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2023.02.12

「広く浅く」あることは重要? そのメリットや根拠について解説

よく人間関係や趣味などについて「広く浅く」と言われることがあります。今までは「狭く深く」の考えで社会経済が発展、非常に専門化・高度化しました。しかし、今後はより良く生きるために「広く浅く」あることが重要になるかもしれません。この記事では、その根拠について解説します。

人間関係が広く浅く

よく人間関係や趣味などについて「広く浅く」と言われることってありますよね。物事について広く浅くいると、どのようなメリットがあるのでしょうか? この記事では、さまざまな方面における「広く浅く」について見ていきます。

まずは人間関係における「広く浅く」について。今の時代は、人間関係が強すぎたり、弱すぎたりする傾向があります。

学校ですぐに友達のチャットに返信しなければならないとか、会社で他人と頻繁にコミュニケーションをとることが求められるとか、強い結びつきを要求される場がありますよね。その一方で、家族と何年も連絡を取っていないとか、連絡を取り合う友人がいないとか、全く人とのつながりがない人も少なくありません。

パソコンのキーボードを打ち込む女性の手
(c)Shutterstock.com

そこで、広く浅く人と付き合うことが重要になるのではないでしょうか。たまに連絡を取り合うくらいの緩いつながりですので、「仲良くしなければならない」と強く思う必要はありません。職場ですと、人間関係に利害関係などが絡むかもしれませんが、それもないのです。かといって孤立しているわけでもない。中庸なわけです。

また、広く浅く人と付き合うということは、組織論の観点からも社会的な意義があるとされています。

米国の社会学者マーク・グラノヴェッターによると、新しく重要性の高い情報は、身近な家族や友人、職場の仲間といった社会的なつながりが強い人よりも、知り合いの知り合い、ちょっとした知り合いなど社会的なつながりが弱い人からもたらされる可能性が高いとか。これは「弱い紐帯(ちゅうたい)の強み」の理論と呼ばれています。

なぜそうなるのでしょうか。例えば、同じ業界人同士など強いつながりを持つ人たちは、同じような仕事をして、同じような情報ルートを持ち、同じような考え方を持つ場合が多いですよね。そのため、他の人が知っていることは自分も知っていることが多くなるのです。

一方、自分とのつながりが弱い相手は、異なる仕事をして、異なる情報ルートを持ち、異なる考え方をしているケースが多いので、自分が持つ知識とは異なる情報を持っている場合が多いと考えられます。

そして、自分が想像もしなかった知識が交換される中で新しい発見やイノベーションにつながる確率が高まるということですね。関係が密接過ぎないからこそ、利害関係もないので、スムーズに情報交換もしやすいという点も重要かもしれません。

知識が広く浅く

芸術・スポーツ・料理・思想・生き物など、互いに関係がなさそうな分野について広く浅く知識を持つことは、多様なものの見方を形成することに役立ちます。また、それらを結び付けて新しい発見につながるかもしれません。

机上に開いて置かれた本
(c)Shutterstock.com

それには、自分が面白いと思って集めた知識をどのように組み合わせて、どのような順番に並び替えるということが重要になります。文字の並び替えに似ていますね。「い」「け」「と」という文字を並び替えることで、「とけい(時計)」や「けいと(毛糸)」という全く異なるものを表現できます。

他の事例として、『千一夜物語』などは短編の物語を組み合わせることで一つの作品として成立していますが、それぞれの物語が単一の場合と比べて、異なる様相を持っていますよね。あるものが組み合わせによって、ある全体の一部になった時、異なる性質を帯びるといったところでしょうか。英文学者の外山滋比古(とやま・しげひこ)は、これを「知のエディターシップ」と呼んでいます。

日常生活が広く浅く、そして広く深くへ

今の時代は、さまざまな分野において非常に専門化、高度化が進んでいます。それは、各人が自分の本業へ取り組み専念することで、専門分野における知識や経験値を高め、より効率的に社会経済が発展するという体制がとられてきたからです。

つまり、「広く浅く」よりも「狭く深く」ということです。今日におけるさまざまな技術革新や産業の発展は、このことを抜きにして語ることは難しいでしょう。

しかし、発展したこと自体は社会に多くの公益をもたらしたのですが、結果として自分の専門分野以外のことは、全くのブラックボックス状態になってしまっていることも少なくありません。

例えば、スマートフォンや車が、どのような仕組みで動いているのか? スーパーやコンビニで購入する商品がどのような手順で作られているのか、日常生活に関わることであっても、その中身について殆どの人が理解してはいないでしょう。でも、知らないからといって日常生活において、特段支障があるわけではありません。お金さえあれば、大抵の物は入手することのできる世の中ですから、何の不便もないわけです。

しかし、未来永劫そうした世の中が続くのかというと、決してそうとは言い切れぬところがあります。2020年以降、世界情勢は不安定な状況が続いております。日本国内においても物価の高騰、広がる所得格差、進む少子高齢化等など、将来への不安は大きくなるばかりです。

そうした「不安」を小さくするためには、現在の職業能力を高めつつ、新たな技能習得や資格取得に取り組むことが大切になってきています。また、混沌とした将来に備えるなら、視野と知識は「広く浅く」を保ちながら、専門的技能については「広く深く」を意識し、日々努力することが求められる社会へと向かっているのではないでしょうか。

大自然の中にある橋
(c)Shutterstock.com

最後に

以上、いろいろな方面における「広く浅く」について見てきました。今の時代はさまざまな要素が複雑に作用して社会が動いています。そのため、全体像を把握するのが難しくなっているわけです。そこで、人間関係においても、知識においても、日常生活においても「広く浅く」そして、広く深くしていくことで、物事を俯瞰しうまく対応できるようになるのではないでしょうか。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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