会社が成長するために重要な上司と部下の関係
大半の会社には、上司と部下という役割があり、縦社会の構図で成り立っています。いい上司に恵まれ、部下が働きやすい環境であれば、その会社は大きく成長することでしょう。ですが、上司が厳しすぎて部下のやる気を欠いたり、あるいは部下を育てようとしない怠慢上司がいたらどうでしょうか…。このような状態が続けば、部下がついてこなくなり社員の退職に繋がりかねません。
若手の社員がやる気に満ち、活躍できる環境作りは、上司の手にかかっているのかもしれません。本記事では、上司と部下のそれぞれの役割や、適切な部下の育て方、また良い上司と悪い上司の特徴について解説します。
上司と部下の役割
上司には、自分の配下にある組織全体の業績に責任を持ち、その中の予算や人事において決定権があります。その下につく部下は、上司から割り当てられた業務を、責任を持って遂行するという役割です。これが上司と部下の関係になります。
組織の意思決定権はもちろん上司が持ちますが、あくまでも決定権を持つ役割を与えられているから。偉いからといって、個人的な意見だけが反映されているわけでは決してありません。ですので、上司は組織の正しい方向性を示すという意味で、重たい責任があります。
また、部下を育てるという重要な仕事も、上司の役割。部下の業務遂行を上手にサポートするのも、上司の大切な役割です。
良い上司・悪い上司の特徴
これまでの業績や人事評価から、ある程度会社から認められている人が、上司という役割を担っていることがほとんど。しかし、中には、部下から見てあまり評判の良くない上司も一部いることでしょう。良い上司と悪い上司の特徴を解説します。
良い上司の特徴1:部下の成長に意欲的
良い上司は、部下の成長が、結果として自分自身や会社の成長につながることを理解しています。部下の得意なこと・不得意なことをしっかりと見抜き、適材適所で部下が活躍できる役割を与えられる上司がいると、組織全体として大きく成長できるでしょう。
部下の得意・不得意を把握するためには、日頃から上司と部下の間でいい関係を築き、よくコミュニケーションをとることが大切です。そういった心がけから信頼関係が生まれ、お互いが仕事がしやすい環境作りができるでしょう。
良い上司の特徴2:結果だけでなく、プロセスもきちんと評価する
ビジネスにおいて、結果を出すということは第一目標となります。そうでなければ、会社は成長できません。しかし、結果を過度に重視しすぎて、目標に到達しなかった部下に容赦なくマイナス点を付ける、そのような上司に対して、部下はどう感じるでしょうか。もちろん結果は重要ですが、そこまでのプロセスもきちんと評価対象に入れることが、部下個人の今後のモチベーションにもつながっていきます。
部下一人一人のやる気が向上すれば、チーム全体として活気があふれてくることでしょう。
悪い上司の特徴1:部下を見下す上司
失敗した部下を蔑み、さらに責任を押し付けたりする上司は、良い上司とはいえません。ましてや、部下個人の人間的な部分を否定したり、見下したりする行為はもってのほか。当事者だけでなく、周囲の社員をも不快な気持ちにさせ、働きやすい環境とはかけ離れています。
部下のやる気を損なうことは、組織や会社全体の利益損失にもつながってしまいます。いくら役位が高いからといって、威張り散らすような人は今の時代において、上司に不向きな人材といえるかもしれません。
悪い上司の特徴2:部下の意見を聞き入れない
部下が意見しようとすると、それをぴしゃりと遮り自分の話を始める上司… いませんか? 良い上司は、部下の意見もきちんと最後まで聞き入れつつ、統括者として総合的に判断します。若手社員の意見も、時に斬新なアイデアを生み出す可能性のある重要なものです。会社が成長するためにも、年次に関係なく常に新しい発想というものは取り入れてもいいでしょう。
部下を上手に育てる上司がとるべき行動とは
上司と部下の関係次第で、仕事の生産性やモチベーション、また会社に対する社員の信頼は大きく影響されます。上司と部下の理想の関係は、お互いが信頼をしていて、高い目標に向かって一緒に進んでいけることではないでしょうか。
そのために上司がとるべき行動の一つは、部下との質の高いコミュニケーション。上司のことをどこかで信用していない、どうせ聞いてくれないと部下が感じているようでは、お互いの信頼関係は深まりません。まさに、上司の「聞く力」がここで求められるのです。
部下の悩みや現場で起きている課題を、日頃から上司へ伝えやすい風通しのいい環境であれば、早急に問題解決ができます。そして、会社にとってもリスクが小さくなります。
部下と上手にコミュニケーションを取るには、最後まで意見を聞いてあげ、部下の抱えている不安や課題を明確にし、それを解決するための具体的な策を提案してあげること。そういった行動を上司がとることで、部下の信頼を徐々に得ることができるでしょう。
最後に
良い上司とは、部下が活躍できる場やチャレンジできる環境を作ってあげられる人です。部下の得意・不得意を把握し、それぞれに合った役割を与え、その達成に向けて軌道修正しながらうまくコントロールする能力が求められます。
そのためには日頃から密なコミュニケーションが大切。また、すべてに対し口を出すのではなく、ある程度部下を信頼し任せることも重要です。そうでなければ、言われたことの範囲でしか行動できずに、成長は期待できません。また、部下の仕事に対するモチベーションもあがらないでしょう。
上司と部下、お互いの強い信頼関係ができれば会社全体にとっても大きな利益に繋がっていくはずです。
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