手元供養とは?
手元供養とは、家族や親せき、親友などの近しい人が亡くなった際に、故人の遺骨の一部をペンダントなどのジュエリーやミニサイズの骨壺に収納し、身に着けたり、自宅に置いておいたりすることで、故人を身近に感じ、日々の暮らしの中で故人を思い出し、しのぶことをいいます。
手元供養品には遺骨の一部や遺灰の他にも、遺髪や想い出の品の一部を収納することもあります。
「供養」といっても宗教的な儀式とは異なるため、特にマナーやしきたりはありません。大切な人との絆を常に感じていたい、まだ離れがたいという気持ちや、仏壇のある実家やお墓が遠方の場合、頻繁にお参りに行けないという思いから行われる方が多くいます。
手元供養の商品の種類
〈ツイスト、オープンハート、クレッセント〉
手元供養品には、さまざまな種類があります。例えば当社には、遺骨や遺灰、想い出の品の一部を収納し供養できる「ソウルシリーズ」があり、ペンダント、リング、ブレスレット、ブローチといったアクセサリー類の「ソウルジュエリー」を用意しています。
一般的なジュエリーは、その日の服装やTPOに合わせて選ばれる傾向にあると思いますが、ソウルジュエリーは「常に身に着ける」ため、カジュアルからフォーマルまで、どのような場面や服装にも合わせられるシンプルなデザインが選ばれる傾向にあるようです。
〈ソウルプチポットとソウルステージ〉
手元供養品にはほかにも、遺骨や遺灰、想い出の品を収納する、小さな容器の「ソウルプチポット」、ソウルプチポットとお花や写真を一緒に設置できる「ソウルステージ」もあります。
手元供養のジュエリーについて
手元供養のジュエリーは、どのような方法で遺骨を収納するのか、遺骨をどのタイミングで用意するのかなど、気になることでしょう。一般的な流れをご紹介します。
◆遺骨を収納する方法
当社の「ソウルジュエリー」の場合、インナーポケットに遺骨の一部を納めネジ式の蓋を閉める造りになっており、遺骨を納めるためのピンセットや専用ドライバーなどキット一式を付属しています。ピンセットでインナーポケットに米粒程度の大きさの遺骨ひとかけら入れ、ドライバーでねじをしめます。
「ソウルプチポット」の場合は、本体の大きさにもよりますが、ジュエリーより多くの遺骨を収納することができます。
◆遺骨の準備時期
手元供養品に収納する遺骨は、お墓に納骨する前に少し取り分けます。一般的に、納骨は「四十九日法要」や「一周忌」にあわせて行うことが多いです。
当社が手元供養商品の購入者様へ行ったアンケート調査結果では、「葬儀後から1ヶ月程度の期間に購入を決めた」という方が最も多く約3割、次いで「亡くなってから葬儀までの間」という方が2割程度です。このように「お墓への納骨前に購入したい」という方が大半です。お墓に納骨した後で再度遺骨を取り出すには、お墓の管理者や石材店に依頼する必要がありますが、希望があればご相談してみるとよいでしょう。
また、最近は生前から手元供養商品を準備される方もいらっしゃいます。
手元供養を行う上で、何か手続きは必要?
遺骨を分ける際、「分骨証明書が必要なのでは?」というお問合せをいただくことがあります。
分骨証明書とは、分骨したご遺骨をお墓に納骨する場合に、誰の遺骨かを証明するために必要な書類です。遺骨を自宅に置いておく場合は必要ありません。
もし、手元供養でジュエリーなどに納めた遺骨を将来、どこかのお墓に納骨する可能性がある場合は、火葬の際にあらかじめ分骨証明書をもらっておくと安心です。
手元供養のジュエリーやミニ骨壷の扱い方と注意点
ジュエリーは、お守りのように毎日に身に着ける方や、特別な日にだけ身に着けて普段は自宅に飾っている、という方もいます。外出の際は落下や紛失に特に注意して頂き、貴金属の変質を防ぐため、入浴時や汗をかくスポーツなどをされる際は外してください。ペンダントの場合、チェーンは消耗品の為、劣化が見られる場合は交換することをおすすめしています。ひときわ大切なジュエリーですから、丁寧に扱いましょう。
ミニ骨壺は、仏壇に置いたり、自宅のリビングルームなど、家族みなさんが集まり、いつもにぎやかに過ごす場所に置くと良いでしょう。そうすることで日頃から故人といつも一緒にいることができる手元供養ならではの供養ができることでしょう。
最後に
手元供養は、近年増えてきている故人をしのぶ方法の一つです。宗教的な儀礼ではないので自身や家族のお気持ちに合わせて、マナーやしきたり、慣習にとらわれずに行うことができます。様々な種類の商品がありますので、興味のある方は生前から準備しておいてもよいでしょう。
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メモリアルアートの大野屋 終活・仏事アドバイザー 川島敦郎
1956年東京都出身。大学卒業後ブライダル会社に勤務。企画やプランナー育成に携わり、業界資格の試験官も務めたエキスパート。ブライダルの世界から2005年にメモリアルアートの大野屋に入社。葬儀ディレクター、生前相談アドバイザー、セミナー講師としても活躍し、現在「大野屋テレホンセンター」で仏事アドバイザーとして年間5000件以上の相談に答える。
大野屋テレホンセンター著「もう悩まない! 葬儀仏事お墓ズバリ! 解決アンサー」(二見書房)、監修「小さな葬儀とお墓選び・墓じまい」(自由国民社)
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