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2022.10.24

知っておきたい「女性管理職」の比率。向いている人やメリットも解説

ILOの2019年の統計で、約12%に留まると言われている日本の「女性管理職」比率。世界全体の平均を大きく下回っているという話を、どこかで耳にしたことがあるかもしれませんね。この記事では、「女性管理職」の比率、「女性管理職」に向いている人や、メリットを解説していきます。

最近、「女性管理職」について耳にする機会が増えてきていませんか? 会社の会議や、ニュースなどで聞いたことがあるという方も、いらっしゃるかもしれませんね。

そこで、この記事では、「女性管理職」の比率、向いている人や、「女性管理職」を増やすメリットを解説します。世界的に話題のテーマですので、おさえておくと安心のトピックですね。

「女性管理職」の比率は?

日本の現在の「女性管理職」比率は、どのくらいなのでしょうか? なんとなく少ないイメージはあるものの、具体的な数字を聞かれると、ピンとこないという方も、いらっしゃるかもしれませんね。

まずは、ILO(国際労働機関)のデータから見ていきましょう。

ILOが発表している2019年の推計値によれば、日本の「女性管理職」の比率は、約12%となっています。ちなみに世界全体の平均は、27%ですので、世界の中でも低い比率と言えるでしょう。

デスクワークする女性の前に世界の国旗
(c)Shutterstock.com

また、管理職と言っても、係長、部長など、様々な階級がありますよね。日本で、「女性管理職」が最も多いのは、どの階級なのでしょうか? 厚生労働省の統計も、合わせて見ていきましょう。

「女性管理職」の階級別割合

・部長相当職:7.8%
・課長相当職:10.7%
・係長相当職:18.8%

※厚生労働省「令和3年度雇用均等基本調査結果を公表します」より引用

「女性管理職」のうち、最も多い階級は、係長のようです。部長相当職となると、その比率は一桁台。日本の「女性管理職」の割合は、かなり伸び悩んでいると言わざるを得ないでしょう。

「女性管理職」が少ない理由は?

ILOのデータによれば、管理職に占める割合は、どこの国でも、男性が上回っています。しかし、日本の「女性管理職」の割合は、世界平均の半分以下。

国際比較でみると、より日本の現状が浮き彫りになりますよね。

では、なぜ日本は、「女性管理職」がこれほどまでに少ないのでしょうか? その理由としては諸説ありますが、いくつか大きな要因を見ていきましょう。

1:女性の家事、育児時間の長さ

「女性管理職」の割合が少ない理由の一つとして、家事や育児などを、女性が多く担うという文化的な背景が挙げられます。日本の女性は、家事、育児へのプレッシャーが特に重いという話を、どこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか?

実際に、男女共同参画局の「生活時間の国際比較」によれば、家事などの、いわゆる無償労働時間は、男性と比べて女性が5.5倍多くなっています。この状況の中、さらに管理職の仕事を担うとなると、かなりの負担と言わざるを得ないでしょう。

2:過重労働問題

日本の長時間労働は、昨今問題視されています。過労死やうつ病などのワードを、ニュースで目にする機会も多いですよね。

特に、日本の男性の労働時間は、OECDの2020年の国際比較で見ても、最も多くなっています。男性は体力限界まで働き、女性に家事育児のプレッシャーがかかるというのは、まさに悪循環ですよね。

こういった過重労働も、「女性管理職」が少ない要因の一つになっていると言えるでしょう。

「女性管理職」を増やすメリットは?

「女性管理職」が増えると、どんなメリットがあるのかも、合わせて見ていきましょう。

1:働きやすい社会づくりにつながる

男性は長時間働き、女性は家庭で支える、ということに違和感を持っているのは、女性のみならず、男性も多いようです。

また、労働人口が減ってきている今の日本では、もはやこういったモデルは通用しない、とも言われていますよね。しかし、男性管理職ばかりの社会で、いくら「女性活躍推進を」と謳ったところで、実態は変わりにくいでしょう。

そのため、「女性管理職」は、性別に縛られない多様な働き方を実現するための、一つの鍵とも言えそうです。

オフィスでガッツポーズをする笑顔の女性
(c)Shutterstock.com

2:経済成長につながる

「女性管理職」が増えることは、日本経済にもメリットがあります。

男女の所得格差が大きい日本ですが、「女性管理職」の割合が上がれば、購買力の高い女性の人口が増えますよね。このことにより、景気への好影響のみならず、GDPの増加にも影響を与えると言われています。

また、近年話題の、多様性という観点で見ても、「女性管理職」が重要なのは、言うまでもないでしょう。

ちなみに、製品やサービスを開発する際、多様性がある組織の方が、画期的なものを生み出しやすいそうです。こうした面で見ても、「女性管理職」の増加は、経済的に好影響をもたらすと言えるのではないでしょうか。

「女性管理職」に向いている人は?

「女性管理職」には、どのようなタイプの人が向いているのでしょうか? もちろんタイプだけで割り切れる話ではありませんが、ここでは、代表的な要素をピックアップして解説します。

1:主体性がある人

中には、会社から言われて、いやいや管理職になってしまう女性もいます。しかし、主体的に選択していない場合、管理職の業務を上手くこなすことは難しいですよね。

管理職は、自ら考えて動き、部下に指示を出し、進捗を管理する必要がある業務です。そのため、主体性は、管理職にとって重要な要素と言えるでしょう。

オフィス街をバックに爽快に立つ女性
(c)Shutterstock.com

2:部下を信頼できる人

部下を信頼して、仕事を適切な範囲で任せられるということも、重要です。仕事への意欲が高いあまり、業務を抱え込んでしまう管理職も少なくありません。

また、まだまだ割合の少ない「女性管理職」となると、プレッシャーもあるでしょう。弱みを見せられないという気持ちから、誰にも頼れず、燃え尽きてしまうことも。

部下を信頼して、適度に仕事を任せられる人が、管理職に向いていると言えます。

3:感情調整が上手な人

感情に振り回されず、上手く調整ができるというのも、管理職に向いている人の特徴です。管理職が感情的になってしまうことは、パワハラなどの問題に発展してしまいかねません。

一方で、ただ論理的になれば良いわけではなく、部下の気持ちに寄り添って考えられることも重要です。部下を正論で論破してしまう上司は、なかなか協力や信頼も得られませんよね。

このように、上手く場面に応じて感情を調整できることは、管理職の適性として大切な要素です。

最後に

この記事では、「女性管理職」の比率、「女性管理職」に向いている人や、メリットを解説しました。「女性管理職」は、日本のみならず、海外でも注目されていますので、おさえておきたいテーマですね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

塚原美彩

開業社会保険労務士 塚原美彩(つかはら・みさ)

2016年社会保険労務士資格を取得。趣味は日本酒酒蔵巡り。現在は独立開業し、企業の人事労務コンサル、ポジティブ心理学をベースとした研修講師として活動中。

ライター所属:京都メディアライン

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