アラサー女性と話をしていて気が付くことは、仕事での失敗をいつまでも引きずること。ずっと優等生で生きてきたほどこの傾向が強い。「できなかったのは努力が足りないから」と必要以上に自分を責めている人が目立ちます。
確かに、仕事でミスすると、プライドが傷つき、会社での居場所がなくなったようにも感じることもあります。転職を繰り返しているある36歳のPR会社の女性は、「仕事でミスした自分が許せなくなると、引責辞職の形で会社を辞めてしまいます」と語っていました。
この話をある社員60人規模のIT企業のトップ経営者(43歳)にしたところ「ミスしたり、うまくいかないのは努力不足だと思うのはうぬぼれだね。この世の中はめぐり合わせ。天の采配だよ。ダメなときはなにやってもダメだしミスするときはする。そういう時は人に甘えたり頼ったりしなくちゃ。結局生き残れるのは、甘え上手で、頼り上手(笑)」と言っていました。
そんな彼も20~30代にかけてはミスや失敗をするたびに、自己嫌悪になっていたとか。しかし、悩み過ぎてうつになってからは、ミスに悩むのは人生の浪費と実感。短時間で立ち上がる方法を編み出し、実践しているとのこと。その中から誰にでもできる方法を厳選して紹介します。
1分程度、トイレで泣く
落ち込んでいる=感情が渦巻いている状態。これをスッキリさせるには、ペットが死んだことや感動した場面を思い出すなどして、ムリにでも涙を流すことが有効。涙を流すことで、頭の情報整理がしやすくなるそうです。
6秒かけて息を吸い、口から一気に吐き出す
「うわっ、ヤバいことした。自分が恥ずかしい」という失敗をしたときに気持ちを切り替えるには深呼吸が有効。ポイントは6秒かけて鼻から息を大きく吸って吐くこと。なぜ6秒かというと、怒りや自分を責めるなど、人のマイナスの感情の持続時間が6秒と言われているから。これは相手に対する激しい怒りを覚えた時にも有効。加えて簡単なスクワットを3回くらいすると、失敗を忘れて、気持ちが前に向かうそうです。
「命までは取られない。失敗で人は死なない」と3回小さな声で復唱する
心の中で思うだけではなく、小声でいいので口に出して3回唱えると効果ができよう。目標は口に出すと叶うと言われるが、失敗のリカバーも声に出して唱えると知らぬ間に立ち直っていることが多い。
上記とは逆にやってはいけないこともある。
失敗をした日に早退したり、翌日会社を休んでしまうことは厳禁
失敗の翌日は、出勤しづらいけれど、翌日に顔を出さないと今後、出勤しづらくなったり、結果的に自分が辛くなることが多い。休むことは大切ですが、会社に一度顔を出してから考えてみても遅くないと思いますよ。
初出:しごとなでしこ
ライター 前川晶紀
1977年東京都生まれ。女性のマネープラン、投資などの企画を手掛ける。現在、銀行系の雑誌に連載を持つなど、多角的に活動。
企業経営者のインタビューなどを多く担当している。