ダメ出しってどんな意味?由来は演劇!
ダメ出しとは、弱点や欠点を指摘することです。本来は演劇用語で「駄目を出す」でした。これは俳優に対して演技上の注意をすること指した言葉。それが名詞化されて広まったのが「ダメ出し」です。
今ではパフォーマンス業界にとどまらず、ビジネスや日常生活など幅広い分野で使われていますよね。
ダメ出しの言い換え表現
ダメ出しの言い換え表現には「指摘」「修正」などが挙げられます。ダメ出しとはあくまでも欠点を提示し、改善することを目的としたもの。相手を非難したり、おとしめたりするという意図は含まれません。そのため指摘や修正など、不十分なところを改め直すというようなニュアンスの言葉が、言い換えに使うときに適切でしょう。
反対に「けちを付ける」「難癖をつける」「こき下ろす」などは一見類語のように思えますが、これらは全て欠点を取り上げて悪く言うという意味で使います。「難癖をつける」「けちを付ける」は欠点を取り上げて非難すること。「こき下ろす」というのは、欠点を指摘してひどく悪く言う様を表します。どれも悪意的な意図が込められており、ダメ出しとは少し異なったニュアンスが含まれることがわかりますね。
ダメ出しばかりする上司との付き合い方
職場で毎日ダメ出しをされる…。そんな日々が続くと、メンタルも折れてしまいますよね。新しい職場で働き始めてまだ慣れないうちは、ダメ出しをされることも多々あるはず。ここでは、ダメ出しをする上司との付き合い方を紹介していきます。
前向きに捉える
ダメ出しをされて嫌な気持ちになるのは、ネガティブな捉え方をしているから。「こんなにダメ出しされるくらい、私は期待されているんだ」と前向きに捉えてみては? 上司はきっとあなたの可能性を信じて、アドバイスをしてくれている。自分の捉え方次第で、ダメ出しをされた時のメンタルコントロールも可能になるかもしれません。
自己反省してみる
「どうして、私だけこんなに言われなくちゃいけないの?」って思ったことはありませんか? ダメ出しされ続けると、「当てつけで言われているのかな?」という気分にもなってしまいますよね。そんな時は、自分でもダメ出しされた部分を振り返ってみましょう。自分自身で「不十分だったな」と思えることができれば、そのダメ出しにも納得がいくはず。
それでも納得いかない場合は、もう一度上司に何がいけなかったのか、尋ねてみると良いでしょう。ダメ出しされても落ち込まないようにするコツは、指摘された部分に対して、自分自身で納得できるポイントを見つけることです。
周りに相談する
どうしてもメンタルブレイクしてしまった場合には、友人や他の先輩に相談してみましょう。誰でもダメ出しをされた経験は持っているはず。話を聞いて共感してくれたり、何かアドバイスをしてくれることもあるかもしれません。
また、他の人に話を聞いてもらえるだけで、だいぶ気持ちが明るくなります。我慢しすぎず、早めに相談にのってもらう方が良さそうです。
返事を明るくしてみる
ダメ出しをされた際に暗い返事をしてしまうと、自然と自分自身の気分まで暗くなってしまいますよね。もちろん、ダメ出しをされている時の態度はその場に合わせてわきまえるべきですが、せめて返事を明るくすることを意識するといいかも。「承知いたしました。ご指摘いただきありがとうございます!」と「ダメ出してもらえてありがたい」くらいの態度で臨んでみては? そうすることで、自分の嫌な気持ちも軽減することができそうですし、相手も「迷ったけれど、緊張したけれど、言ってよかった」と感じてもらえそうです。
自分自身のハードルを上げすぎない
ダメ出しされて落ち込むのは、あなたが自信を持って仕事をやっていた証拠。ですが、完璧主義になってはいませんか? 慣れない仕事でミスがあったり、不十分な仕上がりだったりするのは仕方のないこと。「ダメ出しされて当然だ」というマインドをあらかじめ持っておくと良さそうです。
「むしろたくさんアドバイスをもらえてラッキー」くらいに考えても良いかも。ダメ出しされて落ち込まないためには、自分自身のハードルを上げすぎないことも大切です。
ダメ出しをする時に気をつけたい5つのこと
ここまでは、ダメ出しをされる側の視点に立って、話を進めてきました。次は、こちらがダメ出しをする際に気をつけるべきことについて取り上げます。皆さんも今後、部下に対してダメ出しをする機会があるはず。お互い嫌な気持ちにならない上下関係を築くために、以下のことを心がけてみてくださいね。
ネガティブな言葉をできるだけ使わない
ダメ出しをする際には、どうしても言葉遣いがネガティブになってしまいがち。「何でこうしないの?」「こんなやり方では無理でしょう」などのフレーズは、相手のモチベーションを下げてしまうことに。
「こうしてもらえると助かる」「こんな感じでお願いできないかな?」などという言い回しに変えてみるだけで、相手の気持ちや次のアクションは変わってきますよ。
感情的にならない
感情的に指摘してしまうと、説得力も信頼も失ってしまうことも。ダメ出しをする時は、常に冷静な態度を保ちましょう。声のトーンや雰囲気によって相手の感じ方も変わってきます。まずは、こちらが余裕を持って部下と接することが大切ですね。
具体的な指摘をする
ただ単に「これじゃだめ」「こんなのは受け取れない」と酷評してしまうのではなく、何が不十分でどう改善して欲しいのかを伝えることが肝要。具体的にダメ出しをすることで修正にかかる時間を省くことができ、効率的に仕事を進めることができます。
欠点だけを取り上げない
ダメ出しをする際に相手の気分を害さないようにするためには、褒める部分も取り入れることが大切です。「この発想はとても良かったよ。ただしこの部分は、もう少しわかりやすくまとめてくれるかな?」というように、良い部分と悪い部分をどちらも伝えてあげることで、相手のモチベーションを下げすぎず、改善への指摘をすることができます。
解決策も提示する
ただこちらが一方的に評価するのではなく、一緒に考える姿勢を示すことが大切です。まだ仕事に慣れていない部下からすると、一緒に解決策を考えてくれる上司はとても心強いはず。相手の意欲を高めるだけでなく、個人としての信頼や人望も得ることができるでしょう。
最後に
ダメ出しをされた時に重要なのは、自分自身の捉え方です。ダメ出し=悪いという考え方はやめて、自分を成長させるアドバイス、改善のチャンスだと考えてみるのがよさそうです。
また、こちらがダメ出しをする際には相手の気持ちを考えて指摘することが大切。ビジネスを円滑に進めるためには、人間関係を良好に維持することも忘れてはいけませんね。
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