「グダグダになる」「グダグダ言う」などと使われる「グダグダ」という言葉。皆さんは、日常生活でどんな時に使っていますか? 普段あまり意識することがないですが、改めて考えると不思議な表現ですよね。今回は、「グダグダ」の意味や使い方、類語や言い換え表現などを解説します。
「グダグダ」の意味とは?
日常会話でよく使われる「グダグダ」には、大きく分けて2つの意味があります。1つ目は、「つまらないことを長々と喋ること」。同じことばかり言っていてちっとも行動に移さないことを、「グダグダと言い訳を続ける」と表現したりしますね。
2つ目は「無気力でやる気のなさそうなさま」。気持ちが緩んでしまりがない様子や状況を表します。「休日なので布団の中でグダグダしていた」というように怠惰な人の様子を表現する時に使われるようです。
【ぐだぐだ】
[副](スル)
(1)同じことを何度も繰り返したり、つまらないことを長々としつこくしゃべったりするさま。くどくど。くだくだ。「―(と)言い訳を続ける」
(2)無気力でやる気のなさそうなさま。気分などがゆるんでしまりのないさま。だらだら。「―(と)ご飯を食べたりテレビを見たりして過ごす」
(小学館 デジタル大辞泉より)
使い方を例文でチェック!
「グダグダ」の意味を理解したところで、使い方を見ていきましょう。ここでは基本的な使い方を3つ紹介します。
グダグダ言ってないで早く勉強を始めなさい。
不平不満をぶつくさ言っていたり、言い訳をしてばかりで何もしない人を注意する時に、このように言ったりします。不平不満を口にしたところで、物事はいい方向に進みません。このように、言っても仕方のないことや、中身の無い会話を「グダグダ」と表現することがあります。
お客さんが来ないので、店員同士でグダグダしていた。
ダラダラと過ごしていることを、「グダグダしている」と表現することもあります。特に何もすることがなく、ぼんやりとしたまま時間を過ごしたり、誰かと喋りながら暇をつぶしていたりするような状態です。
仕切り役を彼に任せたせいで、飲み会はグダグダになってしまった。
2つの意味には含まれませんが、「段取りが悪く、収集がつかない状態」を表す時にも「グダグダ」という言葉が使われます。何かの集まりや会議などの進行が悪く、時間が押してしまうといった状況を目にして、「グダグダでみていられないよ」と言ったりすることも。時間を浪費しただけで、最終的になんの成果も得られなかったというニュアンスが含まれているのがポイントです。
「グダグダ」とよく似た表現
「グダグダ」の代わりに使われることが多いのが、「ダラダラ」や「グズグズ」「くどくど」などです。これらは、擬態語のオノマトペとされ、状態や人の行動などを表す時に使われます。合わせて覚えてみると、表現の幅が広がります。
ダラダラ
「グダグダ」の代わりに使われることが多いのが「ダラダラ」です。例えば、気分が緩んで締まりのない状態のことを「ダラダラとした生活」「会議がダラダラと長引く」などと表現します。無気力でやる気がない様子がどちらも共通しています。
・夏の暑さにやられて、ついダラダラと過ごしてしまった。
・ずっと働き詰めだったので、今日は一日中ダラダラすることにした。
グズグズ
「グズグズ」には、「のろのろと悪戯に時間を費やすさま」「態度がはっきりしないさま」などの意味があります。なかなか動こうとしない子供に対して、親が「グズグズしてないで早くしなさい」などと注意する時に使われます。ものの言い方や動作が曖昧で、のろのろとした様子を表す時に使われる表現です。
・仕事の締め切りが迫っているのでグズグズしている暇はない。
・父親にいつまでもグズグズ言うなと怒られた。
くどくど
しつこく繰り返し同じことを言うことを「くどくど」と表現します。「くどくどと説教をする」というように、長時間ねちねちと嫌味を言ったり、小言を言われたりする時に使われます。「グダグダ」の「つまらないことを長々と話すこと」という意味とよく似ています。基本的に、説教したり不満がある時に使われる言葉なので、あまりいい意味ではありません。
・お袋が嫁のことをくどくど悪口を言っているのがなんとも忍びない。
・夫は帰りが遅かったことをくどくど言い訳した
類語や言い換え表現とは?
「グダグダ」は便利な表現ですが、一方でかしこまった場面で使うのをためらう方も多いはず。より丁寧な言い回しを覚えておくとビジネスシーンで役立つので、早速見ていきましょう。
収拾がつかない
状況が混乱し、整理がつかないことを「収拾がつかない」と表現します。人の怒号が飛び交っていたり、たくさんのものが溢れて手に負えないような、困った状態を表します。
・会場は混乱して、収拾がつかない状態になっていた。
・私が到着した時にはすでに収拾がつかなくなっていた。
段取りが悪い
「段取り」とは、物事を行う順序や手順のこと。何かを行う時には、あらかじめ順序などを考えて準備をすることが多いですが、それを怠ってしまうと、進行が遅れてしまい他の人に迷惑をかけてしまうことも。このような段取りが悪い状況のことを「グダグダになる」と表現します。
・実行委員会の段取りが悪く、スタート時間が大幅に遅れてしまった。
・彼は仕事の段取りが悪く、いつも残業ばかりしている。
冗長
「冗長(じょうちょう)」とは、「文章や話に無駄が多く、長いこと」。話がくどく、長ったらしいことを表します。仕事の場面で、つい長く話してしまった時に「冗長してしまいました」「冗長な挨拶でした」などと言うと、丁寧ながらも自重したニュアンスが伝わるでしょう。「グダグダ」の言い換え表現として覚えておきたい言葉です。
・冗長な話となってしまい、恐縮です。
・同じような内容を繰り返し書いているようで、冗長な論文だと思った。
ビジネスシーンでは言い換えて表現を
「グダグダ」の意味や使い方などは理解できましたか?「グダグダ」は、「ダラダラ」「くどくど」などと同じオノマトペの一つ。言葉の響きで、無気力な状態を伝えられるのでとても便利な言葉です。その一方で、あまりいい状態を表す言葉ではないため、ビジネスシーンでは「冗長」や「段取りが悪い」などと言い換えるといいでしょう。この機会に、表現のバリエーションを増やしてみてください。
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