりすることは控えたほうが良いかもしれません。聞き役になり、適度な相槌を打ち、相手の話したい気持ちを満たしてあげましょう。揚げ足を取られないためにも、聞き手に専念するほうが良さそうです。
2:相手の共感を得る
被害者意識が強い相手に対しては、「私もあなたの仲間だよ」というように理解を示してあげましょう。相手の反感を買うと、敵だと認識され、加害者にされてしまうこともあります。そうならないように、相手の共感を得られるような話し方を意識してみてください。
3:論理的に説明できる根拠を用意しておく
もし、被害者意識が強い人との間でトラブルになった場合は、論理的に説明できる根拠を予め用意しておくと安心です。被害者意識が強い人は、主観で判断し、感情的になりがち。そのため、根拠を持って弁明できると周りの人も信頼してくれるでしょう。
最後に
本記事では、「被害者意識」のあれこれについて、くわしく紹介しました。被害者意識の強い相手も、悪気があるわけではない場合が多いです。被害者意識が強い人の特徴や原因をしっかり押さえたうえで、良好な人間関係を築いていきたいですね。
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