「うるさい」ってよく使うけれど…
「うるさい」という言葉は、日常生活においてよく耳にしますよね。ヘッドフォンで音楽を聴こうとして、何かの拍子にボリュームが上がり「うるさい!」と反射的に声が出てしまった経験のある人は少なくないのでないでしょうか。
しかし、日常に馴染んでいるからこそ「うるさい」という言葉そのものに意識を向けることは案外少ないかもしれません。
例えば、うるさいを漢字で書けますか? うるさいという言葉には2通りの漢字があります。本記事では、うるさいの意味をおさらいし、漢字やその成り立ちについても見ていきましょう。また、類語表現やうるさい人への対処法についても紹介します。
「うるさい」の意味
「うるさい」とは、一般的に「物音が大きくて不快であること」という意味で使われることが多いです。しかし、場合によって実はニュアンスが異なります。
「主張や注文、細かい指摘が多く、わずらわしく感じられること」「ものが沢山ありすぎて不愉快なさま」「いやになるほど優れていること」「技芸がすぐれているさま」などの意味があり、文脈によって判断しなければなりません。
また、方言や古語によっても意味が異なってくるので、実はとてもややこしい言葉です。
「うるさい」の漢字
うるさいには、2通りの漢字があります。ひとつは、「煩い」。そしてもうひとつは、「五月蠅い」です。
「煩い」の「煩」は、音読みで「はん」と読みます。「煩わしい(わずらわしい)」と言ったりもしますね。「いとわしいこと」という意味がある一方で、「品格や技巧が優れていること」という意味も持っています。一般的に、「煩い」は、「わずらわしい」というニュアンスが含まれるときに使われることが多いようです。
「五月蠅い」は、「五月」に「蠅(はえ)」と書いて「うるさい」と読みますが、なぜこのような漢字が当てられたのでしょうか。
うるさいはなぜ「五月蠅い」と書くの?
ここでは、「五月蠅い」の由来について紹介します。「五月」に「蠅」と書いて五月蠅い。5月という季節とハエという虫が、やはりポイントのようです。日本の旧暦では、5月は梅雨の時期にあたります。そして、ジメジメとした季節はハエが好む季節なのだとか。
家で静かに過ごす時間が増える時期に、ハエがぶんぶんと飛び回っていたらわずらわしく感じられてしまいますよね。そのような様子から、うるさいには五月蠅いという漢字があてられたと言われています。
「うるさい」の類語表現とは?
「煩い」と「五月蠅い」についてそれぞれ違いは掴めましたか? 「五月蠅い」はいざというときに漢字で書けると恰好いいですよね。
さて、続いては「うるさい」の類語表現について見ていきましょう。
1:騒々しい
騒々しいは、「そうぞうしい」と読みます。「騒々しい」とは、「声や音が雑然としており、耳にうるさく感じられるさま」のことです。周囲のことを、より客観的に形容した表現と言えるでしょう。また、「情勢や世の中が不安定で落ち着いていないさま」をさすこともあります。
2:かまびすしい
「かまびすしい」もうるさいと同じように「音が大きく不快であるさま」を表します。どちらかというと、物音よりも人や動物の声に対して使われることが多いようです。また、比較的高い音に対して用いられる傾向にあるのも特徴と言えるでしょう。ちなみに、漢字では「喧しい」と書きますよ。
3:騒然
騒然は、「そうぜん」と読みます。「ざわざわとしていて騒がしいさま」や「不穏で落ち着かないさま」を表現する際に使える熟語です。「あまりに突然の出来事に、周りが騒然とした」などと使われます。
うるさい人にはどう対処したら良いの?
職場にいたら関わり方に困る人の代表例が、うるさい人ではないでしょうか。うるさい人は、場をわきまえずに大声で話したり、人のすることなすことに逐一口出しをしてきたりするため、なにかと対応に困ります。
そこで、うるさい人への対処法について一緒に考えていきましょう。
1:イヤフォンやヘッドフォンを使う
イヤフォンやヘッドフォンを使って、外界の音ごとシャットアウトしてしまうという方法があります。「何か聞いてるんだな」ということが外見から分かるので、そもそも話しかけられにくくなるのではないでしょうか。
しかし、職場や仕事中にはイヤフォンやヘッドフォンを使えないことが多く、難点もあります。
2:絡まれるまえに他の人に話しかける
うるさい人に話しかけられそうになったら、その前に他の人に話しかけて避けるのも一つの方法でしょう。ただし、相手も作業をしていたり話しかけられたくない場合もありますので、臨機応変な対応が必要になります。他の人に話しかけられない状態なら、電話をかけるフリをするのがおすすめです。
3:耐えられないときは、丁寧に伝える
音は防ぎたくても防げないもの。どうしても騒音が気になるようなら、騒音のもととなっている人に伝えましょう。その際には、攻撃的な口調にならないように意識してください。相手を刺激して、改善されるどころか悪化してしまうなんてことも考えられます。
4:人を仲介して伝えてもらう
直接言うことに抵抗がある人は、人を仲介して伝えてもらいましょう。例えば、会社内のうるさい人に注意してもらうために上司へ相談したり、賃貸に住むうるさい人が気になるようなら管理会社に連絡してみたりなど、人を仲介すると伝えやすいのではないでしょうか。
最後に
本記事では、うるさいの意味や漢字とその由来、類語表現について解説しました。その他に、うるさい人への対処法についても紹介しています。うるさい人に困っている人もいらっしゃるかもしれませんが、自分がうっかりうるさい人になっている場合も。周囲と良好な関係を築くために、今一度自分の言動を振り返ってみても良いかもしれませんね。
TOP画像/(c)Shutterstock.com